「スケジュールをつける」本質とは?予定管理以外の魅力探し
このnoteの目的
とにかく様々なユーザー体験について探ってみる練習メモです
・「スケジュールをつける」とはどういう体験から成り立っている?
・スケジュールサービスの各ポジションとユーザー傾向は?
同じ「スケジュールをつける」行為でも、様々なユーザー体験があると思い、考えてみました。
スケジュール帳のユーザー体験
KWD スケジュール
予定。日程。また、予定表。日程表。「スケジュールを立てる」「スケジュールをこなす」
コトバンク様 参照
スケジュールを記すことで、ユーザーは 憶える という作業を短縮することができます。更に、予定後に日記やメモを残すことで、発見するという体験も得ることができます。
スケジュールをつける行為を展開してゆくと、本来の 予定を記す 以外にも、作業の効率化と情緒的な満足感の両方が満たされるのではと思いました。
スケジュール帳の課題
スケジュール帳をつけるにあたり、想定できる課題をざっくり記しました。
「スケジュールをつける」という体験の間に起こり得る課題は、大きく3つあるかなと思います。
1.習慣化できない:書き忘れてしまう。面倒。続かない。
2.非効率:見返しが必要。誰かとの予定の場合共有が必要。
3.メンタルモデルと違う:月ごと(時間ごと)に見たい。フリスペがほしい。等
各スケジュールサービスのアプローチ
「スケジュールをつける」にあたって、ユーザーは習慣化/非効率さ/メンタルモデルの違いに課題を感じていると仮説立てた上で、
それらの課題とどう向き合っているのか、4つのサービスを題材に考えてみました。
1.Googleカレンダー
Googleカレンダーは、個人の予定管理よりも「現状の確認」と「予定共有に使う手間/時間削減」に特化したサービスだと思いました。
Googleカレンダーによって、主に解決される課題
1.参加/不参加 など予定参加者の状態を確認することができる
→ 確認の手間削減
2.slackなど連携機能が充実しており、個々にあったツールでリマイドを受けることができる→ 確認の手間削減
3.細かなルールで繰り返し予定などが設定できる
→ 予定調整の手間削減
4.相手の空いてる時間を確認できる
→ 予定調整の手間削減
2.Time Tree (タイムツリー)
Time Tree は「自身が生活していく上でうまれた、様々なグループにあわせてカレンダー共有」することに特化した、大切な人との専用SNSのようなサービスだと感じました。
Time Tree によって、主に解決される課題
1.共有相手の反応(いいね/コメント返信/変更通知など)が見れる
→ 言い忘れや、確認し忘れを解決
2.検討したい今後の予定やメモをキープしておける
→ (会話中にぽっとでてきた様な) 発言を拾っておける。コミュニケーションの場を設ける
3.LINEでカレンダー招待ができる
→ 共有の手間削減。利用までのフロー軽減
Googleカレンダーとの違いは以下3点。
1.決定していない事もコミュニケーションによって調整、解決ができる
2.予定日後に思い出を振り返れる
3.相手の情緒的反応が見れる
Googleカレンダーは「現状と結論の共有」の見える化に重みをおき、
Time Treeは「予定日までの経緯、その後の感情の共有」に重みを置いているのかなと思いました。
3.Life Bear (ライフベアー)
Life Bear は「手書き手帳に近い所有感」と「予定管理を中心に、自身におきた出来事やタスクなどを一括管理」する事に特化したサービスかと思いました。
Life Bear によって、主に解決される課題
1.スケジュールを(月/週/日)で切替+その他様々な細やかなカスタム機能
→ メンタルモデルの不一致を解決
2.色味やスタンプを自分にとって「わかりやすい」形にカスタム
→メンタルモデルの不一致を解決+所有感を満たす
3.タグ付やファイル分けが可能なノート/ToDoや日記
→ 管理の効率化
共有サービスとの違いは、相手との予定管理の効率化よりも、ユーザー本人がライフスタイルを見直し、新たな発見を体験できるようデザインされていると思いました。
4.手書きスケジュール帳
手書き手帳は、ある程度構成が決まっているものを使用したり、バレットジャーナルのように構成からルールまで考える様な形まで多様にあります。
他サービスと比べて、共有するには別途のツールを使う必要があり、スケジュールをつけるにも一番時間を有します。
しかし、自分の選択に対するフィードバックをすぐに感じることができ、継続したあとの達成感は他のどのサービスよりも強いのではと思いました。
手書き手帳 によって、主に解決される課題
・自分にあった構成やサイズのものを選ぶことができる
→ メンタルモデルとのギャップを解決
・制限なく自身の情報を書き込むことができる(雑記やメモなど)
→ 所有感の向上
・書いた後に「綺麗に書けた」「可愛く書けた」などフィードバックをすぐに感じ取れる
→ 達成感の向上
・1冊使い切るごとに、質量として自分の費やした時間や思い出を感じ取れる
→ 継続率+達成感の向上
各サービスのポジション
スケジュールサービスは、とにかく効率化を目指したものと所有感や発見を充実させたものとで、大きく2軸あるように思いました。
今回の学び
1.所有感を得るための要素
・ユーザーの選択に対して、目で見えるフィードバックを用意する
・情緒的情報も記入できる
・ユーザー自身でルールが構築できる要素
2.共有の手間を省く要素
・予定に対してお互いに反応を返せる
・変更の通知機能
・LINEやSlackなど充実した連携機能
3.予定をつける手間を省く要素
・繰り返し入力機能
・デバイスを選ばず、予定追加できる機能
今後考えてみたいテーマ
vol.2:どうぶつの森
(年齢/性別/ゲーマー度に関わらず広く愛されている理由は?)
vol3:コスメ定期便
(誰かに「選んでもらう」ニーズとは?ワクワクを提供するコツ探し)
vol4:手書き家計簿
(未だに「手書き」が流行っている理由は?アプリとの違い探し)
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今後もユーザー体験について考えられる様、様々な商材で練習していけたらと思います。