【あいじゃの意味〜感嘆詞3選〜】 宮古島の方言その5
前回の記事(【宮古島の高校入試はピクニック?】)では宮古島の文化面に触れ、宮古島では高校入試のランチタイムでピクニックをするという異色の伝統をご紹介しましたが、読者からのコメントで驚愕の事実が判明いたしました!
実はこの文化、昭和55年(1980年)の段階では存在していなかったそうなんです!当時は家に帰ってお昼ご飯を食べていたそう。さらに卒業式ではメリケン粉(小麦粉のこと)をかけたり当時のスポーツカーがパレードを行ったりもしていたそうなんです。。。現在とは似ても似つかぬ卒業式の景色に、時代の変遷と島の歴史を感じました。
「文化の起源」については考えたことがなかったので、今度帰省した際に島の人に聞き回ってピクニック文化の誕生がいつ頃なのかについても究明しようと思います!また、このコメントを下さった読者からは、当時の卒業式の貴重なお写真もご投稿いただけましたので、興味のある方はこちらのページも覗いてみて下さい✨
それでは講座に移りましょう。今回は、【感嘆詞3選】をご紹介します。その前に感嘆詞とは何かについて簡単にご説明します。
0. 感嘆詞(かんたんし)とは
『デジタル大辞泉』によると、「感嘆詞」とは「感動のあまり発する言葉」のことで、「感動詞」とも呼ばれています。例えば「ああ」や「おお」などの『感動』を表す言葉や、「おい」や「もしもし」などの『呼びかけ』を表す言葉が当てはまります。その他にも「はい」などの『応答』、「こんにちは」などの『挨拶』、「よいしょ」などの『掛け声』も感嘆詞に含まれます。
感嘆詞が何かについて分かったところで、さっそく宮古方言の感嘆詞をみていきましょう!
1. あが!(痛い時)
1つ目にご紹介するのは、「あが」です!こちらは沖縄本島の方言でも同じ意味で使われており、不意打ちで鋭い痛みを感じた時に発する言葉です。
思わず「あが!」と発してしまうだろうシチュエーションをいくつかみてみましょう。
①机の角に小指をぶつけた時 「あが!」
②友達に思いっきり叩かれた時 「あっが!」
③裁縫をしていて針が指に刺さった時 「あがっ」
④引き出しに指を挟んだ時 「あっが」
などなど。標準語でいうところの「痛い!」「痛っ!」に当てはまります。
2. あがい/あがえ(呆れた様子)
2番目にご紹介するのは、「あがい」または「あがえ」です。使い分けは個人の好みで、いずれも同じように使えます。先程紹介した「あが」と形は似ていますが、実は全く違う意味を持っています。これは、相手への軽蔑や呆れた様子を表す表現なんです。
それでは、思わず「あがい〜」と呆れてしまうだろうシチュエーションをいくつかみてみましょう。
①いつまでも宿題を始めない子供に対して
宮古方言:あがい〜。あんたはいつになったら宿題するかよ〜。
標準語訳:はぁ(呆れた様子)。あんたはいつになったら宿題するの?
②何度もお金を貸してと頼んでくる友人に対して
宮古方言:あがえ〜、またな?
標準語訳:えー(呆れた様子)、また?
などです。
さて、「相手への軽蔑や呆れた様子を表す表現」と聞いて、「あれ?以前も出てきたような?」とお気づきの方もいるでしょう。実は「宮古方言講座その2」で執筆した【若者が良く使う方言5選】の「だいず」でも登場しました。覚えておりますでしょうか?
思い出しましたか?例文の「あがい〜」や「あがえ〜」を「だいず」に置き換えても同等の意味になりますよ!
3. あいじゃ!(不意打ちで水に濡れた時)
実は宮古島の方言には、不意打ちで水に濡れた時だけに使用する特殊な言葉があるんです。それが「あいじゃ」。人によっては「あじゃ」「あじゃら」「あいじゃら」と言ったりもします。それでは早速、「あいじゃ!」と叫んでしまうシチュエーションをみてみましょう。
①蛇口をひねったら中が詰まっていて思い切り水がかかった時 「あいじゃ!」
②雨上がりの帰り道、木の葉から雨水が頭上に滴ってきた時 「あじゃ」
③友達が誤ってバケツの水をひっくり返した時 「あじゃら!」
4. さいごに
宮古方言の感嘆詞、いかがでしたか?感嘆詞は考える間もなく気づいたら発してしまう言葉なので、いくら標準語に慣れていても使わないようにするのはなかなか難しいです。裏を返せば、これが身に染み付いて離れなくなってしまったら最後、あなたはれっきとした宮古方言話者と言えるでしょう。
ところで3つ目にご紹介した不意打ちで水に濡れた時だけに使用する特殊な言葉に関して、もし標準語に訳すとしたらみなさんはどう訳しますか?また、似たような意味で使われている方言など知っているものがございましたら、是非FacebookやTwitterにてコメントをお待ちしております!(すごく気になるので是非お願いします!笑)
さて次回は!方言講座ではなく、再び文化面に着目して宮古島の「佐良浜」という地域をご紹介します!私の父方の実家があり、私にとっても非常に馴染みのあるとても素敵な場所です。なかなか旅行に行くことが難しいご時世ですが、実際の私のお散歩コースもご紹介しますので、是非旅行気分を味わっていただけると幸いです。お楽しみに!
おことわり
本記事は筆者が実際に話していた言葉や見聞きした事に基づいて作成しております。専門家による監修等は行われておりませんので、学術論文の執筆や学術研究を目的とする本記事の引用、参照等は推奨出来かねます。予めご了承ください。
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