「そぼぎ」「雑」「シュッ」

こんにちは。株式会社LayerXでバクラクのPMMを担当しております、宮崎(@miyachan_x)です!

本日は、私がLayerXに入社した当初から、ずっと一貫して受け継がれていて「すごい」と思った組織文化について、言語化したいと思います。
普段は外から見えづらい部分だと思いますが、赤裸々に書いていきたいと思います。

※今回の記事は、10月から始まっているLayerX 2022アドベントカレンダー(概念)、12日目の記事です。
昨日は、ukkyさんによる、大企業からスタートアップへ、エンタープライズセールスとして参画するまでについての記事でした!

明日は、バクラク事業部OCRチームで大活躍中のソフトウェアエンジニア、Tomoakiさんにバトンをお渡しします。

「狂気的なまでの透明性」にこだわった組織づくり

先日、代表の福島さんより、LayerXが大事にしている行動指針についてまとめた「LayerX羅針盤」が公開されました。

その中でも、私が好きなのは、こちらの「情報の透明性・オープン性」に関するスライドです。

アウトプット = 「能力」 x 「情報のアクセシビリティ」 x 「組織のアクセシビリティ」

情報の透明性を保つための取り組みについては、代表の松本さんがこちらの記事で詳しく説明しています。
 「開発爆速化を支える経営会議や週次定例の方法論 〜LayerXの透明性への取り組みについて〜

以下、重要な部分を引用させていただきます。

ここまで述べてきた透明性という取り組みにおいて、LayerXでは経営会議や経営合宿をできる限り透明化するということを進めてきました。

経営会議では、経営の意思決定についてセンシティブな項目(特に採用条件など人事的な決定)を除き全てを公開しています。議事録には公開可能な全ての会話を記録しており、過去全てに渡り参照することが可能です。

実際に入社された方がこうした議事録を遡って読んでいるケースもあり、これを通じて会社の変遷を知る、それによって今の取り組みの位置づけを理解するということにもつながっているかもしれません。活用は人それぞれですが、大事なことは知りたい時に知れるということかと思います。

また、経営合宿で決まった大方針は常に「羅針盤」と呼んでいるスライドにまとめ全社に共有されています。この羅針盤を元に、週次の経営会議での意思決定が進み、その過程を全て見れるようにすることで一人ひとりが自分の取り組みの理由を知ることにつながってほしいと考えています。

このように、LayerXでは、重要な意思決定に関するドキュメントを全体に公開していることで、各メンバーが意思決定を行う際に、迷わず行動が取れるようになっています。

とはいえ、これは「言うは易し行うは難し」で、極めてハードルの高い取り組みだと思います。
数年に渡って、徹底的に透明性の維持に尽力しているのは、改めてとてもすごい、といちメンバー目線で感じています。

同じぐらい、「ボトムアップの情報伝達」も大事

一方、全社ミッションを達成するには、トップダウンの情報伝達だけではなく、ボトムアップの情報伝達も、同じぐらい重要だと考えています。

良い意思決定を行うにあたり、現場の情報は常に不可欠だからです。

一般的に、トップダウンのヒエラルキー型組織では、規模が拡大するにつれて、ボトムアップでのコミュニケーションが取りづらくなっていく傾向があると思います。

それに対し、現在のLayerXではむしろ真逆で、「ボトムアップ」のコミュニケーションを積極的に促すような文化がどんどん形成されていっているように思います。

LayerXに入って驚いた、ボトムアップのコミュニケーションを支える3つの文化

今回紹介したい文化は3つあります。
以下は、いずれも社内の普段の会話やSlackの中で、日常的に使われている言葉や習慣で、とても強く根付いている文化だと思います。

1. そぼぎ (= 素朴に思った疑問)

ひとつめは「そぼぎ」文化です。
あまり一般的な言葉ではないと思うので、はじめて聞くと戸惑う方もいるかもしれません。

「そぼぎ」とは「素朴に思った疑問」の略です。
LayerX社内では、何か気になることがあった際に「そぼぎ」という使う言葉を使って質問をすることがよくあります。

Slackの絵文字に

イメージが湧きやすいよう、実際の使い方をいくつか掲載します:

(そぼぎ
Sales活動に関するそぼぎ
指標設定に関するそぼぎ
ダッシュボードのありかに関するそぼぎ
良い「そぼぎ」はどんどん共有されていく
深淵なそぼぎ

そぼぎとして投げられる問いの粒度感は、FAQ的なものから、深淵なものまで、様々です。

立場や役職を問わず、シンプルに疑問に思ったことがあれば「そぼぎ」というワードを添えて組織内で共有することで、知見を持っている方や、担当の方からの情報共有を受けることができます。

気になったことはなんでも気軽に聞き、相談しやすくなる、という点で、ボトムアップでの情報共有を支える文化として重要な役割を果たしています。

また、そぼぎを投げかけることで、「そもそもこれでいいんだっけ?」と、ふと原点に立ち返って考える、良いきっかけが生まれやすくなっています。これは思考の硬直を防ぐ意味でも、とても重要な機能を果たしていると思います。

誰でも本質に立ち返る疑問を投げかけられる土壌ができているからこそ、素早く前へ進むことができます。

2. 「雑」

ふたつ目は「雑」文化です。社内では、「雑共有」「雑質問」といった言葉がよく使われます。ただし、文字通り「何かを雑にやる」というニュアンスで使われることはありません。

「雑」は、「気になる事項があるので、多少雑なやり方かもしれませんが、取り急ぎ展開させてください」といったニュアンスで使用されます。

雑に何かを共有したいとき
雑に何かを質問したいとき
雑に何かを展開したいとき

イメージが湧きやすいよう、こちらも一例を掲載します。

お客様とお話する中で得た気づきの共有
「迷わずすぐに聞いてくれて、ありがとうございます」の意
やりたいことを気軽に宣言する様子

このように、接頭に「雑」をつけたコミュニケーションが日常的に行われていますが、何かをないがしろにしたり、自身のアウトプットクオリティへの期待値を下げる目的では使われてはいません。

LayerXにおける「雑」文化は、議論や意思決定のスピードをあげるための仕組みとして強く機能していると思います。

特にスピードが求められる局面において、素早く情報を共有したり、アラートをあげたりすることの重要性について、こうして組織的に合意されている状態は、とても大事なことだと思います。

3. シュッ(擬音語)

最後は少し変わり種ですが、「シュッ」という擬音語です。

シュッ

これはスピード感をあらわす擬音語で、何かタスクが見つかった際に「すぐにやっておくよ」という文脈で使用されます。

シュッ
シュッ
シュッ
シュッ

皆さん、日々シュッと何かに取り組んでいます。

凡事徹底、というテーマにも繋がりますが、すぐにできるタスクはそのままにせず、オーナーシップを持ってシュッとやってみる。こうした細かい行動の積み重ねが、強いカルチャーを形作っているように思います。

「シュッ」な発言を通して、誰が何に取り組んでいるかがすぐにわかるので、組織としてもメンバーを支援しやすくなり、良い文化だと思っています。

文化は組織の土台になるもの

以上、「そぼぎ」「雑」「シュッ」の3つの文化を取り上げさせていただきました。意外にも、これまであまり社外向けに言語化されてはおらず、入社してはじめて触れる方が多いところだと思います。

いずれも、横方向・縦方向へ、ボトムアップでの情報伝達を促進するにあたり、LayerXでは欠かせない、土台のようになっている文化だと思っています。

最後に:文化はアップデートされるもの

今回とりあげた3つも、あくまで2022年10月時点のLayerXを切り取ったものであり、今後の文化も、さらに変わっていくもの(自分たちで変えていくもの)だと信じています。

最後に、LayerXのことが少しでも気になっている皆様へ。
ぜひ一緒に文化をアップデートしていきましょう!

みんなで良い文化を作っていくぞ!

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