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2月24日(祝)開催「あきた無形民俗文化財万博」を簡単にご紹介。今年のテーマは「民俗芸能×ファッション×動物」
「あきた無形民俗文化財万博 カタチなきたからもの」が来月24日に秋田市で開催される。
「秋田県×わらび座」による秋田県内の伝統芸能が一同に堪能できるイベント「あきた無形民俗文化財万博 カタチなきたからもの」は、今年で3年目を迎える。
わらび座による迫力ある踊りやパフォーマンスが評判で、昨年見に行った知り合いによると
「ホールの真ん中に円形のステージが設置され、伝統的な衣装を着た演者が花道を通り抜け中央のステージにやってくる。観客は周囲360度から舞台をみることができ迫力満点。さすがわらび座だと思った」
他にも「なまはげ館」ではナマハゲの習俗体験や竿燈が体験できる。昨年も開催された「猿倉人形紙芝居」の実演もあり、広大な秋田県に点在する伝統芸能を1日で楽しめる機会はそうそうない。
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わらび座の役割
秋田では踊り手がいなくなり、存続が難しくなる伝統行事は多いと聞く。今回も登場をお願いしていた民俗芸能が、踊り手不足のため参加が叶わなかった。
実はわらび座がその踊りを引き継ぎ、次の世代へ踊りを引き渡すお手伝いをされているという。
消えゆく伝統行事は今後も増えていく。わらび座の存在はとても貴重だ。
テーマ「動物」
今年のテーマは「民俗芸能×ファッション×動物」。「テーマ:動物」について簡単に紹介する。
今回鳥、馬、キツネなど動物にちなんだ踊りが多数披露される。
個人的には富根報徳番楽の「鳥舞」では頭にちょこんと載った鳥や、えんぶりの馬の頭をかたどった烏帽子がかわいらしいと心が弾んだ。
・富根報徳番楽 鳥舞(秋田県能代市)出演:富根報徳番楽保存会
・えんぶり(青森県八戸地方)出演:わらび座
・藤琴豊作踊り 駒踊り(秋田県山本郡藤里町)出演:上若郷土芸能保存会 ・富根報徳番楽 さぎり舞(秋田県能代市)出演:富根報徳番楽保存会
岩手県の「虎舞」もある意味ブサカワといえる。毛むくじゃらの獅子が踊る沖縄の獅子演舞も、なかなかかわいらしい。
・白岩ささら(秋田県仙北市)出演:白岩若者会
・藤琴豊作踊り 獅子舞(秋田県能代市)出演:上若郷土芸能保存会
・虎舞(岩手県)出演:わらび座
・沖縄の獅子演舞(沖縄)出演:琉球國祭り太鼓宮城支部
テーマ「ファッション」
・秋田南外の仕事着展示
・西馬音内盆踊りの端縫い・ゆかた(絞り染め)展示
・京屋染物店プロダクト展示
・幸呼来さっこらJapan プロダクト展示
・裂き織ワークショップ 参加費:500円 随時受付
「ファッション」部門も見逃せない。まずは秋田南外の野良着について。刺し子という技術で破れた箇所を補修しながら大切に使われていたもの。深い藍に映える刺し子の細やかな模様は必見だ。
他にもエキゾチックな盆踊りとして名高い「西馬音内盆踊り」の衣装もやってくる。
さらに岩手県の染色と織物に携わる新進気鋭の2社が登場する。
一つは京屋染物店さん。岩手県一関市にあるデザインや縫製も行う染工場だ。スノーピークとコラボ商品を作られたり、「マタギもんぺ」がよく知られている。
もう一つは盛岡の幸呼来さっこらJapanさん。「裂き織」の技術で新しい雇用や斬新なプロダクトを産み出している。
企業が持っているあまり布(残反)を「お預かり」し、裂き織の技術を使って新しい生地に再生。今までにない価値を持つ素材としてお戻しします。織り作業を担当するのは、地域の支援学校などで裂き織を学んできた障がい者や、地域の伝統技術を継承する裂き織サークルのメンバーを含む「幸呼来Japan」チーム。これまでさまざまな企業とコラボレーションしてきた経験、知識をいかし、ロットや仕様などにも柔軟に対応します。
上記2社によるトークリレーも開催されるそうだ。これは見逃せない。
マタギもんぺやSPPAKAMA(猿袴)など、伝統を現代に生かすプロダクトを手掛ける京谷染物店 蜂谷淳平さん、さんさ踊りの浴衣やあまり布から裂き織生地を生み出す幸呼来Japan村山遼太さんが事業や展示の紹介をトークリレーします
お問い合わせ・ご予約
あきた無形民俗文化財万博 ~カタチなきたからもの
日時:令和7年2月24日(月・休日) 午前10時から午後4時まで
場所:あきた芸術劇場ミルハス 小ホールほか
入場料:無料
あきた無形民俗文化財万博運営事務局
電話:0187-44-3915(わらび座内)
体験プログラムや観覧の事前予約はこちらhttps://forms.gle/j9xRACVhBudwroFG8
*2月23日(日)17:00締切メインステージ、各体験の事前予約は2月23日(日)の17:00で締め切らせていただきます。
※当日は残席がある場合のみ11:00~整理券をミルハスロビーにて配布いたします。
ちなみに私は2023年に開催された第1回目のイベントで「秋田人形道祖神プロジェクト」として参加し、ワラで作られた神様や絵画作品を展示する「不思議な神さま館」が登場した。1日に4回ものギャラリートークを郷土史研究家の小松さんとやり遂げ、これまでにないほどのたくさんの方にご来場いただいた。(当時の様子はこちらから)
3年目を迎えた今年はさらに熱い内容になりそうだ。
今年もビジュアルの絵を担当
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2023年第1回目のイベントからメインビジュアルのイラストを担当させていただいた。イラストについては次の記事でご紹介する。
デザインはCreative Peg Worksの伊藤 靖史さん。