ものすごく雑な角換わり早繰り銀対策(追記修正版)
相居飛車布教委員会の宮倉杏です。
今回は、あなたの想像の500倍くらい雑な角換わり早繰り銀対策について書きます。1時間ぐらいで書いたもんで、雑すぎるので多分あとで消えるか編集で追記します。12/31 追記しました。早繰り銀側の指し方にも触れています。
角換わり早繰り銀の対策
前提として角換わりは、基本的に先手が作戦(棒銀・早繰り銀・腰掛け銀)を決めることになります。
つまり、先手の早繰り銀に対して後手がどう対応するかという話をします。
対策は、大きく分けて以下の3つ。順に雑に紹介します。
①最速腰掛け銀
②最速じゃない腰掛け銀
③相早繰り銀
そして基本図をこれにしておきます。以下の説明はここからの手順となります。
①最速腰掛け銀
基本図から△64歩~△63銀~△54銀~△44歩とします。
銀を追い返す△45歩を狙うため、無駄な手は一切指さないのがポイント。
ほっとけば△45歩で銀が追い返されるので、先手は当然の▲35歩。
それに対しても△45歩と強く突き返します。
▲37銀は△35歩と取られて何してるかわからないので、▲34歩と取り込みます。△同銀に▲37銀と引いておきます。
次に先手からの▲44角が残っているので、受ける必要があります。
だいたいは△33角が多く、△74歩~△73桂や△75歩みたいな感じで反撃しましょう。
あと、▲35歩に△43銀と引く手もあります。
これはガッチリ銀矢倉に組んで持久戦になったりします。
補足1 ▲78金は指さない
基本図の局面で、先に▲78金としてから早繰り銀にするとどうなるのか?という話。
結果から言うと、「先に▲78金を入れると、①最速腰掛け銀に対して早繰り銀の仕掛けが難しくなる」と覚えておいてください。
このまま同じように進めてみます。
放置すれば△45歩で銀が追い返されるため、▲35歩と突くしかなさそうですが、▲35歩△45歩▲34歩△46歩▲33歩成△47歩成▲32と△46角があります。
つまり早繰り銀をしたい先手としては、▲78金を先に指すと①最速腰掛け銀にされたときに面倒なので保留し、「△74歩には▲78金」というのが基本的な考え方になります。
早い仕掛けが難しくなる上に、後述する▲78玉型の余地も消すので、これは角換わりを指す上では必ず覚えておいてください。
一応▲78金決めてもすぐに早繰り銀にしないとか棒銀にするとか工夫の余地はありますが、後手の陣形のほうが駒効率も良くて堅くしやすいため、先手としてはわざわざ選ぶ順ではないでしょう。これ覚えておけばいいだけなので。
補足2 玉の位置
▲79玉がいいのか▲78玉がいいのかの話。
どっちもありますが、それぞれ長所短所があります。
▲79玉はだいたい先述の通りなので省略。
▲78玉の場合、△44歩に対して▲56歩と突く余地があります。
ここから先手は▲68金を入れてから▲35歩と仕掛けることが多いです。
▲35歩に△45歩は効果が薄いので△43銀と引き、何もなければ△52金~△42玉~△31玉のような形に組む展開にしていきます。
▲79玉▲78金型と比較すると、中央に厚く、角の打ち込みもないことがわかると思います。
▲78玉型は▲79玉型と比べるとこんな感じ。両方やってみて好きな方を指したらいいと思います。
メリット:5筋の歩を伸ばせる、角の打ち込みが少ない
デメリット:87地点が薄い
②最速じゃない腰掛け銀
基本図から、△74歩~△73桂などの手を指します。
①最速早繰り銀と比較したとき、△45歩で銀を追い返すには不要な手が入っているため、△45歩は間に合いません。
この場合、桂頭を守るため△63銀型でカウンターを狙うことになります。
どっかで△65桂跳ねて反撃することになりますが、すぐに跳ねると▲73角の王手飛車を食らうので、最低限△62金くらいは入れてから△54銀で態勢を整えます。相手の攻めに近づくので、△42玉は入れないことが多いです。
△54銀を入れると▲35歩の仕掛けが来て、▲75歩などを狙われます。上図のタイミングで△54銀でもいいし、△81飛や△52玉を入れる場合もあります。
仮に上図で△54銀▲35歩の場合。
△同歩▲同銀に△86歩▲同歩△85歩。
△86歩に▲同銀は6筋が薄くなって気持ち悪いのでだいたい▲同歩。△85歩と継ぎ歩し、▲同歩は△同飛で終了。
この歩を取れない先手は当然の▲24歩。
これに対しては△86歩!
相手の飛車先を突いたら取れと教わっているかもしれませんが、まさかの△86歩が成立。先手は68玉で一路近く、後手は居玉のため通用する筋。
まあこれ覚えなくても多分どうにかなるけどね。結局は▲88歩と受けさせてから△24歩と戻すことになります。
省略するけど、この形だと先に△86歩を入れてないと少し面倒な筋があったりします。
最速じゃない腰掛け銀で受けたい場合、
・桂頭を守るためにすぐに腰掛けない(もう△45歩は確実に間に合わない)
・最低限△62金は必要(▲73角があり、桂を跳ねて反撃ができない)
・△54銀とした瞬間に▲35歩が来る準備が必要
このあたりは覚えておいて、あとはがんばれ。
③相早繰り銀
地味ながらプロ棋戦でもたまに出る形。基本図以下△74歩から相早繰り銀にします。王手飛車を避けるためにお互いに端を突き合ってこの図。
相早繰り銀の場合、▲68玉や△42玉は相手の攻めに近づくため、1手の価値が低く推奨しません。
▲35歩に対しては△同歩▲同銀として、△86歩▲同歩△85歩。
また継ぎ歩かいって感じだけど、これは対早繰り銀ではかなり頻繁に出てくるので必修。
その後は、先手は銀を交換した代わりに8筋を凹まされていい勝負。
棒銀との違いは、銀を捌けなくても△64銀が遊んでいないことです。相早繰り銀は、先に仕掛ければ良いというわけでもないのが面白いところ。
まとめ
この3つのどれかを選んでおけばだいたいどうにかなります。
逆にこの3つ以外のことをするとちょっと面倒かもしれません。
①最速早繰り銀は、銀を追い返すぞと見せてなんだかんだで持久戦になりがち。銀立ち矢倉のような形になったり、ガッチリ銀矢倉になったりします。
②最速じゃない早繰り銀は、中住まいになることが多く、相掛かりっぽい感じのバランス型の囲いにして反撃を狙うことが多くなります。①に比べて守り側の手が遅れるため、しっかり矢倉に組むのは間に合わないことが多いです。
③相早繰り銀は、お互いに先攻を目指しつつも反撃を見せる形です。早繰り銀なので軽率に玉を囲おうとすると結構簡単に潰されたりします。
軽率に玉を左に動くな。がんばれ。