#189 学校給食変革を阻む壁について(3)
学校給食変革を阻む壁シリーズの第3弾です。
第1弾、第2弾は、衛生管理についての解釈の問題に触れていますが、今回は組織の壁と人財育成です。
教育委員会と市長部局との違い
教育委員会って何?と思われる方もいると思います。
教育委員会とは、教育に関することを総合的に管理・運営する組織です。教育委員会は専門的なノウハウを有し、また政治的中立性を担保するため、以下のような権限を持っているのですが、これらを実行する予算執行と教育委員の任命については、首長が権限を有しています。
学校設置・運営: 小中高等学校などの公立学校の設置、運営に関する決定権。
教職員の採用・人事: 教員の採用、異動、懲戒など、人事に係る権限。
教育課程の決定: 学校で教える内容や方法を決める権限。
教育施設の整備: 学校や教育施設の建設、改修に関する権限。
教育に関する事業の実施: 学校給食、スポーツ振興、生涯学習など、教育に関する様々な事業の実施権限。
学校給食は、教育に関する事業、「食に関する指導」を行うため教育委員会が実施権限を持っているとされています。
教育委員会の構成
どの地方自治体も、教育委員会の事業を遂行するための行政部門を持っています。都道府県にも市町村にも教育委員会組織があります。「教育委員会」はそういった組織とともに、首長が任命した「教育委員」と呼ばれる専門委員からなる「教育委員会」という会議体も存在します。これは、教育に関する専門知識や経験を持つ人々が、教育長とともに教育行政に携わることになっていて、定期的に会議を持って、教育委員会全体の事業や業務について監視、提言などを行なっています。
都道府県教育委員会と市町村教育委員会とが存在しており、教員の採用、人事は基本的には都道府県教育委員会が所管しています。配属されるのが市町村が設置している学校であっても、人事異動の権限は都道府県教育委員会が持っていることになります。
市町村教育委員会では、県が採用した教員と市が採用した事務職や技術職の職員が配置されていることになりますので、教育委員会全体の人事については、県が関与する部分と市が関すする部分の二重構造となっています。
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