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瀬戸内海の味がする「は・か・た・の・しお!」

皆さんはこのCM、特に最後のフレーズを聞いたことがありますか?

「は・か・た・の・しお!」
そう、すごく耳に残りやすいフレーズがある「伯方の塩」のCMです。
こちら、実は瀬戸内のしまなみ海道にある大三島の工場で製造されている伯方塩業株式会社の塩なのです。
今回はそんな伯方の塩について紹介します。


伯方の由来

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「伯方」は「はかた」と読みます。
音だけ聞くと、「博多」の方を思い浮かぶ人が多いと思います。
しかしこの伯方は、しまなみ海道の一つである「伯方島(はかたじま)」が由来です。

伯方島には19世紀初頭から塩田がつくられており、製塩業が盛んな島でした。
しかし、1971年に「塩業近代化臨時措置法」が成立されました。
こちらの塩業近代化臨時措置法は要約すると、
「日本の産業発展のため、塩を安定で安価に生産できる製造方法のみ許可し、沿岸部にあった塩田を工業・港湾用地として再活用しよう」
というものです。
これにより伯方島の塩田が全廃されることになりました。

しかし、「自然塩(塩田製塩)を残そう」という消費者運動がきっかけとなり、伯方島で特殊用の塩として生産できるようになりました。
この伯方島の塩田を復活したいという思いから、伯方の塩と名付けられたようです。
消費者運動から会社設立に繋がるなんて面白いですね。


伯方の塩の良さ

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「塩業近代化臨時措置法」が成立したことで、日本においては「イオン交換膜製塩」以外の方法で海水から直接「塩」を採ることが出来なくなりました。
この様な制約の下、伯方塩業株式会社が専売公社から許された製塩法は、その当時専売公社が「メキシコ、オーストラリア」から輸入していた「原塩(天日塩田塩)」を利用する方法だったようです。

1997年には海水からの直接製塩が認められ、2002年からは塩の自由化により原料塩の産地を選択できるようになりました。
しかし、伯方塩業株式会社は現在もメキシコまたはオーストラリアの天日塩田塩を瀬戸内の海水に溶かして、ろ過した後のきれいな塩水を原料にしているそうです。

これは、次の3つの理由があるようです。

①自然の風や太陽熱といった自然エネルギーによって結晶した輸入天日塩田塩を使うと、製造上の使用燃料は他の製造方法と比べ少なくてすむ

②メキシコ塩の産地であるゲレロネグロでは世界遺産にも登録されているほど清浄な湾の海水を、オーストラリア塩の産地であるプライスでは南極海につながる海水を使用していること

③2カ国から天日塩田塩を輸入することで、原料を安定して仕入れるため

また、消費者運動から生まれた伯方の塩は、つくり方にもこだわりがあります。
元々、化学薬品を使う「イオン交換膜製塩」に抵抗を覚え、そこから消費者運動にもつながったことから、化学薬品を一切使わないようにしています
そして「にがり」をほどよく残すために、輸入天日塩田塩を日本の海水で溶解して、ゴミ・砂を除いた濃い塩水を煮詰め結晶した塩を数日間じっくりと自然乾燥させています。

伯方の塩の特徴として、公式は次のようにPRしています。

伯方の塩は、「塩かどのないからさ」で、塩味の中にほんのりとした甘さを感じるのが特徴。
「にがり(苦汁)」をほどよく残し海水中の成分を生かしてつくった風味のあるお塩です。
NaCl100%に近い塩のように「にがり」が極端に少ない塩の味は塩からいだけで、反対に海水の成分そのままの塩や「にがり」が多すぎる塩は苦味が強いものです。

伯方の塩は日本の製塩史上、食用に優れていると言われていた「流下式塩田塩」(昭和28年~47年まで瀬戸内海沿岸で製造していた製法の塩)をお手本としてつくり始めました。

そして、今も食用に適した素晴らしい塩を求め続けております。


実をいうと私は、子供の頃に伯方島に行くまでは、博多と伯方を区別できていませんでした(笑)
つまり、伯方の塩は九州の商品だと思っていたのです。
文字も良くわからない子供には難しかったかもですね。
同じように伯方の塩について勘違いしている人は他にもいるかもしれません。
本当は瀬戸内海出身の塩なんだということをこの記事をきっかけに改めて知ってほしいです。

#瀬戸内海 #しまなみ海道 #愛媛県 #伯方島 #大三島 #伯方の塩 #伯方塩業株式会社 #塩

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