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【読レポ】宮沢賢治『一九三一年度極東ビヂテリアン大会見聞録』(ビジテリアン大祭 改作)

私の記事に関心をお持ちくださりありがとうございます。

【読レポ】宮沢賢治『一九三一年度極東ビヂテリアン大会見聞録』(ビジテリアン大祭 改作)

何がきっかけだったろう?
2024-7-7でご紹介した宮沢賢治さんの『ビジテリアン大祭』が、花巻温泉を舞台に変えて途中まで改作されていたことを知りました。
ウィキペディアで宮沢賢治さんの略年譜を拝見すると1931年の上京中に発熱で倒れて花巻に帰京。
療養生活中に改作されていた可能性がありますが、2年後に急性肺炎で亡くなられていることから未完に終わってしまったのかもしれません。
途中でもいい、読んでみたい。
探してみると筑摩書房さんの『新校本 宮澤賢治全集 第10巻』に収められていることを知りましたが、筑摩書房さんには在庫なし。

今のところ、図書館へ行く時間もなし。
ということで、青空文庫で探して見つける。
良かった!
A4で9枚程度ですので、すぐに読み終えました。
以下、ネタバレを含みます。

ベジタリアンを
第一群として
・同情派(動物がかわいそう)
・予防派(肉魚は身体に悪い)
第二群として
・ヴィーガン
・ラクト、オボベジタリアン(乳製品、卵OK)
・フレキシタリアン
の3つに分けています。
100年前に書かれているなんて、すごいなあ。

そして、第十七回極東ビジテリアン大会が行われる会場が、花巻温泉の紅葉館さん。
大会に参加する方々(40人)の宿泊先が松雲閣さん。
開催日は1931年9月4日 正午から
食事は、白米の飯と大根の味噌汁と香の物。
おそらく、この時代の東北の味噌汁には鰹だしは使われていなかったのではないかと思います。
参加者は大会の前におのおの釜淵の滝を見物に行っています。
そこへシカゴ畜産組合が車に旗を立ててやって来て「偏狭非文明的なるビヂテリアンを排す」というビラを撒くところで終わっています。

そしてもうひとつ。
賢治学会というのがあるのですね。
私は文学部系ではないので知りませんでした。
2006年3月25日、26日に開催された春季セミナーのテーマが「極東ビヂテリアン大祭~宮沢賢治と温泉~」
会場はホテル千秋閣さんです。
1日目のシンポジウム「リゾートとしてのイーハトーブ」
2日目のシンポジウム「ベジタリアン宮沢賢治 イーハトーブの豊かな雑穀文化」
そして松雲閣の特別公開。
1979年に松雲閣の本館が解体されています。
2006年に解体される予定だった松雲閣の別館は、解体されることなく2018年花巻市で初の登録有形文化財に登録されました。
現存していますが、中に入ることはできません。
この『一九三一年度極東ビヂテリアン大会見聞録』に登場する松雲閣が本館なのか別館なのか、という論争があるらしいですね。

花巻温泉株式会社さんは、現在、ホテル紅葉館さん、ホテル千秋閣さん、ホテル花巻さんを経営されております。
3つのホテルは廊下で繋がっていて、いずれかのホテルに泊まると、3つのホテルの温泉すべてを利用できるということで人気があります。
ベジタリアン対応のメニュー変更をしてくださるので、我が家でもホテル紅葉館さん、ホテル千秋閣さんを何度か利用しています。
家族が、花巻温泉株式会社さんの高橋営業課長さんに連絡を取ってくれて、久しぶりにホテル千秋閣さんに泊まりました。
お忙しい時期なので、高橋営業課長さんと直接お話はできませんでしたが、第十七回極東ビジテリアン大会の会場で温泉とお料理を堪能しました。
そうそう、いくつか駐車場があるのですが、車中泊の方々専用の有料駐車場があって、大型の車が思った以上に停まっていました。
ホテルに宿泊の方々は駐車場無料です。

ホテル紅葉館さんで撮らせていただいた写真です。

駐車場にある案内板
宮沢賢治さんと花巻温泉の関わりの説明
賢治さんの帽子とコートのオブジェですね
昔の花巻温泉さんのパンフレットから
松雲閣さんと紅葉館さんの部分を拡大
貸別荘もあったんですね
花巻温泉のあゆみ
1931年は花巻温泉小唄(ビクターレコード)発売と花巻温泉大植物園開設ですね
1931年の新聞
花巻温泉小唄が紹介されていますね
現在の松雲閣別館
入口に掲げられた案内板
中には入れませんが、近くから
維持管理大変そう

ご興味のある方は、花巻温泉にいらしてください。

花巻温泉
岩手県花巻市湯本1-125