![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61668318/rectangle_large_type_2_3f22c1fae4dfef963f46bd592f4286d1.jpg?width=1200)
肩関節複合体(6)インピンジメント症候群
肩の障害・外傷は運動選手に非常に多く見られる。肩関節複合体のうち、とくに顕著にみられるのが肩甲上腕関節の障害のインピンジメント症候群だとされる。英語では「Impingement」と書き、「衝突」の意味を持つわけだが、具体的に鳥口肩峰アーチで発生すると考えられる。
(1)原因
鳥口肩峰アーチは棘上筋腱、関節包、上腕二頭の長頭筋腱、肩峰下包等で構成されている。インピンジメント症候群は、肩の外転を繰り返したことで、鳥口肩峰アーチの各種構造が大結節・関節窩で何度も挟まれた結果、炎症へと進行する。野球、テニス、水泳といった上肢のオーバーヘッドモーションが多いスポーツに見られる。
インピンジメント症候群の人には、棘上筋腱炎が多く見られる。炎症とともに変性が見られ、最終的に腱断裂が起こる(若い選手にはまれ)
インピンジメント症候群には、機能的原因と構造的原因の2種類がある。
1)機能的原因
ローテーターカフの筋バランスや炎症、肩峰下包の炎症や変性、肩甲胸郭関節の運動障害等が挙げられる。肩甲上腕関節の不安定性が要因となるケースも見られる。
2)構造的原因
肩峰の形状、骨棘の形成、鳥口肩峰靭帯・円錐靱帯の変性、肩峰骨端癒合不全、関節唇断裂などがある。肩峰の形状は大きく「平坦」「カーブ」「くちばし形」の3種類あるが、平坦<カーブ<くちばし形の順に、インピンジメント症候群の発生リスクが高まる。
肩甲上腕関節は回転・滑りの2種類の運動をする。肩の挙上(屈曲、外転)で上腕骨頭の上方への回転・下方への滑りが発生するが、インピンジメント症候群では過剰な上方回転もしくは下方の滑り制限が起きている。
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22896869/profile_5c535484e0980ec88fa1f1a444eb804f.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
Anatomy Special Magazine
解剖学に関する記事を月に最低3記事更新していきます。 トレーナー及び運動指導者、健康に関する従事者が楽しめる内容となっております。 レベル…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?