「目先の仕事に全力投球する」と「バランスを取る」を両立させる。どっちも頑張るという考え方を持つ
ビジネスの世界では、よく5年後10年後のビジョンを描き、そこから逆算して今何をすべきかを考えるよう言われます。しかし、僕はこの考え方には疑問を感じていました。
現代社会は変化が速く、不確実性が高いです。10年前には存在しなかったYouTuberという職業が、今や小学生の憧れの職業ランキング上位に入っています。このような時代に、遠い将来のビジョンを具体的に描くことは難しいですし、あまり意味がないかもしれません。
そのため、僕は将来のビジョンはアバウトに設定することをお勧めします。例えば、「時間と収入にゆとりがあり、好きなことに挑戦できる生活」といった具合です。そして、そこに至る道筋は複数あると思うんです。
目先の仕事に全力で取り組むことの意義
では、具体的な将来像が描けないなら、今何をすべきでしょうか。それは、目の前の仕事に全力で取り組むことです。
全力で取り組むことで、人脈、評価、スキルを獲得できます。これらは、将来どんな道に進んでも必ず役立ちます。例えば、飲食店でアルバイトをしていた経験が、後にトレーナーとしてお客様に接する際に活きてくるなどです。
いわゆる「点と線」の考え方ですね。今取り組んでいることは点に過ぎませんが、それらの点が後々線となって繋がり、キャリアを形作っていきます。
ただし、この考えには注意点があります。目先の仕事に取り組むといっても、やみくもに仕事を引き受けるのは危険です。例えば、業務委託のトレーナーとして月に150本もセッションをこなしてしまうと、自分の成長や将来の準備に時間を割けなくなってしまいます。
また、インフルエンサーの依頼など、自分の信念や専門性に反するような仕事は断るべきです。一時的な収入のために信頼を失うのは、長期的に見れば大きな損失です。
バランスの取れた取り組み方で未来を築く
目先の仕事に全力で取り組むことの重要性を説明してきましたが、ここで誤解しないでほしいのは、ただ目の前の仕事だけに没頭すればいいというわけではないということです。
ここで重要なのは、「バランス」というキーワードです。
僕の経験から言えば、目先の仕事に全力投球しつつ、同時に将来を見据えた準備も行うことが大切です。これは矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、実際はそうではありません。
例えば、僕がフリーランスとして独立した時のことを紹介しましょう。僕はフィットネスクラブの仕事をしていたのですが、いきなりそれを辞めてフリーランスになったわけではありません。
最初はフィットネスクラブでの仕事を続けながら、空いた時間でフリーの活動を少しずつ始めていきました。フリーの収入が増えるにつれて、徐々にクラブでの仕事を減らしていったのです。
この方法のポイントは、目の前の仕事(フィットネスクラブでの仕事)に全力で取り組みつつ、将来の準備(フリーランス活動)も同時に進めたことです。両方に全力を注ぐことで、現在の安定と将来の可能性を両立させたのです。
これは学生時代のアルバイト選びにも当てはまります。単に時給の高いアルバイトを選ぶのではなく、将来のキャリアに繋がる経験を積めるアルバイトを選ぶことをお勧めします。例えば、トレーナーを目指すなら、フィットネスクラブでのアルバイトを。そして、そのアルバイトに全力で取り組むのです。
安定収入と将来性のある仕事の両立も、このバランスの一例です。例えば、月20万円の安定収入がある仕事をしながら、残りの時間で将来性のある新しいことに挑戦する。最初は収入がなくても、努力次第で高収入になる可能性のあるものに取り組むのです。
このようなバランスの取れた取り組み方は、簡単なことではありません。「忙しくて時間がない」という声をよく聞きます。しかし、1日24時間のうち、仕事8時間、睡眠8時間としても、8時間は自由に使えるはずです。
これは単純計算なので、食事や家事などの時間も入ってくると思います。残業が多いと嘆いている人もいるでしょう。しかし、完全に使えない時間がゼロではないはず(ゼロならば転職を勧めます)。空いた時間をどう使うかで、未来が大きく変わってくるのです。
目先の仕事に全力で取り組むことと、将来を見据えた準備を行うことは、決して矛盾しません。むしろ、この両者のバランスを取ることこそが、真の意味で「目先の仕事に全力投球すること」なのです。現在の仕事に真摯に向き合いつつ、その経験を将来に活かす視点を持つこと。それが、僕が提案する「バランスの取れた取り組み方」です。
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