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【漫画】僕の息のおと、聞いてよ。 #1
第1話「世界を少し、拡張するおと。」
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トランスジェンダー・ノンバイナリーの物語を描くぞ
なぜ、描くのか?
こんにちは、Miyabiです。
最近、当事者目線のLGBTQ+の登場人物の出てくる映画・漫画・小説などなど作品が表舞台に出てきているように実感します。
僕もトランスジェンダーの男性なので、「トランス男性の出てくる作品が見たいな〜!」って日々過ごしています。
子どもの頃、読んでる漫画のキャラが、自分と同じ誕生日だったら、「自分といっしょ!」ってめちゃくちゃ嬉しくて、そこからもう1回そのキャラに注目して読み返したりしたじゃないですか。あれです。あ、大人になってからもか。
共通項のあるキャラが活躍してるのって嬉しいです。
なので、トランス男性の出てくる作品を漁って読みます。
しかし、数が少ない。
供給が足りない。
数が少ないというのは、物語におけるトランスジェンダー/ノンバイナリーのバリエーションが少ないことでもあります。
こうなったら、自分の推しの二次創作が自サークルしかない同人作家が如く、僕が僕のために描くしかないのです。
僕がトランスジェンダーやノンバイナリーの側面を持つ人物の登場する漫画を描きます。
もし、同じく「供給が足りない」と感じてらっしゃる方がいましたら、読んでってください。
隔週更新します。(👈 僕のホルモン注射が隔週なので、そのタイミングでアップしようと思った次第です。)
自覚と、自分史
「自分は、トランスジェンダー/ノンバイナリーかもしれない」
そう思い至ったのは、大学を卒業してからです。
これは「LGBTQ+」「トランスジェンダー」など、自分のモヤモヤを言い表せる言葉を知ったのが、そのタイミングだったという意味です。
実際、「周りの、自分に対する性別の期待」に対する違和感は、物心ついた頃(4-5歳あたり)から感じていました。
漫画1ページ目から登場するノートや、パソコンでの調べ物、積んである本は、僕自身が辿ってきた道を再現したものです。
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そこから自分史を書いていきました。
自分史を持って、クリニックに行って、それを元にカウンセリングを経て、診断書をゲットします。
第1話では、ここまでを描いてみました。
あくまで一例です。
それと同時に忘れてはいけないのは、トランスジェンダー/ノンバイナリーも、その人その人の人生を歩んでいることです。
この漫画「僕の息のおと、聞いてよ。」シリーズでは、主人公ゆづきくんは、自分のジェンダーアイデンティティに向き合いながらも、北海道釧路市と東京を往復して、ピアニストとしての努力も積み重ねています。
クラシックと非西洋
僕は大学はクラシックを演奏する音楽大学に在籍していました。
入試はもちろん、在学中のほとんどは「クラシック」と言われる、近世・近代の西洋の楽曲の演奏を勉強しました。(たまに日本人作曲家や現代音楽もありましたが、納得できる内容ではなかった)
漫画でゆづきくんも言ってますが、入学当初から「非西洋圏の人間なのに、なぜ近世・近代の西洋のクラシック曲がこんなにも強固なのだろう?」「これ、自分が弾く意味ある?」と真剣に悩んでいました。
幕末・明治時代に、西洋に追いつけ追い越せでクラシックも取り入れられ、日本音楽と西洋音楽の研究機関として東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)ができたわけなので、日本における西洋クラシック教育の大元はここと判断できます。
しかし、現代の音楽大学において、あまりにもこの部分に無批判なのではないか?
そこに対する疑問から、僕は楽器の練習に入る前に、図書館に籠るようになりました。
この疑問に答える文献・資料がないか探すためです。
友人や先生は皆、クラシックを「真剣に」取り組んでいるので、言えません。
いつの間にか、図書館にいる時間の方が長くなりました。
加えて、性別違和も言語化できないまま横たわっています。
さらに、音楽学部では、従来のジェンダー規範も強固に残っています。
にっちもさっちも行かなくなって、息苦しくなっていたときに救われたのが、ロックでした。
ロック史には、抵抗の歴史があったのです。
しかもクラシックの演奏家とは違って、自分で曲を作って歌詞を作って、それを演奏します。
衝撃を受けました。
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この漫画「僕の息のおと、聞いてよ。」では、非西洋圏・性別違和とクラシック教育のあたりも含めたい。
「LGBTQ+」「トランスジェンダー」「ノンバイナリー」などなど、用語を知ったら救われる人もいるはず。
…って感じで、これから幸せな人生を描いていきます。
よろしくお願いします。