自粛中に観た映画(その2)
自粛中に観た映画の短い感想メモ、その2です。ファイナルファンタジー7リメイクがすこぶる面白いし、娘とハイジも観始めたから映画の時間が減っている。目玉と脳味噌がもう2セットほど欲しい。
『台風家族』
新しい地図の人たちが主演の映画『凪待ち』『半世界』を観たので(どちらも良かった)、コンプしたくなって草薙君の借りてみたらあんまりだった。
銀行強盗をした父親の葬式で遺産相続を争う家族4人(突飛な状況)と、そこに時間毎に一人ずつ登場する思わぬ客(個性さん)がやってきて…みたいな映画なんだけど、小劇団の舞台公演を見てるような既視感があった。
映画を観てるのに小劇団の舞台感を感じるとなんか妙に損した気分になる。もちろんこういうタイプの密室劇?『キサラギ』みたいなのが好きな人もいるも理解できるんだけど、小劇団の舞台を観たい時は小劇場に行くしなぁ…と、個人的には思う。この映画の場合はその小劇団感のせいで、草薙君たちがちっとも兄妹家族に見えなかった。クスクス笑いを誘う各登場人物たちの個性芝居合戦も正直しんどい。
ラストの白骨屍体が川に流されていく映像は、なんか可愛らしくて味があって良かった。
『新聞記者』
日本アカデミー賞で話題になってたので借りて観た。
ずっと青白い画が続くので現実感がなく、入っていくのに時間がかかる映画だった。あと、扱う事件がアホな自分には難しく、実際の事件をパロっているのはなんとなくわかるが、松坂桃李君の仕事(内閣情報調査室)の内容がいまいちピンとこなくて、あぁ…俺って本当に新聞読んでないし世間のこと知らないしアホだな〜と思いながら観ていた。
あと、今の政府に不信感を募らせまくる内容なので、今のコロナ禍で観るべきではなかったかも。ラストの「結末はあなたが考えて」的な終わり方も含めてしんどいし、やっぱり40過ぎてるのに自分の世間知らずな感じが本当にしんどい。俺が悪い。
『イエスタデイ』
めちゃめちゃ面白かった。夜中に観始めて、半分だけ観てから寝ようと思ったけど結末が気になって最後まで観てしまった。ビートルズが存在しないパラレルワールドで、自分だけがビートルズの楽曲を知っていて、天才ミュージシャンとしてのし上がっていく話。異世界転生モノに近い、漫画的な設定。
こんなことは後から言ってもただダサいだけだけど、自分が漫画でデビューしたての頃、ヤンマガかどこかで企画としてこれとまんま同じ設定を提出したことがあったが、権利の関係で実現は不可能だし第一そんな面白くないとバッサリされたことがあった。悔しい、悔しいけどこの映画が相当面白かったのでなんだか成仏できた気分だ。ミスチルでやらせてもらえないかな、もう遅いか。
自分が再現したビートルズの曲たちに主人公が追い詰められていく様子も面白かったし、その時に泣き叫ぶように歌う「HELP!」のアレンジもカッコ良かった。パラレルワールドに入るきっかけって本当難しいけど、世界がビートルズ以外のメジャーな物もいくつか忘れられてるという細かい設定のおかげで、わりと自然に受け止められた。なるほどな〜いいな〜。
ラストのあの人に会いに行くシーンは心底ハッとした。正確に言うと、観終わってからそのシーンのことを思い出して、二回ハッとする感じ。
テーマとしても最後までちゃんと責任をとってる良い映画だった。もう一回観よう。