サプリメント学(定義、重要性、種類)
サプリメントの定義として浸透しているのは、アメリカでの食品の区分のひとつであるダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplement)の略称です。
不足しがちなビタミン、ミネラルなどの栄養摂取を補助したり、ハーブなどの成分による薬効の発揮を目的としたりする食品を指し、日本語では栄養補助食品や健康補助食品とも呼ばれます。
サプリメント摂取の重要性
現代では食生活のアンバランスを整えて、不足しがちな栄養素を効率よく摂取するサポートとして、サプリメントの摂取が必然であるとされています。その理由をいくつか見てみましょう。
1)農法の変化による栄養素低下
野菜や果物の栄養量は60年前と比較して、50%以下にまで減少しています。その原因となっているのが、化学肥料や農薬の使用、ハウス栽培などです。
現在注目されている有機農法は、動植物の死骸や糞など様々なものを分解し、植物の成長にとって必要な肥料に変える、土の中の菌類・細菌・微生物などの力を利用した農法です。
有機農法で獲れた野菜は、ミネラル類、微量成分を豊富に含むことで、美味しく栄養も十分含まれた野菜ができあがります。
2)食の欧米化
戦後日本は食の欧米化が進み、外食産業が一気に発展しました。食卓に肉料理や揚げ物料理、加工食品など並ぶようになり、ビタミンやミネラルの摂取量が減少。加熱を中心とした食事により、食物酵素も大半が失われてしまいます。
「国民健康・栄養調査」に基づいて年齢階層別の魚介類摂取量をみてみると、若い層ほど摂取量が少なく、特に40代以下の世代の摂取量は50代以上の世代と比べて顕著に少なくなっています。ただし、近年では、50~60代の摂取量も減少傾向にあります。
3)流通・冷蔵・店頭陳列で失われる栄養
かつて野菜は畑から採ってすぐ、八百屋で販売され、食卓に上がりました。現在は収穫された野菜がトラック輸送され、流通経路をたどって倉庫に保管。場合によっては長期間保管され、店頭で販売されます。
購入後も、私達の過程にある冷蔵庫などで数日間保管。ビタミン・ミネラルの多くは安定性が悪いため、衝撃・時間経過でどんどん失われます。泥のついた野菜は、泥のミネラル分が乾燥と栄養の劣化を防いでくれます。きれいに表れた野菜は、あ水溶性ビタミンやミネラル失われているのです。
4)調理による栄養素の損失
ビタミンCやビタミンB群などは、流水、加熱など調理で失われてしまいます。ほうれん草を水に5分間さらすと、ビタミンCが約20%流出。1分茹でればさらに約26%失われ、カロテンも加熱で約10~25%失われます。
ほうれん草に関わらず、他野菜に含まれる栄養素も、調理で減少している可能性は高いです。
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