なぜ大学で講座をしているのか| #アートインストール #展示技術講座
サムネイルはオーストラリアでの仕事中に食べたプルドポークバーガーとHazy IPAです。
時々ですが大学で教えています
年に数回、美術系大学でアートインストール関連の講座を担当しています。始めたころはアートインストールという言葉は一般的ではありませんでした。ですので、展示技術と説明していました(「展示技術」で検索すると自分のnoteが一番上に出るので気に入っています)。
講座の内容は、絵画むけアートハンドリングや造作技術、映像音響展示に関するものまで色々です。宮路ほど多種多様な作業をする人は珍しいと自負しています(上のリンクは造作に関する記事で下のリンクは映像に関する記事です)。
時々ですがnoteで発信しています
講座の内容はできるだけnoteで発信しようとしています。ですが、noteではネットに公開できない図面や現場の写真が使えません。そういった非公開資料をイラストや図に置き換える作業は時間がかかります。
ペースが凄く遅いのですが、ぼちぼちリアクションもあるのnoteを書くのは楽しいです。時間とモチベーションが上がった時限定できままに書いています。
収入にはならない
非常勤講師の報酬は事業の規模に関係なく一律です。例えば、工場のために高い家賃を払っている人も、企業に所属して有給を使って講義に来る人も同じ金額です。この点は厳しいと感じています。
講座の仕事はほぼ収益にならず準備も大変です。トータルでマイナスになることさえあります。そのため、年5回くらいまでと決めてます(来年以降はさらに減らすかもしれません)。
noteの記事からの収入も基本的には投げ銭とアフィリエイトなので時給数円といったレベルです。では何故こんなことを続けているのでしょうか?
展示技術講座の必要性
講座を開催すると、参加者が多く集まり、展示技術が必要とされていることを実感します。特に、学生よりも既に活動を始めている大人に人気があり、場合によっては学生よりも大人の方が多いこともあります。助手や講師、教授といった方々が非常に熱心に参加されることが多いです。
明らかに展示技術は必要とされています。最終的にはプロに頼むようになっていく人もいるでしょう。ですが、頼むためにはプロを目利きする必要があります。そういった意味でも活躍している作家の人も興味がある人が多い印象です。
特に、予算が十分でない企画ではアーティストの負担が大きくなります。プロに頼むどころではありません。アーティスト活動初期の予算不足の段階を突破できずに活動を断念するアーティストはかなり多いです。展示技術講座は序盤の難易度が高いステージで役立つ強力アイテムの一つだと考えています。
簡単にいうと、必要だからやっているというのが10%くらいです。じつは残り90%は挑戦(ゲーム)としてやっています。
自力で活動できる可能性
実際に、作品や作家にスポットライトを当てる役割を担う人がいると思います。こうした役割の人に、自分の活動が左右されるのは精神的に負担が大きいと感じることがあります。
例えば、筋トレでは自分の努力が結果に直結します。筋トレして重いバーベルを上げられるようになるのは、外部の影響を受けにくいプロセスです。
逆に、シェフが素晴らしい新メニューを開発しても、天候や経済状況といった外的要因により売上が増えない場合もあります。アート活動も同様に、多くの外部要因が結果に影響します。
外的要因を完全に排除するのは難しいですが、自己コントロールの割合を増やすことは可能です。素晴らしい作品が完成しても、評価は特定の基準や観点に影響されがちです。その基準に合わず評価されないことは、かなり精神的に厳しいと思います。
(コンペの意義を否定していませんし、評価された作品も否定していません)
こうした基準に合わせる努力も一つの方法です。ですが、その方法が受け入れられない作家も多いと思います。そういった場合に、自分と視点を共有する仲間と新しい場所で展示を成立させることも一つの方法ではないでしょうか。この時必要なのが展示技術や企画力、プロモーション力なのだと思います。
そういった活動は、まだ存在しない新しい価値観を切り開く可能性も秘めています。ひとりでコツコツ書いた技術的なリファレンスが多くの人に読まれて新しい価値観が生まれるとすれば、これは結構挑戦しがいがあります。
現状、キャパ不足でゆっくりとした活動ではありますが、ぼちぼち続けていく予定です。
終わりに
宮路本人はこういったサポートのみがしたいわけではありません。アート作品になるかは分かりませんが、自分がつくりたいと思うもを作りたい欲求もあります。展示技術noteを書いている反面、インストーラーとう肩書きは早めに外したいなと思うことも多いです。
今後本人の活動はどうなるか分かりませんが、紆余曲折しながらの進展をお楽しみください。しかし、サポートが増えれば記事を書く時間やモチベーションがあがることに違いはありません。こういった活動が重要だなと思った人は是非少額から高額までサポートお待ちしています。