望月峯太郎 (座敷女)
いやぁ~~、怖いですねぇ~~~。
まず、表紙が不気味。
手前に寝ている男性の顔。奥に半分開いたドアの所に立つ髪の長い女。
蝶が2匹、蛾が1匹飛んでいる。(何故「蛾」なんだ?)
左に薔薇の花が1本。右は何故か木々が生えた外の風景。
裏表紙は表紙の上下逆になった「絵」。
これだけで、これから読もうとする読者に十分「不気味さ」とか「不安感」を与えてくれる。
冒頭部分、雷の鳴る怪しげな雲行きの天気。
どこにでもあるような、安っぽいアパートの全景。
下から見上げるアングルの階段。
各部屋に続く通路部分。
これは、単なる情景描写ではなく、実は「座敷女」の視点だと後でわかるが、そのあと、主人公が初めて見た「座敷女」の姿の描写が、ある意味凄い!
左手首の傷跡。不気味な顔。何故か紙袋。擦り切れた靴。
もうこれだけで十分不気味な女だという事が感じられる。
その後、主人公の「森ひろし」に対してストーカー行為をするわけだが、
100m10秒を切るロボットみたいな走り方で、いつまでも追いかけてくる。
空手している男性が何度蹴りを入れてもゾンビのように立ち上がる。
やる事は勿論、異常なストーカー行為。
こんな女現実にいないよなー、と思いつつ、いるかも?…と、フト思ってしまうところが怖い。
ラスト、結局どうなったのかわからないのも妙に不気味。
ただ単に「怖い」というより、じわじわ来る「不気味さ」の感じられる作品…かな?