【体性感覚】ミラー関節から介入する股関節へのアプローチ
股関節に疼痛が見られる、あるいは可動域が狭いといったコンディションが見られる場合、通常は股関節の伸展・屈曲・内旋・外旋のどの動きに問題があり、その動作の拮抗筋群のリリースや主働筋のトレーニングを行うといったアプローチを取るだろう。
リリース時に行う手法(ストレッチ、筋膜リリース、PNF etc)やトレーニングの種目は、あらゆる選択肢がありうる。こうしたアプローチの大半は、問題が生じている股関節そのもの、あるいは周囲の筋群に対して働きかけるアクションと言える。それにより、筋群がケアされたり触られることにより、股関節周囲の筋群への知覚が高まる(ボディスキームが形成、改善される)。
こうした筋群への刺激が、脳に情報として伝達され、処理された情報が筋群へとフィードバックされることで筋が活性化される。今回はこうしたターゲットをピンポイントに狙うのではなく、関連するほかの関節からアプローチして、股関節をケアするという方法を紹介したい。
(1)ミラー関節
例えば、歩行動作中、私達は特に何も考えることなく、歩行では、右足を出した時無意識で左腕を前へ振る。
こうした動作中、大脳皮質が活発に活動するというよりも、生物として備わる脳幹以下、の無意識で行える運動レベルの機能と言えるだろう。大脳を酷使せず、右足と左腕のような対側の運動連鎖が行われている。こうした対側の関係上にある関節を、ミラー関節と呼ぶ。
例えば左股関節の場合なら、右肩関節がターゲットになる。左股関節のケアをすると、クライアントに痛みが生じてしまうなど、ピンポイントのアプローチが難しい。その場合の選択肢として、肩からのアプローチを検討してみると良い。
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