リスケの日
昨日はニコラスペタスの道場の取材と、夕方から高校の同級生の一家とファミリー会で一日が終わる予定だったが、どちらも相手さんの体調不良が理由でリスケになった。
関係ないが、「リスケ」という言葉を聞いたり使ったりするたび、リスがちょんまげを結っているこんな感じのリスの武士をいつも想像してしまう。
突然変な時間が生まれたので、別の仕事をしても良かったが、お盆ムードが家中に充満していたこともあって思い切って働かないことにした。
こういう時に遊び方を知らない自分たちは消費ぐらいしか思いつくことがない。迷った挙句、昼飯を食べた後、家族を連れて立川のIKEAまで特に目的もないままドライブすることにした。新しい車に乗る練習も兼ねて。
それにしても、こんな時間の使い方は本当久しぶりで、もともとしょうもない生き方しかしてこなかった人間だったことを思い出して、今の自分もちゃんとしょうもないということが実感できたのか、立川の高速を運転していた時に急にふっと気がラクになるのを感じた。
そもそも普段から気負い過ぎているのだ。全裸監督やトイストーリー4ぐらい凄い作品に関わってから気負えバカ、と言いたい。
IKEAに到着したら、知らない番号から電話があった。最初耳を疑ったが、小山薫堂さんの事務所からだった。とある仕事の案件について、小山さんが俺の顔を思い浮かべてくれたのだそうで、前に出演させてもらったラジオのスタッフに電話番号を問い合わせてくださったのだそう。
IKEAのコンクリート剥き出しの寒々しい駐車場で無駄にテンションが上がってしまい、スケジュールの確認もせずに文字通りの安請け合いをしてしまった。
あの小山薫堂さんが、こんなしょうもない俺の顔を思い浮かべてくれたのだ。別に今回の企画が通らなくても、それだけで充分励みになった。
帰りに信号待ちをしていると、車と車の間をすり抜けようと走る二人乗りのヤンチャな原付が、うちの車のドアミラーに軽くぶつかってそのまま走り抜けていった。
一気にテンションが下がり、コンビニで一回降りて確認すると、ピカピカだったサイドミラーに、向こうともこっちとも判断できない白濁した塗装がこびりついていた。
家に帰ってからも、ウエットティッシュで拭いたり指でコリコリやっていた。
…本当にしょうもない。