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アイデンティティとしての伊良部島

伊良部島オリジナルのコーラを作っている。

いわゆる、クラフトコーラだ。

伊良部島でサトウキビを畑から工場まで運ぶ仕事をしているのだけど、そんな仕事をしていたらサトウキビの魅力に気が付いた。サトウキビの生命力はすごい。

農家さんが懸命に作ったサトウキビ、工場に運んで買い取ってもらうだけじゃなく、もっと色んな可能性があるんじゃないか?

そこで一つ考えたのが、サトウキビからできた砂糖を使ってクラフトコーラを作ること。

調べれば、クラフトコーラの材料としてサトウキビからできた砂糖である黒糖を使うのは割とポピュラーだった。コクが出るらしい。

「黒糖コーラ」なる商品も発売されていた。

僕らが普段飲むコカコーラはトウモロコシ由来の砂糖が使われているそうだが、メキシコで生産・販売されているコカコーラはサトウキビ由来の砂糖が使われているという。そしてそのコカコーラは「世界一美味しいコカコーラ」と呼ばれているらしい。

サトウキビとコーラってめちゃくちゃ相性いいんじゃん。

そしたら伊良部島のサトウキビもコーラに使おうよ。

そう思って、まずは市販の「宮古島産の黒糖」を使ってクラフトコーラを作ってみた。残念なのは「伊良部島産の黒糖」は今は販売されていない。何年か前まではあったそうだが、今は伊良部島では黒糖作りがほとんど行われていないらしい。

そしたら黒糖作りからじゃん。

その思いも抱きつつ、とりあえず近いところで手に入る「宮古島産の黒糖」を使ってクラフトコーラのレシピを完成させることにした。

クラフトコーラを雑に因数分解すると
・砂糖
・柑橘
・スパイス
・炭酸
の4要素で成り立っていることが分かった。

砂糖・・・とりあえず市販の黒糖
炭酸・・・とりあえず市販の炭酸水

これは決定したので、頭を抱えるべきは
・柑橘
・スパイス
の2つだ。

たくさんあるクラフトコーラのレシピの中で「柑橘」として使われてることが多いのは、レモンとライムだ。オレンジを使うこともある。

「スパイス」として使われるのも割と絞られる。
・シナモン
・ローレル
・クローブ
・カルダモン
・スターアニス
この辺りだ。

レモンやライム、シナモンやローレル。こういったものを使えば割とクラフトコーラとして成立するものが完成する。実際作ってみても「おお!クラフトコーラだ!」はすぐに出来た。

しかし、上に挙げた「柑橘」や「スパイス」は伊良部島ではあまり馴染みがない。

もちろんスーパーに行けばすぐに手に入る。

しかしそれを使って出来たクラフトコーラは果たして伊良部島のクラフトコーラと言えるのか?いくら伊良部島のサトウキビを使っているとはいえ、アイデンティティとして伊良部島成分が弱すぎるのではないか。

悩んでいるのはここら辺の塩梅だ。

2024/06/16

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