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2024年11月18日。冬にしてはあたたかい日が続き、数々の服装迷い人たちが街を彷徨う中、私藤都子はデビュー1周年を迎えた。 せっかくなのでエッセイもといブログの体で今を文章にも残しておこうと、いま筆を執っている。 ゆめみた加入がきまってから、私を取り巻く環境はあっという間に変わった。それまでひとり家で絵を描き、寝室にファブリーズをふりまき除霊をし、ときおり庭のハイビスカスのはっぱをつつく生活をしていたのだから当然の変化だ。 デビューした1年前の時点では、実際に己の生活
ポット、クロス、ミラノ、スヌード、ピッティ、ウィンディ、ボリューム、ニューヨーク……。 この文字列を見てピンときた人は挙手しなさい。正解者には私からおしゃれ上級者の称号を与えよう。ちなみに称号を与える立場にいるおしゃれ番長こと私は、google先生の知能をカンニングし額に脂汗を浮かべながらこれらのカタカナを打ち込んだ。 さて、私のエッセイ読者であるおしゃれなみなさまならそろそろ正解がわかっただろう。 これらのカタカナたちは「ストールの巻き方」の名称である。 先日、うま
先日、耳のなかにスライムを注入されてきた。 それは非常に刺激的でファビュラスな体験であった。脳の近くまで異物が入ってくる非日常的感覚。私の人生の中でトップ5に入るほど胸が高鳴った。ぜひみなさんにも体験していただきたい。 なにか勘違いされている気がするため念のため申し上げるが、これは決して私がASMRの聴きすぎで現実と妄想の区別がつかなくなった訳ではない。私は「仕事」で耳にスライムを入れられに行ったのだ。つまり、ビジネススライムである。 インイヤーモニター、通称イヤモニ。
一歩外に出ると、かたくてさみしげな空気がクリスマスの気配を運んでくる。 メンバーとはじめて顔合わせしたあの日のことはほんの数日前のことのように思い出せるのに、気付けばデビューからもう2週間が経過していたらしい。 デビューするまで正直なところ、実感は一切なかった。というよりも私は疑っていた。現実を。 考えてもみてほしい。私はいままでずっとひとりでまんがを描いて生きてきたのだ。外界には滅多に現れない幻の座敷童のような女が、才能あふれる4人の仲間とバンドを組んでデビューするな