現代短歌練習24

2018年短歌まとめ・5

カウンター決めたあの子は絹ごしにおぼろのようなハートを隠す

強かに机の間すり抜けて窓の向こうにばらまく本音

しょーもないこともない気もするけれど玉ねぎの芯を目指した勇気

飲み込んだ棘の色はさよならの響きに似てた雨後の木漏れ日

パンプスは硝子製ではないけれどわたしへ続く標にしたい

ヒーローになりたい君の真ん中でキラリと見えた承認欲求

真夜中に呼べば答える人の群れハートの意味はただ無関心

わたくしの仮面剥がせばわたくしの大人ニキビに眉は半分

美味しいと四文字だけの我儘も三分経てば啜り忘れる

ミスチルは好きなんだけど遠距離のテーマソングでたまに悲しい

好きすぎて泣いてしまうほどのこの恋を乙女心とともに育てる

おはようを何度も何度も繰り返し明日も続く今日もおはよう

焼肉のための余白に胃もたれがちょこんと座る現実を知る

糖質をオフにしたって譲れない塊がある明日も続く

君のこと好きじゃなくなるその前に食べ尽くしたいシュークリームも

観覧車悲喜こもごもを受け止める手が足りないとなぜ嘆くのか

好きだよと言葉で声で抱き締めてパスタ絡めたフォークは笑う

言い訳の有効期限は二日だけ常識欠けて青空見える

存在を示すための影でした縁を歪めた塩水の濃さ

夕月に寄り添う指を愛しいと君の気配がわたしを脱がす

サンダルをすり抜けてくる白砂のきめの細かさわたしはここよ

もっと詠んでいたのだけれど、ギリギリ出せるものだけ出したので残りの歌とはサヨナラします。
改めて読み返すとやはり成仏してきた感じがする。

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