吾妻ひでお (地を這う魚 ひでおの青春日記)
漫画家って、年をとると自分の若かった頃のことを描きたくなるのでしょうか?いや・・・編集部が描いてくださいと言うのでしょうか?
まあ、何れにせよ自分自身の青春物語はそれぞれの漫画家の個性が出ていて面白い。
吾妻ひでお版青春日記は、いかにも吾妻ひでお!
登場人物は自分自身と若い女の子以外は動物!(例外もあるけどね)
そこかしこに蛸や鮫やミミズや魚やわけのわからないものがうようよと蠢いている。
これは作者の心象風景なのか?
<地を這う魚>!
これは一体何なんだ!?
水中を泳ぐはずの魚が空中を泳ぐ。
いや、それさえも出来ず地を這っている魚たち。
単純に考えれば作者自身の状況を表現しているってことなんだろうけど・・・
それだけなんだろうか?
60年後半って・・・実は私は小学生だった。(年を計算しないように!・・・笑)
だからあの時代の雰囲気は多少は覚えている。
東京に住んでたわけではないけど・・・あの時代の得体の知れないパワー、若者達の未来への不安とか希望とか・・・そういうものを表現するとああいうわけのわからないものが蠢いてるようになるような気がするのです。
ストーリーは、金も根性もあんまりないかもしれないけれど若さだけはある!っていう若者の話でSFでも可愛い女の子の話でもないんだけど、<吾妻ワールド>全開っていう雰囲気がいいなあ!