見出し画像

週休3日制が選べるようになる?

こんにちは。みやび@社会保険労務士です。

先日、宮城県で職員の確保のために、週休3日制の導入と退職した元職員の再雇用制度を導入するとの発表がありました。

#日経COMEMO #NIKKEI


今回のケースで特徴的なところは、週休3日の適用対象となるのが「全職員」というところです。従来このような制度の対象となるのは、「育児や介護」などの事情がある職員に限られていました。

週休3日制の期待される効果

  1. ワークライフバランスの改善:週休が増えることで、従業員が家庭や個人の時間を大切にすることができ、ストレス軽減や仕事へのモチベーションが向上します。

  2. 生産性向上:労働時間を減らしても、従業員が集中して働くことで、生産性を維持または向上させるという研究結果もあります。

  3. 地方での人材定着:特に地方都市では、都市部と比べて人材の流出が問題となっていますが、柔軟な働き方が可能な企業が増えることで、地元にとどまる労働者が増えることが期待されています。

週休3日制の課題

  1. 給与減少の懸念:週休3日制に伴い、労働時間が減ることで給与が下がることを懸念する労働者もいます。これに対する解決策としては、生産性を高めることによって給与を維持する方法や、労働時間の短縮に応じた給与体系の見直しが検討されています。ただし、今回の宮城県での制度では1日の所定労働時間7時間45分を超過した時間が1日分になったときもう1日休めるということなので、実際の労働時間が減るわけでないようです。

  2. 業種間の導入の難しさ:製造業やサービス業など、直接的に労働時間が収益に影響する業種では、導入が難しいとされています。このため、業界ごとに適した導入方法を模索する必要があります。ただし下記のように介護業界では既に取り組みが始まっているところもあります。

  3. 企業のコスト負担:週休3日制導入に伴い、従業員の負担が軽減される一方、企業側のコスト増加(代替労働者の採用やシステム変更など)も課題となる可能性があります。

宮城県では、2020年に村井知事が「介護人材確保対策緊急アクションプラン事業」の1つである『宮城県介護職週休3日制応援宣言!』を発表しています。
これは介護事業で1日8時間、週5日勤務制ではなく、1日10時間週4日勤務を導入した事業者を応援する取り組みです。この場合は、週当たりの勤務時間は、40時間で変わらないですが、休みが1日増えるという形です。元々残業の多い職場であれば、実質1日の労働時間が変わらず、休みが増えるので喜ぶ職員が多いだろうなあと当時思ったことを思い出します。(2020年には宮城県仙台市に住んでいました!)
また介護事業者の場合は、通常夜勤勤務は16時間なことが多いのですが、1日10時間を導入すると、日勤、準夜勤、夜勤がすべて10時間に統一できるというメリットもあるようです。

こういった介護事業での試験運用の効果を検証した上で、県職員に導入することにしたのかもしれませんね。

柔軟な働き方の導入などのご相談も




いいなと思ったら応援しよう!