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医療用抗原検査キットマップができるまで1

なぜ医療用抗原検査キットマップを作ったか

ここでは、医療用抗原検査キット取扱薬局マップをつくるに至った経緯を書いておこうと思います。

「医療用」と「研究用」の区別が十分に周知されていない

以前のnoteで、抗原検査キットには医療用と研究用があること、研究用の品質は一定していないこと、医療用は一部の調剤薬局でしか手に入らないことをお伝えしました。

実際に、陽性になってから医療用と研究用の両方を試した方からは、「医療用キットはクッキリ二本線が出たのに対し、研究用キットはしばらく経って影のようなごくうっすらした線しか出ませんでした」という話も伺いました。研究用キットで陽性を見落とすケースもあるのかもしれません。

医療用の抗原検査キットはどこで買えるの

じゃあ、どこで買えるの?ということなのですが、購入できる薬局の情報は極めて得にくい、というのが実情です。

厚生労働省からの情報は一覧性が全くない

厚生労働省は「医療用抗原検査キットの取扱薬局リスト」というページで情報を公開しています。このページは

  1. 連携強化薬局のうち医療用抗原定性検査キットを取り扱う薬局

  2. 医療用抗原定性検査キットを取り扱う薬局各社のページ

  3. 都道府県薬剤師会及び各地域薬剤師会において医療用抗原定性検査キットを取り扱う薬局の一覧を掲載しているページ

から構成されています。このうち、1は厚生労働省独自のリソースなので、CSVファイルで公開していますが、2と3については個別の薬局、薬剤師会ウェブサイトへのリンクになっています。それぞれ、139の薬局、39の薬剤師会へのリンクが貼ってあります。一覧性がなく使いにくいです。

そして、他の自治体、組織に先んじて取り扱い薬局リストを公開した神奈川県のウェブサイトが情報源から漏れています。

つまり、販路が限定されているにもかかわらず誰もリストを把握していない

ということです。

不利益を被るのは市民(と発熱外来)

医療用抗原検査キットの情報が十分に周知されないことで、誰が不利益を被るのでしょうか。
それは、間違いなく市民だと思います。「医療用」と「研究用」の区別が周知されないことで、精度の低い自主検査を行ってしまい、家族に感染を広めてしまった人、大切な人に感染させてしまった人もいるかもしれません。また、「研究用」では自主療養の登録が認められず、健康観察を受けられなかったり、療養証明書が発行されない、保険の申請ができない、などの不利益が起きることが考えられます。自分自身や家族の体調が悪い中でこのようなトラブルに対応するのは、大きな負担です。
このような不利益を避けようと発熱外来を利用すれば、地域の医療が逼迫します。最近(2022年8月下旬)は発熱外来もすぐに予約がいっぱいになってしまうので、体調の悪い中であちこち電話をかけて探すのも大変なことでしょう。

一人でも多くの必要とする人に届いて欲しい

医療用抗原検査キット取扱薬局マップは公開して半月が立ちますが、まだまだ広まっていません。情報を必要としている一人でも多くの方に届くよう、ぜひ広報にご協力を頂けるとありがたく思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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