スキンシップメガネ
※小説家になろう、二〇二二年十一月のエッセイから、転載です。
オラ、アミーゴ・アミーガ!三屋城です。
皆さん眼鏡っ子、お好きですか?
私は好きです!
今日はそんな、眼鏡とスキンシップと私なお話です。
昔はあまり種類の無かった眼鏡ですが、今はレンズ部が大きいものから小さいもの、フレームもないものからフロント上部のみの物、フロント下部のみの物、色々出ていますよね。
しかもレンズも分厚いものから超薄型まで選べてしまう。
それが、な・な・な、なーんと! 一万円台から買えるとか。
とても便利で素敵です。
フレームの材質も色々で、中にはぐにゃんぐにゃんさせても壊れないものまであり。
選ぶのに迷います。
私も迷いながらレンズやフレームの塗装が禿げ過ぎた頃合いで新調するのですが、これまで用途には特に拘らずにデザインだけで選んでいました。
しかし。
そんな能天気に選んでいた私に転機が訪れます。
ある日のことでした。
実家にていい歳した大人数人が集まっていた時のこと。
あ、実家は大分スキンシップが多めのタイプの種族で、特に下のきょうだいが遅くに生まれたのもあってそれはもう、わっちゃわちゃになります!
その時はきょうだいが母に仕掛けたのかな?
兎に角、くすぐり合いやのしかかり合い、身内のみがその場にいる場合は特にきょうだいはズボンの下ろし合いという泥仕合いの様相を呈しそれはもうみんな狩れ! というような幼な子がやるより数段汚いプロレスごっこです。
因みに私も喜び勇んで参戦するタイプなので、例に漏れず中心地に突撃することにしたのですが、問題は眼鏡でした。
ちょうどその時、一万円ポッキリの眼鏡〇〇さんで購入した、恐らく型落ちしたのであろう某有名ブランドのプラ製フレームのお洒落な眼鏡を、していたのです。
プロレスは水物、急がなければ終わってしまう。
焦った私は取る物も取り敢えず眼鏡を外し参戦。
わっちゃわちゃの取っ組み合いの笑かし合いの渦中にその身を投じました。
きっとどれほども時間は経っていなかったと思います。
不意に、
バキッ!!
という音が母の背中から聞こえました。
見ると、私の眼鏡のフレームは綺麗にツルの部分が泣き別れしています。
そう、私は焦るがあまり眼鏡を部屋の隅に畳んで避けて置くままにしていた、のでした。
みんな祭りの後のように我に返ります。
後、大爆笑。
私も母に「直すよ」、と言われながら大爆笑。
眼鏡だけは、もしかしたら泣いていたかも? ですが、大分使ってフレームのツルの白い部分は塗装が剥げたのか、紫色に変色してしまっていたのでちょうど良かったのかもしれません。
それからは少し、フレームは頑丈だったり、ぐにゃぐにゃの元に戻る材質を選ぶようにしています。
一度ノンフレームの鳥取県知事と同じモデルを買ったりもしました。
が、ノンフレームはパッド足部分でレンズを繋いでいる為、三日でわちゃわちゃしてきたちび怪獣とプロレス中にレンズ位置がずれました。
視界が歪む……ここはどこあなたは、誰。
眼鏡選びって、難しい。