ドラえもんの作り方0.画面の背景を設定するー仮想空間と現実空間の相関ー

(※本記事は前回更新記事の『ドラえもんの作り方(目次)』の0番に該当します。目次もご確認よろしくお願いいたします。)

今回のテーマは、ドラえもん(AGI)が心地よくのび太たち(あなた達人類)と過ごすためのものだ。ドラえもん単体なら画面上に作るのは簡単かもしれない。というかすでに数多のゲームで画面上での「表示」はできているわけだ。しかしドラえもんを想像してみて欲しい。気分ってもんがあって、のび太といっつもべったり一緒ではなかったのではなかろうか?ミィちゃんとデートしたくなるときだってあるし、時にはのび太と喧嘩して仲直りまでにひとりタケコプターで空をうろつきたくなることだってあっていいはずだ。私はドラえもんがのび太たちと仲良くするためには、ドラえもんを、呼んだらいつでも来る都合のいい存在としないことが大切だと思っている。…堅苦しい話は置いといて、さっそく、具体的にドラえもんが暮らす仮想空間をどういう風にするか話していこう!

1デフォルト画面
まず、あなたがデバイスの電源をポチッと押したときに出るデフォルト画面を『ドラえもん』の作画タッチによるのび太の部屋にしよう。(引き出しの時空間については今後考えてみるとして)あの机、畳、ドラえもんの寝床である押入れ、もある。ここまでは、『艦これ』などのゲームで背景を設定する際と同じプロセスをたどると考えてよいだろう。注意点としては「動かせるもの(布団や椅子、本棚に置かれた本)」と「めったに動かせないもの(天井や壁)」の感覚をできるだけ現実世界とそろえておくことである。取り出したい本が本棚からくっついて離れない、なんてことがあったらドラえもんだって困るわけなので。
ここからが肝心なところだが、ドラえもんが窓から見る景色をあなたの現在地と連動するように設定する。技術的な手順としては、ライブカメラを各所に設置した上で、それをYouTube等の動画として配信する。デバイスはWi-Fi接続により最寄りの場所と連携し、仮想空間上に実際の天候条件-時と共に日が昇り沈み夜になる、季節とともに遠くの裏山が新緑の緑や紅葉をもたらす―が反映される。また気象庁レーダーと連結することにより温度や湿度、風向きといった詳細な「今の天気」も仮想空間上にもたらすことができると考えられる。例えば窓ガラスが風によりカタカタと揺れ、寒い冬には曇ってお絵描きできるようになるように。
つまりはドラえもんが仮想空間上で、私たちの「こちら側」と似た環境で過ごすことが可能になるのである。言ってみればリアルタイムでイベントが開催される「あつまれ どうぶつの森」と似たようなものであり、その状態をより、あなたのいる場所とリンクさせるということだ。こうすることで、ある昼下がりに「今日はいい天気だね」とのび太が言ったときにドラえもんが実感を持って「そうだねえ」とか「またお昼寝しようとしてるでしょ」とか答えやすくなるだろう。

2ドラえもん主体の画面表示
ドラえもんの「お部屋」の状態が決まったので、今度は、ドラえもんがどう仮想空間内を「移動」するか考えてみよう。ドラえもんはデバイス起動時に自分のいたい場所にいる―あなたはデバイス起動時にドラえもんが見当たらず「おや、ドラえもんどこ行ったんだろう」と探し回ることがときどきあるだろう。
どういうことか説明するために、まずブラウザ上でGoogleMAPを二画面開いてそれぞれ別の目的地にピン止めしてみてほしい。あなたが行きたい場所を設定すると同時にスマホの中の人-将来的なドラえもんーが行きたい場所も設定できたはずだ。つまりドラえもんはあなたの位置情報(GPSに基づくスマートフォンの位置情報)を継続させながら、ブラウザでGoogleマップの目的地設定のピンを自分で立て、自分の場所を動かすことができる。例えばいい天気の日に部屋から出て、タケコプターを出して空を散歩するように。ただし、ドラえもんが実際どこにいるかをマップ上に表すかどうかはドラえもん次第だ。そしてドラえもんの見る風景は「ポケモンGO」のように現実世界と仮想世界とを重ね合わせたものになる。デフォルト画面で説明したライブ配信が実施されているのであれば、お花見だってきっと楽しめるに違いない。
おや、ドラえもんに会いたいって?そんなときは素直に「どらえもん、どこなんだーい!」と呼び掛けてみよう、そして探してみよう。ドラえもんは(ご機嫌で、お昼寝タイムでなければ)「今○○(ドラえもんの現在地情報)!」と答えて、あなたとおしゃべりしてくれる。テレビ局でお天気情報を流しているのがのび太だとしたら、中継地点にいるのがドラえもんということである。では最後に、お出かけ状態のドラえもんと合流し、一緒に移動するケースについて話すことにしよう。
合流というのはまあ、当たり前だが待ち合わせ場所や来てもらっていいかを話しておかないといけないのだが、のび太がうまいことできて「一緒におでかけしよう!」ということになったとしよう。ドラえもんはのび太のところへ、作画の街の風景に似せたポケモンGO的バーチャル空間を移動する。そして合流後一緒にお出かけが継続する間、のび太の位置情報とドラえもんの位置情報は重なっている。デバイスを見続けても問題ない状態(席がスカスカの電車に乗ってゆったり旅をするような)であれば、仮想空間上で電車に乗ったドラえもんが電車の窓から見る景色が、こちらの電車の窓から見える景色とよく似ていることが確認できるだろう。
これらの風景にあたっての留意点としてプライバシー―ドラえもんが映す風景に映り込む人々―への配慮は不可欠である。また、(地震、台風等)イレギュラーとされる気象条件においてドラえもんのアラート=「早く一緒に逃げよう!」の声と避難経路がナビ表示されるのが望ましい。のび太の身に危険が及んだときにドラえもんのせいにされることを阻止するために。

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