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現代宮城風土記#12:仙台市交通局


仙台市交通局

 仙台市の地方公営企業の1つ。仙台市(主に青葉区、宮城野区、若林区)とその周辺の路線バスと、仙台市内の2つの地下鉄路線を運営している。1926~1976年には「仙台市電」を運営し、現在は「仙台市電保存館」で保存・展示されている。ICカード乗車券「icsca」を発行。

仙台市交通局

仙台市交通局の主な歴史
1926年:「仙台市電」の開業
1942年:「仙台市営バス」の営業を開始
戦後:改組・改称で「仙台市交通局」の成立
1976年:市電廃止
1987年:「仙台市地下鉄南北線」が開業
1991年:「市電保存館」の開館
2014年:「icsca」の発行開始
2015年:「仙台市地下鉄東西線」が開業

仙台市地下鉄

 泉中央駅~富沢駅間を結ぶ南北線と、八木山動物公園駅~荒井駅間を結ぶ東西線の2路線を有する。1972年に仙台市交通計画委員会によって示された構想路線に基づいてそれぞれ1987年、2015年に開業した。名前に「営」は入らない。現在累積欠損額が約1000億円。

仙台市地下鉄

仙台市地下鉄南北線

 泉中央駅から富沢駅の14.8kmを結ぶ。軌間は1067mm。1987年に八乙女-富沢駅間が開業し、1992年に泉中央駅まで延伸した。地下鉄と言いつつ、泉中央~黒松駅間は地上に出るし、八乙女駅に至っては高架駅である。2024年度から新型車両が導入予定。

仙台市地下鉄南北線路線図

仙台市地下鉄東西線

 八木山動物公園駅から荒井駅の13.9kmを結ぶ路線。軌間は1435mm。2015年開業。仙石線との直通運転構想や、西公園以西のモノレール構想などを経て、現在のルートになった。車両が小さいので身長が極端に高い人は頭をぶつける可能性がある。

仙台市地下鉄東西線

仙台市地下鉄構想路線

 1972年に仙台市交通計画委員会が示した市内を走る地下鉄の構想路線。路線は以下の7つ。
・北仙台線(仙台駅前-七北田)
・長町線(仙台駅前-鍋田)
・川内線(仙台駅前ー泉ヶ丘)
・七北田線(七北田ー桂島)
・鶴ケ谷線(瓦山ー鶴ケ谷)
・茂庭線(鍋田ー茂庭)
・名取線(鍋田ー小泉)

仙台市営バス

 公営の路線バス。青葉区、若林区、宮城野区を中心に仙台市内のほぼ全域で営業している。1942年に市が『仙台市街自動車』を買収する形で市営バスの営業を開始した。車体は緑色を基調として青色のラインが入っている。また観光地を循環する「るーぷる仙台」も運行。ほぼ全路線が赤字である。ガンバレ!

仙台市営バス

るーぷる仙台

 仙台市内の観光地を循環する路線バス。バスの車体は路面電車風のデザイン。平日は30分、土日祝日は20分間隔で運行されている。1回乗車で大人260円、一日乗車券は大人630円。仙台駅前から瑞鳳殿、仙台城跡、大崎八幡宮等を経由して仙台駅に戻る。一方向運行で逆回りしないことに注意。ルートは以下の通り。
仙台駅前→青葉通一番町駅→晩翠草堂前→瑞鳳殿前→博物館・国際センター前→仙台城跡→青葉山植物園西→青葉山駅→理学部自然史標本館前→国際センター駅・宮城県美術館前→交通公園・三居沢水力発電所前→大崎八幡宮前→メディアテーク前→定禅寺通市役所前→広瀬通駅↗

るーぷる仙台

仙台市電

 かつて仙台市中心部で運行されていた路面電車。仙台市交通局が運営していた。1926年に荒町~仙台駅~旧・大町一丁目間の3.3kmが開通し、追って循環線、芭蕉の辻線、長町線、北仙台線、八幡町線、原町線が開通した。その後、交通事情の変化により1976年までに全線廃止となった。

仙台市電


仙台市電保存館
 
仙台市電の姿を未来に伝えるための施設。1991年に仙台市地下鉄の富沢車両基地内に開館した。創業当時の1号車(モハⅠ型)をはじめ、123号車(モハ100型)、415号車(モハ400型)の車両や台車、制御器、停留所名板などの資料が保管・展示されている。入館料は無料。

icsca

 仙台を中心に導入されているICカード乗車券。仙台市地下鉄、市営バス、宮城交通バスで利用できる。また、Suica仙台エリアとの相互利用が可能だが、他のICカードエリアではicscaを利用できないので注意。名称は仙台弁の『行きましょう』を意味する『行くすか』が由来。

icsca

イクスカすずめ

 仙台市交通局が発行するICカード乗車券「icsca」のキャラクター。2014年にicscaと同時に登場した。デザインは仙台在住の画家・菅野麻衣子氏による。伊達家の家紋「竹に雀」から創られたキャラクターで、地表近くを飛んだり、地面を飛び跳ねて移動する。LINEスタンプも発売中。

青葉あさひ

 仙台市交通局の鉄道むすめ。仙台市地下鉄に勤務している運転士。どんな時も元気で明るく活発な妹タイプで、すずめ踊りなど地元のイベントが大好き。趣味はバードウォッチング。特にスズメが好き。名前は仙台市地下鉄東西線の「青葉山駅」と南北線の「旭ヶ丘駅」が由来。

青葉あさひ

磁気カード

ジョイカード
 かつて仙台市交通局と宮城交通が発行していた磁気式乗車カード。仙台市地下鉄や仙台市営バス、宮城交通、ミヤコーバスで利用できた。3000円と5000円の2種類で発売されていて、それぞれ10%ずつ利用額が加算されていた。IC乗車カードicscaが導入されて廃止となった。

スキップカード
 かつて仙台市交通局と宮城交通が発行していた磁気式乗車カード。仙台市地下鉄や仙台市営バス、宮城交通、ミヤコーバスで利用できた。1000円、3000円、5000円の3種類で発売され、指定駅での地下鉄とバスの乗り継ぎで割引が発生した。IC乗車カードicscaが導入されて廃止となった。

バスカード(仙台市営バス)
 かつて仙台市交通局が発行していた路線バス専用の磁気式乗車カード。スキップカードやジョイカードとは異なり、仙台市地下鉄での利用はできなかった(宮城交通バスは可)が、利用額の加算がジョイカードよりも大きかった。IC乗車カードicscaが導入されて廃止となった。

おわりに

icscaポイントの廃止は悲しい。

更新履歴

2024年9月27日:章立てを変更。
2023年11月13日:文章を作成。

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