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競走馬トウメイのお墓参り

1966年5月17日生まれ。昔話だけれど、不遇の幼少期と現役中の活躍ぶりは有名である。
引退後、17年間の繁殖活動で14頭の子を産み、最後の出産は1990年。トウメイは満24歳手前だった。
1991年の馬主さんの死後、彼女は繋養馬となり、1997年の春、満31歳を目前に幕別の牧場で消え入るように死んでいった。
お墓参りがしたい!ずっとそう思ってきた。
2024年5月16日、大阪―幕別の旅開始。
ブーケを手に、十勝軽種馬農協のOさんの案内で、無事現地到着。
けど、うん?何だこれ。ネット上の写真と違うやん。草も木も厩舎もなく、見渡す限り畑。近くには整地中のユンボ。
けどまあ、ぽつんと取り残されたようにではあるけれど、幕別牧場の看板もお墓も見られたので、とりあえずはほっとした。
今日来てよかった。これ以上先延ばしにいていたら、あのユンボのやつに墓じまいされてたかもしらん。
見納めになるかもしれない。あしたも行こう。
5月17日はトウメイの誕生日。5日遅れではあるが、「母の日」の気持ちも込めてカーネーションの花束を用意した。
やっぱり畑にユンボがいて、そのヌシと話ができた。
幕別牧場は最近売却され、その人が買い主さんだった。
厩舎と手前の建物は傷みが激しく危険だったので、やむなく取り壊したとか。
「この土地は農地になりますが、幕別牧場の看板とお墓は残しますし、草刈りもしますよ。だからほかの人たちにもトウメイのお墓がここにあることを教えてあげてくださいね」と。
敵だと決めつけていたそのオジサン、実は優しい人やった。ごめんなさい。
「トウメイの亡き骸は土葬されて、今もこの足元に眠ってるんです」
それを聞いて、そこの土を一握りでいいから持って帰りたいという衝動にかられた。
でも、我慢した。
今でも人気者で、こうして優しい人たちに守られて、トウメイちゃん、あんたやっぱりすごいお馬さんやな。
酔狂な1泊旅。心温まる出会いも含めて、良い思い出がひとつ増えた。

お墓の場所 幕別町相川526
問合せ先 十勝軽種馬農協 0155-54-4341
(ここのOさんもとっても親切な人です)


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