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UXライティングの勉強におすすめの本3選

UXライティングについてこのnoteを書き始めてから、ありがたいことに「UXライティングのことをもっと勉強したい!」という方から連絡をいただくことが増えてきました。

その理由として、UXライティングに相当する考え方や概念自体は以前からあったものの、それに対して「UXライティング」という名前がついたのは最近なので、勉強するための本を見つけるのが難しい状態だからなのかなと思います(特に日本語では)。

そこで今回は、2020年8月時点でわたしがおすすめする、UXライティングの考え方を学べる本を3冊紹介したいと思います。

まずはじめに、そもそもUXライティングとはどういうものなのかを簡単に説明し、その後におすすめの本を紹介します。

UXライティングとは

UXライティングとは、WEBサービスやアプリなどのプロダクトのユーザー体験を、より快適で洗練されたものにするために、PCやスマホなどの画面(UI)に表示される言葉を設計することです。

プロダクトを体験しているユーザーが、迷わず行動できるように導いていく言葉なので、簡潔でわかりやすく、思いやりのある表現が求められます。

こうした言葉の考え方を学べるのが、次の3冊です。

『伝わるWebライティング スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法』ニコル・フェントン/キーファー・リー

わたしが実際にUXライティングが学べる本としてまず最初におすすめしているのがこの本です。

タイトルこそ「Webライティング」となっていますが、わたしはこの本を、日本語で書かれた唯一のUXライティングの教科書だと思っています。

こちらが出版社の紹介ページですが、こんな推薦文から始まります。

この本は、ニコルとケイトによる、ライティングの分野でのユーザーエクスペリエンスのガイドです。

「ユーザーエクスペリエンスのガイド」と明言されていて、まさにUX領域におけるライティングについて書かれていることがわかります。

この本の英語版が発売されたのは2014年で、この翻訳版が発売されたのは2015年です。まだ「UXライティング」という言葉がなかった(もしくは浸透していなかった)ために「Webライティング」となっているますが、タイトルを『伝わるUXライティング』としても遜色がないぐらい、内容としてはUXライティングに相当するものです。

よく日本のITは海外より10年遅れているなんてことを言われたりしますが、この本のことを知った時に、5年以上も前にこれだけの知見が体系的に整理されていることに驚きました。

具体的な内容は、上記の出版社のページが非常に充実しているので、見ていただくとよくわかるのですが、例えばこちらです。

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http://www.bnn.co.jp/books/7682/より引用)

その瞬間の気持ちに共感する」という見出しのページで、エラーメッセージやヘルプ文言など、コンテンツのタイプによるユーザーの感情を表で整理しています。

この「共感」はUXライティングにおいて重要なキーワードのひとつだと思っていて、以前SlackのUXライティングを紹介した際も、「共感」という観点で分析しました。

こうした実際に企業が行っているUXライティングでも使われているような、考え方の基礎になる部分を多く学べる一冊です。


『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』 山本琢磨

2冊目は『ザ・マイクロコピー』です。

こちらはすでにご存じの方も多いかと思います。UXライティングに興味を持ってまず初めにこの本に出会う方が多く、わたしもUXライティングに関連する本として、最初に読んだのがこの本でした。

マイクロコピーとUXライティングの関係については、著者の山本琢磨氏がこのように解説しています。

マイクロコピーとUXライティングの違いは、文章や記号などの具体的な数文字のライティングか、ユーザー体験全体を意識したライティングかの違いです。UXライティングの一部をマイクロコピーが担っているという関係でもあります。
マイクロコピーは数字で把握できる要素のみの文章である一方、数字では測れないユーザー体験(感情など)を考慮したものがUXライティングです。

マイクロコピーとは』より引用

マイクロコピーの事例としては、Netflixの会員登録で使われているコピーがわかりやすいです。

新規登録時のユーザーの心理的ハードルを軽減するために

✔ 簡単登録、いつでもキャンセルできます。
✔ 低価格、定額でNetflixの全作品が視聴可能。
✔ どんなデバイスでも見放題。

というような短いコピー(マイクロコピー)を活用しています。

こうした新規会員や売り上げなど、ビジネスの成果に直結するような課題を解決するのがマイクロコピーの役割となります。

「とにかくLPのCVRを今すぐ上げたい!」というような方は、まずこの本を読むとめちゃくちゃ役に立つと思うのでおすすめです。


『Strategic Writing for UX』 Torrey Podmajersky

最後にご紹介するのがこちら。

タイトルに「Writing for UX」とは言っている通り、UXライティングそのものについて書かれた本になります。

しかし残念ながら、日本語版がありません。

わたしは英語が得意ではないので、ふわっとしか読んでないのにおすすめするのは恐縮ですが、こちらの書評でとても詳しく紹介されているのでぜひ読んでいただければと思います。

YouTubeに著者のセミナー動画がアップされているので、こちらを見るだけでもたくさん学びがあると思います(こちらも英語ですが)。

著者のインタビューについては下記のnoteで紹介しているので、こちらも読んでみてください。


以上、UXライティングの勉強におすすめの本を3冊紹介しました。

外出自粛の夏休みを迎える方も多いと思いますが、この時間にUXライティングの勉強をしてみてはいかがでしょうか。

***

最後に告知で恐縮ですが、8/12(水)の20時からUXライティングのオンライン授業をします。

今回紹介した本とはまた違った切り口で、わたしが普段UXライティングに取り組む上で、感じたことや、気をつけていることなどをお話ししたいと思っています。

無料でだれでも参加できますので、お時間ある方はぜひご参加ください!


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