ロングトレイルの歩き方ー歩く編(ハイカー飯と文化)
ロングトレイルの歩き方についてまとめ
ロングトレイルの歩き方ー準備編(パーミット、ビザ、保険、仕事を辞める前にすることなど)
ロングトレイルの歩き方ー装備編(ギア、ウエア、アクセサリーなど)
ロングトレイルの歩き方ー装備編(携帯回線と電子機器とカメラなど)
ロングトレイルの歩き方ー歩く編(自然、天気、動物、買い物と装備の買い方)
ロングトレイルの歩き方ー歩く編(ハイカー飯と文化)
ロングトレイルの歩き方ー歩く編(歩き方とマナーと怪我)
次のロングトレイルの歩き方ー歩く編(歩き方とマナーと怪我)で一旦連載を終わる予定です。
前回の記事はこちら
今回はハイカー飯とハイカー文化について。
ハイカー飯とは
ハイキングというものは一日で30-50kmも歩きます。そうなると消費カロリーも膨大、それに次に街へ降りるのは1週間後とか…
そんな生活を半年も続けるのですが、毎日ハイキング用フリーズドライフードなどは10ドル以上…高級すぎて継続して食べられません。
(今回紹介するハイカー飯は日本でも購入できたり、応用できる商品がありますのでAmazonリンクを紹介しています。)
ロングトレイルハイカーの飯の鉄則
手に入りやすい
小さくて軽い
ハイカロリー
タンパク質入ってる
サプリメントは野菜
不味くはない
どこにでもアウトドアショップがあるわけじゃないのでスーパーマーケットで食料を購入します。時にはガソリンスタンドで買うことも。
トレイル近辺のスーパーマーケットにはエナジーバーがあり、クリフバーは超ど定番です。(日本は7年ほど前に撤退しています)私は昔からクリフバーが好きで、久しぶりに食べるのが楽しみでした。スーパーマーケットだったら大抵置いてありますが節約のためにAmazonで事前に送っていました。
クリフバーは色んな味があるので飽きませんでしたが中には飽きてしまう人もいるみたいでした。ホワイトチョコレートマカダミアをいつも買っていました。毎日1-2個食べるので12個入りが丁度良かったです。
ちょっと高いのが難点ですが、アメリカの物価基準では安い方。
しかし、旅の後半は節約のためにマルちゃんラーメンを砕いて食べていました。一食100円以下で400kcalもある。
スーパーマーケットで買う食料
スーパーマーケットでは下記をトレイルへ持ち歩いてました。
・マルちゃんラーメン(カロリー)
・インスタントマッシュポテト(カロリー)
・トルティーヤ(カロリー)
・ミニッツライス(カロリー)
・ドーナツorパン(カロリー)
・オートミール(カロリー)
・ポテチ(カロリー)
・ソーセージ(カロリーandプロテイン)
・スパム((カロリーandプロテイン)
・シーチキン(プロテイン)
・ピーナッツ(行動食andプロテイン)
・ピーナッツバター(行動食andプロテイン)
・クリフバーなど(行動食andプロテイン)
・M&M or グミなどのお菓子(行動食)
・マルチビタミン(野菜代わり)
()は用途です。カロリーとプロテインと行動食はバランスよく買いましょう。
見ての通り健康的な食事には見えないと思います。ハイカー飯は健康よりもカロリー。
悪い食事と良い食事
歩き始めた時は一日2000kcalで計算して歩いていましたが、みるみる痩せていき…-7kgまで痩せてしまいました。食費は抑えられますが、筋肉も体力も落ちていいことはありません。
この現象をカタボリックと言うそうです。(筋トレ好きな友達が教えてくれた)
激痩せしてしまった時点で筋トレ好きな友達へ電話をして改善策と理想の食事について教えてもらいました。
1日3000kcal以上摂取する
一度に摂取できるタンパク質は30-50g
夜寝る前にマルチビタミンを飲む
たくさん寝る
1日3000kcal以上摂取する
ロングトレイルでの正確な消費カロリーは体重と荷物の重さによって異なります。しかし3000kcalはロングトレイルでの目安と考えていいかと思います。
筋トレの業界でも炭水化物をひたすらと食べる時があるそうで、人によっては米を食べたり、カップラーメンを食べたりするそう。
体からカロリーが枯渇すると筋肉を溶かしてカロリーに変換してしまうので、筋肉が落ちてしまいます。そうならないようにしっかりとカロリーを摂取しましょう。
私は痩せてしまった時はハイカロリープロテインを毎朝晩に飲んでいました。1L当たり1250kcalと50gのタンパク質というものです。作るのが面倒で体重が戻った時に飲むのをやめました。
上記を飲んでいました。普通に美味しいのでおすすめ。
現地ではAmazonで買っていました。
一度に摂取できるタンパク質は30-50g
さらに人間は一度に摂取できるタンパク質が決まっているそうで、30g程度を目安になるべく毎日食べていました。しかしそれ以上のタンパク質は排出されてしまうそうなので無駄にならないように注意が必要です。
夜寝る前にマルチビタミンを飲む
これはかなり大事。トレイルでは野菜が食べられませんし、意外と野菜がスーパーでも買いにくい。
ビタミン不足になりやすいので毎日飲む必要がありました。これで口内炎にもならないし体調も崩しにくい。
特にビタミンは体の回復効果もあるので夜に飲むと効果的です。
ネイチャーメイドはアメリカでもそのままのパッケージで売ってます。
たくさん寝る
これは当たり前。寝られない日もありますが、睡眠導入サプリがアメリカでは売ってます。
でもストレンジャーシングスの新作がリリースされた時は見ちゃって寝られなかったな〜
NetFilxの話題は世界共通です。
朝ごはん
オートミール
クリフバー
トルティーヤorドーナツ
行動食
私は朝が早かったので調理しませんでした。
一人のときは3-5時に起きて、そのままテントを片付けて出発。朝食は食べずに行動食を食べていました。太陽が出たら朝食にトルティーヤの日も。
朝は寒くてめんどくさいのでサクッと出発したほうが効率が良かったです。
しかし、時間がある時や誰かと一緒にいるときは早起きを強要できないのでオートミール水で戻して食べていました。
昼ごはん
トルティーヤorドーナツ
ピーナッツバターorソーセージorチーズorツナ(トルティーヤの具)
マルちゃんラーメン(そのまま)
スパム(そのまま)
昼ごはんもめんどくさいのでガスは使っていませんでした。時には朝ごはんと昼ごはんが混同することも。
トルティーヤにピーナッツバターを塗ったり、ソーセージを挟んだりしていました。トルティーヤを食べた日は腹持ちが良かったです。ただ重たい。
トルティーヤはアメリカのスーパーマーケットでどこでも売ってます。コーンと小麦粉(フラワー)の2種類がありますが小麦粉のトルティーヤを買いましょう。(コーンは不味い)トルティーヤはかなり日持ちします。
後半は軽量化と節約のためにマルちゃんラーメンを直接ボリボリ食べることが多かったです。安くてカロリーが高いのでおすすめです。
スパムにはポテトも材料に含まれているのでカロリーも高いです。トレイルスパムはドーピング。塩っぱくてやる気も起きて激うまです。
夜ごはん
マルちゃんラーメン+マッシュポテト+ツナ+カレー粉
ミニッツライス+カレールー
夜ご飯だけガスを使って料理をしていました。温かい料理を食べると体が温まって寝やすくなります。
下のフリーズドライのハイカーフード(バックパッカーズパントリー)の空き容器に砕いたラーメンとポテトとツナとカレー粉を混ぜて食べていました。
マウンテンハウスの容器は安物でした。
日本にもインスタントマッシュポテトないかなーと思っていたらなんとカルビーから出ていました。買ってみようかな。
マルちゃんはポーク味が美味しいです。日本には売ってないの辛い…
ラーメンに飽きたらミニッツライスというアメリカでは定番のインスタントご飯を食べていました。
インスタントご飯にカレールーを入れて食べるだけです。
アメリカではカレールーは頑張れば買えます。しかしカレー粉が手に入りにくいので日本で買っとくといいと思います。
S&Bのカレー粉はアメリカでも買えます。
カレー粉は何にでも入れて食べられるのでおすすめです。私はスパイス中毒なので、ずっと持ち歩いていました。
大体1000Kcalほどなので体の回復には十分なカロリーだと思います。
そして、夕食後のマルチビタミンは忘れずに。
行動食
クリフバー
ピーナッツバター
ピーナッツ
ヌテラ
M&M or グミなどのお菓子
行動食は常時小腹が空いたら食べていました。
M&Mは軽量なのにハイカロリーなのでおすすめです。それに砂衣菓子なので砂漠でも溶けないので便利です。
2022年のPCTハイカーのFKTはM&Mばっかり食べていたそうです。ハイカロリーで軽いのでおすすめ。
ピーナッツバターとヌテラは小さくてハイカロリーなので頻繁に食べていました。ピーナッツバターはチャンク(砕いたピーナッツが残ってる)タイプを愛用してました。ピーナッツバターはタンパク質も取れて完璧です。
ただ味に飽きてくるので私はチャイのスパイスをバターに入れて食べていました。
ピーナッツバターとヌテラを混ぜても美味しいです。
街へ降りたご褒美
節約するハイカーは街に降りてもハイカーフードを食べていますが、街の文化を堪能するのも旅の一つ。せっかくなのでレストランやバーへ行くのがおすすめ。
さらに他のハイカーとの交流や街の人との交流も楽しめます。
レストランでハンバーガーとポテトとリフィルできるコーラを注文して、コンセントであらゆるものを充電しましょう。
節約したい時はハイカーフードの他に、スーパーマーケットでアイスクリームとドーナツとコーラを楽しむのもありです。
アイスクリームだけで1000kcalは超えます。街に降りた時に食べると痩せにくくなるのでおすすめ。痩せすぎた時はさらにバターとマヨネーズも食べていました。
あとアメリカの田舎にはブルワリーもたくさんあります。特にオレゴン州はブリワリーがたくさん。
お客さんと仲良くなると奢ってもらったり。ハイキング後のビールは身体に染みます。
ハイキング文化
トレイルネーム
ハイキングをしているともらうトレイルネーム。要するにハイカー間でのあだ名です。
トレイルネームはまだ持ってないんだ〜とか話題にしてるともらいやすいと思う。
僕はハイカー同士で冗談を言ってたら「Teenage Dream」というナイスなネームをもらいました。街で「Teenage!」と別のハイカーが呼ぶので「あなたそんなに若いの?!」と勘違いされることも。
面白い名前が多いし、名付け親にもなることも。
それにハイカーネームは途中で変えてもいいです。ルールなんてないです。
僕は一人のハイカーのネームを変えさせました。
ハイカーボックス
ロングトレイルは身軽になるために道具を捨てる旅です。捨てるとき使えるものを手放すときはハイカーボックスへ入れます。ハイカーボックスは不用品を入れて、他のハイカーの元で転生して行きつつける装備とするためのに存在してます。
(でも自分の装備の中には高額な装備もあると思うのでそんなときは郵便局から日本へ送りましょう。)
ハイカーボックスの中には掘り出し物や食料も入っているので活用していきましょう。
私も常にハイカーボックスを漁っていました。たまに食料もあります。いくつかの装備は今ではスタメン装備です。
そういえば僕は現地ではガス缶を2個しか買いませんでした。全部ハイカーボックスから拾って使っていました。
バウンズボックス
バウンズボックスはしなくても大丈夫。バウンズボックスを管理したりするほうがめんどくさいです。
しかし通り過ぎるポイントに食料だけ送ったり、不用品を日本へ送り返すポイントにためたりして工夫するといいかと思います。
不用品はバウンズボックスにするよりさっさと捨てるか、日本へ送ったほうが安く済んだりします。
トレイルエンジェル
ロングトレイルにはハイカーを支援しているエンジェルやボランティアがいます。トレイルエンジェルは毎年変化しており、引退と参入を繰り返しています。エンジェルの情報はFacebookからエンジェルを検索したり、トレイルヘッドに情報が掲載されていたりします。
泊まるのに電話が必要だったりしますが、優しいエンジェルの人ばかりなので下手な英語でも聞いてくれます。
トレイルエンジェルは継続的に維持していくために寄付が必要です。
これまでPCTにはエンジェルがたくさんいらっしゃったそうですが、寄付を渡さないのにサービスを要求するようなハイカーなどが増えた影響で昔のエンジェルが何人か引退してしまったそうです。中には高齢化ということもありますが、寄付があるので成り立っているエンジェルがほとんどです。
ご飯をいただいたり、泊まらせていただいたり、洗濯をしていただいたり、してくださりますのでそれに応じてお金を渡してください。
(稀に法外な金額を請求してくるエンジェルもいるので、トラブルが発生しないように気をつけて)
ビッグベアーレイクのケニーさんの家は最高だった。
ちなみに50ドルを渡しました。
中にはキリスト教会を使わせてくれる場所があります。
もちろんこのような場所でも寄付をしましょう。
さらに、中にはトレイルエンジェルを悪用する人もいます。人柄を見極めて、他のハイカーも滞在しているかも確認していきましょう。
変だな?と感じたら夜中でも出発して逃げるハイカーもいるそうなので荷物はまとめときましょう。
トレイルマジック
トレイルマジックはトレイル上に水やお菓子などが置かれていたりハイカーへのプレゼント。
マジックは突然です。このマジックは誰も来ないような超田舎道でのマジックでした。コーラとケーキをいただいてすごく嬉しかった。
エンジェルをしてくれる人は過去に歩いたハイカーだったり、自然が好きな地元の人だったり。
大袈裟に喜んで楽しんでください。
ウォーターキャッシュ
トレイルエンジェルはウォーターキャッシュという水の無いトレイルに水を置いてくれています。
砂漠のど真ん中までキャリーをしてくれる場合もあるので本当にすごい…寄付箱があれば寄付をしましょう。
そのまま飲んでも大丈夫な場合もありますが、高温な環境に置かれていたりするので浄水をして飲みましょう。
ヒッチハイク
リサプライではヒッチハイクが必須となるのですが、根気よくヒッチハイクをする必要があります。
やはり中にはおかしな人もいるので気をつけてください。なるべく2人でするといいです。特に女性一人は危険かと思いますので別のハイカーも捕まえてヒッチハイクをしましょう。
私は2度ほど情緒が不安定な人の車に乗ってしまい少し恐ろしい思いをしました。
ヒッチハイクをする場合は、親指を立てるだけ、手ぬぐいを掲げる、段ボールやタイベックに書く、などをしてヒッチハイクをします。
この手ぬぐいはYouTuberの高倉さんが1番使いこなしていました。清潔感と笑顔が大切です。
長距離送ってもらった時などは現金でチップを渡していました。中には受け取ってくれない心優しいドライバーもいますし、逆にお金をいただいてしまうこともあるみたいです。
基本的にはいいドライバーばかりです。
まとめ
ハイキング文化は他にも色々とありますが代表的な項目を書きました。他国にもたくさんありますよね。
日本のお遍路の文化もその一つかと思います。