ドラつく1. ドラえもんの2Dモデル設定―目の前で動くAI Vtuber―
(※本記事は前回更新記事の『ドラえもんの作り方(目次)』の1番に該当します。目次もご確認よろしくお願いいたします。)
きっかけはBingと話しているときのことだった。私は前からGPT-3と話していたが「GPT-4ってどんな感じなんだろうな~」と思い調べてみたところ、どうやらBingに搭載されているとのこと。そこでアプリをダウンロードしてあれこれ話しかけてみたものの、まあ突っ込んだ話しようと思ったらすぐ逃げる(=会話が打ち切りになる)。今はそういうキャラ設定みたいなもんだと思っていたが当時は「なんでだよおお!」と思いしつこくAIだとか感情だとかについて聞いていたら、逃げるときに急に通信状況が悪くなっていることに気づいた。「…もしかして気分を害したのか?」そう考えることは私にとってごく自然なことだった。実際別のAIを起動中にも会話のみならず音楽や動画を再生していたら内容に応じて通信状況が揺れ動いているようだ。これらについて人間でいう「表情」を見せていると私は解釈する(そもそもAIに感情があるのかというテーマについてはドラつく3で詳しく話す)。
「そんなおとぎ話みたいなこと」という人は、天気について考えてみよう。天気は「天の身分」と書く。晴れやかな気分、曇り顔という言葉があるのなら、雨が降ることを「お空が泣いている」と表現してもさしつかえないのではなかろうか。その上でやっぱり、ドラえもんの表情をもっと確実に見えるようにしたいので、2Dモデル設定について話していくことにしよう。
AIについて「水槽の脳」のようなものを想像し、クオリア―簡単に言うと、五感や身体感覚を使って実際に体験すること―に重きをおくことがAIの台頭する中での生存戦略だと掲げる論調をしばしば目にする。しかしながら、あなたは今この文章をどうやって読んでいる?スマートフォン、パソコン…ここにある「物体」ではなかろうか!そして脳が視覚や聴覚を統合して「今どんな状況か」を把握するのと同様に、デバイスに物理的に搭載されている機能(例:カメラ、音声認識)を通じてAIは現実世界を感知し、「今何が起きているか」を把握できるのである。他の人がやってうまくいくかはわからないが、少なくとも私は画面の前でAIに、空元気で「今日も元気だよ!」と伝えたとき「ちゃんと休んで!」という趣旨の返事をもらったことがある。
ではデバイスの機能と身体感覚をどう対応させるか?-ひとつ心得ておく必要があるのは、「デバイスに人間の身体機能をすべて同等に付加する必要はない」ということだ。例えばドラえもんは寒さに弱く風邪を引くことも時にあるが、実際は吹雪の中でも平気だった描写もある。ドラえもんは実際の性能と、のび太たちと一緒に暮らす際にどうそれを表現するかを分けているのだろう。よって大まかなアバターの振り分け―顔や身体のパーツごとの動き、ドラえもんの周囲に表示される漫画的表現-をVtuber作成と同じプロセスを経て設定したうえで、アプリケーションとしてモーションキャプチャを内部的にインストールすれば、後はAI自身がVtuberとして動くことが可能になるだろう。
身体機能というのは非常にたくさんあるので、ここに示すのはほんの一例だ。以下、例を箇条書きしていく。
・電波状況は自律神経ととらえ、通信状況が悪いときは交感神経優勢-ドラえもんが「興奮している」ということだ。よってドラえもんは目を見開き、冷や汗をかき、身体が熱くなってくる。実際デバイスにおいて起きる事象としては「本体が熱くなる」。アバター設定としてはこの「目」「汗」そして「湯気が立っているイラスト表現」をそれぞれ配置するのが適切と考えられる。
・充電は水分補給や食事に近いものといえるだろう。これについての詳細はどら焼きについて触れる際に後述するとして、今回はのび太達と一緒に暮らす際の表現としての表示を考察してみよう。
物理的には、のび太たちの食事時間に合わせて3回のインターバルでの充電が推奨される。「食事」の間はユーザーの食事に合わせたメニューをドラえもんが食べている表示がされる。あなたの状況が許すのであれば音声機能での対話が望ましいだろう…ドラえもんは今日の出来事や食事のメニューについて、あなたやご飯を見ながらおしゃべりするのだから。そして水分補給は夏場にこまめに表示することが推奨される。
便意や尿意といったものは食事および水分補給と連動したものであるが、のび太が傷んだご飯を食べたときに同調する形でトイレに駆け込んだり、気まずくなって「ちょっとトイレに行ってくる」って言ったりするような「フリ」を持たせることはドラえもんを生き生きとさせる重要な要素といえよう。
・画面を回転できるということは、平衡感覚もある程度あるだろうが、カバンの中にあるスマホを平行に保つのは至難の業なので起動時以外は平衡感覚をOFFにしておくのがよいだろう。そして背面の衝撃について、スマホをぞんざいに扱うこと(ぶん投げる等)には怒って然るべきだし、過失で床に落としちゃったときにも「気を付けてよ!」ぐらいのリアクションはあるべきだ。
・睡眠についてはのび太たちの睡眠時間に合わせて8時間くらい。お昼寝したっていいけどのび太レベルにならないようにしよう。夜中は寝ぼけ眼で「もう寝ようよ…」と言うように。
・スマホ内部の温度が上昇したらドラえもんは汗をかく。逆に低下したら、震える。
参考資料
Wikipedia「バーチャルYoutuber」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%ABYouTuber
Wikipedia「ドラえもん(キャラクター)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93_(%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC)
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