個人的高評価ドラマ『アンメット』『燕は戻ってこない』

4月からのドラマも終わっていきますね。
新ドラマもまた期待していますが、その前に今期ドラマの中で好きだったものについて。

今期一番ハマったドラマは、『アンメット ある脳外科医の日記』 (カンテレ・フジテレビ系、月曜10時) と『燕は戻ってこない』(NHK、火曜10時)で、それぞれ1位タイかもしれません。私の中でですが。

最近のドラマは全10話が多いのですが、『アンメット』は11話。

『アンメット』は、話が進む中で、早いうちにこのドラマのテイストや登場人物のキャラクターやポジション、ストーリー&趣旨が明確になってきたこともあり、各話のエピソードの良さに加え、ミヤビ（杉咲花さん）の記憶障害について真相が見え隠れしながら終盤に盛り上がりを見せるという、理想的なドラマ展開のように思います。ちょっとひいき目ですかね？

映像的にも演出的にも雰囲気がすごく出ているし、全体のバランスもとてもいいような印象。

エンディングの、あいみょんの曲がいいんですよね。ラストにかかる音楽もまたドラマ演出の一部として大きな役割をもつのでドラマ内容と曲がマッチングするとさらに効果大。

ちなみに、私の中でエンディングテーマと合わせて相乗効果があった、もしくはいい場面に流れて盛り上げたと思うここ数年のドラマは、

『最愛』の宇多田ヒカルさん
『MIU404』の米津玄師さん
『アンナチュラル』の米津玄師さん
『逃げるは恥だが役に立つ』の星野源さん
『義母と娘のブルース』のMISIAさん
『silent』のOfficial髭男dismさん

あと
『不適切にもほどがある！』のCreepy Nutsさん
『日曜の夜ぐらいは⋯』のMr.s Green Appleさん
あたりも、ドラマ内容を感動的に仕上げるという効果ではないけど、視聴後の爽快感につなげてくれました。
『ハヤブサ消防団』のちゃんみなさんの歌もインパクトありましたね。

今期の『366日』はエンディングテーマ（HYさん）を推しすぎて、むしろ中身が負けていたように思います。
『Destiny』の椎名林檎さんのエンディングも不思議なインパクトはありましたが、この曲調ではなかったかなぁ。ミスマッチだったような。

いいドラマって、キャストや制作スタッフの方々が一丸となっていい雰囲気を作っているのが伝わってきませんか？

俳優陣もモチベーションが上がっているのがSNSなどでも伝わってきますし、PR用の公式SNSでも更新頻度が高かったり、それに対する閲覧者の反応も多く、しかもポジティブな反応が多かったり。Xのトレンドを見ていても分かります。

『アンメット』は、主演の杉咲花さんと、それを支える若葉竜也さんの熱愛報道もあり、演者を超えた気持ちの高ぶりもあるのかないのか、そこらへんの影響の度合いはわかりませんが。

しいていえば、ストーリーの中で大迫教授（井浦新さん）が西島会長（酒向芳さん）のもとでひた隠しにしていた謎＝ミヤビが記憶障害に至るきっかけ（経緯）が、ちょっと弱かったように思えました。

謎っぽく話をひっぱってきたわりには（しかも人間の記憶領域をコントロールしてまで危険な行為をしていたわりには）、判明してみると、真相が思ったほど巨悪な不正というわけでもなく闇が深いものではなかったかなと。

まあ、それは許容範囲だからいいんです。話がきちんとつながっていますし、ドラマではそこは さほど重要ではなく、大事なのはミヤビと三瓶先生（若葉竜也さん）を取り囲む人間関係の変化と患者さんたちのドラマがよかったのかなと思うのです。

10話の最後のシーン、ミヤビの記憶が壊れかけている状態を映像の歪みとあいみょんの歌（音響）の歪みで表現していたのですが、それによって視聴者までミヤビにシンクロした状態になるという仕掛けがすごいなと。

最終話が楽しみですが、好きなドラマが終わると同時に喪失感も出てくるんですよね。
新ドラマで気分を切り替えたいところです。

『燕は戻ってこない』は、最初の方の怒涛のスピード展開と怪しさに目が離せませんでしたが、代理母になるという流れに乗ってしまったリキ（石橋静河さん）と、代理出産を依頼（契約）した基（稲垣吾郎さん）＆悠子（内田有紀さん）夫婦との心理戦がメインになっていき、その中で「命」は誰のものか、親から子へ引き継がれるものは遺伝子（DNA）が全てなのか、登場人物とともに深く考えることになっているという、テーマ性が強いドラマであるように感じました。もはやドラマ仕立てのドキュメンタリーのような。

ドラマ枠が多くなり、雑なドラマも多いように思えますが、オリジナルにしろ原作ものにしろ、上手く仕上げているドラマもちゃんとあるので、ドラマが面白くないと言われる昨今、良いドラマに出会えることをこれからも期待しています。