Landscape Furniture
※このnote記事は、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース 「クリエイティブリーダシップ特論II」 の課題エッセイとして記載したものである。
第11回ゲストは、建築家として国際的に活躍し、家具や照明デザインまで幅広く手がけるを務める芦沢啓治さん!
▶︎「公共工房」としての石巻工房
新たに釜石で、建築家として活動される中で、意識されていたのは地元の方との距離を近づけていくことだったそう。
2011年の東日本大震災の後、宮城県石巻市に通うなかで「どうせ行くならちゃんと役に立ちたい」という思いが芽生え、地域のものづくりの場として「石巻工房」という公共施設を立ち上げたそうです。石巻工房は現在、家具メーカーに発展し、規格材のみを用いたシンプルで機能的な家具を制作しています。
津波が引いた後の石巻は、とんでもなく静かだった、と当時を振り返っていた芦沢さん。地域に根付くプロジェクトを通じ、芦沢さんなりのアプローチで次々と取り組みを行っていったそうだ。
▶︎家具作りを通じた交流
地域だけでなく、活動が10年を超えた頃から世界とも様々つながるようになっていった石巻工房。
ボランティアベースで続けていた活動も、持続的に取り組んでいくためにはどこかで、商品として販売していく必要を感じ始めたという。
そこで発案したのが、Made in Local PROJECT。世界中の地元のものと組み合わせていくことで、その地域ごとのデザイナーの力を借りつつ、より良いものを創っていくのである。
今回の講演で一番残ったのは「Landscape Furniture」という表現だ。
「売れるソファを作ってほしい」というオーダーよりも、
「この家に会うソファを作ってくれないか?」というオーダーの方が、よりグッとくるデザインにおとしこめるのだという。
家具はただそこにあるものではない。
空間を形作る、本当に大切な構成要素でなのだと実感した。