現代宮城風土記#50:仙台駅
仙台駅
東北地方で最大のターミナル駅。仙台市地下鉄、JRの在来線各線、仙台空港アクセス線が乗り入れる。仙台城下町の東六番丁付近に位置し、現在の駅舎は1977年に竣工したもの。西口が「駅前」で東口が「駅裏」だったが、近年は東口も再開発が進んでいる。ちなみに東京駅からはたった3駅である。
東六番丁
仙台城下町の地名。宮町の南に接続し、「六道の辻」まで続く南北の長い道であったが、現在は仙台駅によって寸断され、花京院通との交差点で丁字路となっている。東六番丁小学校はかつて東照宮の御仮宮、また別当寺・仙岳院の子院の吉祥院で、現在も東照宮御祭礼の御旅所となっている。
大仙台駅構想
1945年の「仙台空襲」により駅舎が破壊された仙台駅を、より大きな駅舎として復興する構想があった。1947年の地図には『大仙台駅建設予定地域』として、駅舎の位置をやや東側の東七番丁に移し、線路の曲線に合わせて北端は小田原長丁、南端は連坊小路まで弧を描いて着色されている。
駅の構内
仙台駅のホーム
1番線:1面1線の単式ホーム。
・東北本線、仙石東北ライン
2 - 4番線:1面3線の島式・切欠きホーム。切欠きの3番線は上り方面(福島)のみ進行可。
・2番線:東北本線(岩切・利府・塩釜・小牛田方面)、仙石東北ライン
・3番線:東北本線(岩沼・白石・福島方面)、仙台空港アクセス線
・4番線:東北本線、仙石東北ライン、常磐線(亘理・相馬・原ノ町方面)、仙台空港アクセス線
5・6番線:1面2線の島式ホーム。
・5番線:東北本線、仙石東北ライン、常磐線(亘理・相馬・原ノ町方面)、仙台空港アクセス線
・6番線:東北本線、常磐線(亘理・相馬・原ノ町方面)
7・8番線:1面2線の島式ホーム。
・7番線:仙山線(愛子・作並・山形方面)
・8番線:仙山線(愛子・作並・山形方面)
9・10番線:地下2階にある1面2線の島式ホーム。
・9番線:仙石線(あおば通方面)
・10番線:仙石線(松島海岸・石巻方面)
11 - 14番線:4階高架にある新幹線専用の2面4線の島式ホーム。
杜の讃歌
JR仙台駅の改札外中央コンコースに設置されているステンドグラス。洋画家の近岡善次郎が制作し、現在の駅舎が完成した翌年の1978年に設置された。仙台藤崎が創業160周年を記念して寄贈したもの。現在は待ち合わせスポットの1つとなっている。かつてこの前に伊達政宗像が設置されていた。
伊達政宗公騎馬像(大崎市)
JR陸羽東線有備館駅前に設置されている伊達政宗公騎馬像。かつてJR仙台駅の改札外中央コンコースのステンドグラス前に設置されていたもので、「伊達前」などと呼ばれる待ち合わせスポットとなっていた。2008年にJR東日本仙台支社から大崎氏に寄贈された。
ステンドグラス前
仙台駅の待ち合わせスポット。略して『ステグラ前』。以前はすぐ横に設置された伊達政宗像が待ち合わせスポットだったが、2008年に移設されて呼び方が変わった。基本的に一日中待ち合わせの人が集まっているので、隣接する案内板付近などにいると相手を見つけやすい(当社比)。
牛たん通り・すし通り・ずんだ小径
仙台駅3階の新幹線中央改札口外の横に続く飲食店エリア。L字の通路に沿って牛タン、寿司、ずんだスイーツの人気店が並んでいる。通路手前がずんだ小径、曲がってすぐが牛タン通り、奥がすし通りとなっていて、一番奥には伊達政宗公騎馬像が設置されている。
tekuteせんだい
仙台駅1階にある商業施設。2001年に『Dila仙台』として開業し、2021年にリニューアルオープンした。観光客向けの飲食店と生活利用者向けのテナントが混在している。2023年に増床した場所には「ずんだスタンド」がある。現在もさらに北方向への増床工事をしている。
ずんだ茶寮
「菓匠三全」が展開する和菓子店。厳選された枝豆を用いた、仙台の伝統食である「ずんだ餅」や、ずんだ餅を基にして創られた「ずんだシェイク」『すんだロールケーキ』など、ずんだをベースにした菓子を楽しめる。仙台駅や仙台空港など県内各所や、羽田空港にも店舗展開している。
ずんだスタンド
お茶の井ヶ田が運営するずんだ専門店。仙台駅1階「tekuteせんだい」の北側エリアに立地していて、店内にはイートインスペースがある。内装はずんだの黄緑色でデザインされている。「飲むずんだ」や抹茶ソフトクリームの他、ずんだを使用したの菓子や定番の喜久福が販売されている。
パスタハウス トライアングル
仙台駅1階に入居しているパスタ専門店。1985年創業。創業当時からの名物である『特製スープスパゲティ』が人気No.1。元々人気店だったが、TBSテレビの番組『バナナマンのせっかくグルメ!!』で紹介されてから昼食時の行列がさらに長くなった。
駅の東西を結ぶ道路・通路
仙台駅東西自由通路
仙台駅の西口と東口を結ぶ通路。愛称は『杜の陽だまりガレリア』。かつては無味乾燥なただの通路であったが、東口の再開発と共に幅が広がって通路沿いには商業施設が建設されたため、非常にきれいになった。しばらく仙台を離れていた人が久しぶりに仙台に来て最初に驚く場所。
名掛丁地下通路
仙台駅の西側と東側を接続する通路の1つ。1887年の鉄道開通によって寸断された名掛丁を結ぶ地下通路として、昭和初期に完成した。現在はほぼ真上に「仙台駅北部名掛丁自由通路」がある。昭和を感じる薄暗くて狭い通路で、豪雨の際には冠水する可能性があるとされる。
仙台駅北部名掛丁自由通路
仙台駅の西側と東側を接続する通路の1つ。2008年に供用開始。高架の歩道で、ペデストリアンデッキを介して周辺と接続する。「名掛丁」は町が線路で分断された歴史的な背景があり、周辺の町内会・商店街振興組合からの要望もあったため通路名にも含まれることになった。
X橋
宮城野橋の通称。線路によって分断された仙台駅の東西を結ぶ陸橋で、仙台駅の北側にある。X橋という通称は建設当初の橋の両端が二方向に分岐していたことによる。現在は再開発によって新たな橋が架けられ、分岐がなくなったが「X橋」という通称は使用されている。
仙台トンネル
仙台市中心部を東西方向に通るトンネル。2000年に竣工。仙石線のあおば通駅-仙台駅間の新設および仙台駅-陸前原ノ町駅間の地下化で建設。このトンネルによって仙石線の仙台駅、榴ヶ岡駅、宮城野原駅は場所が変わった。あおば通駅-仙台駅間は仙台駅東西地下自由通路にもなっている。
・JR仙石線連続立体交差事業(仙台地区)
仙台市中心部の立体交差事業。事業期間は1981~2000年。かつて仙石線は仙台駅東側を蛇行しながら敷設され、多くの踏切があったため交通渋滞が慢性化していた。この事業で仙台駅-陸前原ノ町駅間が地下化され、14カ所の踏切が廃止、またあおば通駅が新設された。
仙台駅西口
仙台駅の「駅前」。旧城下町の中心部および現在の仙台市の中心部に面しており、駅から商業施設、アーケード街までのペデストリアンデッキが張り巡らされている。在来線、新幹線改札ともに西口側にあり、駅としての機能、さらには仙台市街の正面玄関としての役割を担っている。
仙台駅東口
仙台駅の「駅裏」。仙台市中心部(仙台駅西口)とは異なり戦災を免れて復興計画の区域から外れたため、戦後も城下町の町割りを引き継いだ土地利用が続いていた。1970年代から土地区画整理事業で宮城野通の開通、仙石線の地下化等が断続的に行われ、徐々に開発が進んだ。
おわりに
駅周辺の商業施設は別記事で。
更新履歴
2024年10月14日:記事を作成。
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