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現代宮城風土記#34:松島の観光スポット


 本記事では現代に整備されたThe 観光地って感じのものを紹介。瑞巌寺などの寺院については上の記事を参照。

松島

 宮城県の「松島湾」にある景勝地。約260の島と丘陵からなる一帯が江戸時代から『日本三景』の1つとされ、各地に「松島四大観」などの景勝地が点在する。また和歌の歌枕として詠まれてきた。明治以降は観光開発が進み、1952年に一帯が国の特別名勝に指定された。宮城の観光地といえばココ。

松島の景色①
松島の景色②

松島海岸駅

 JR仙石線の駅。1927年に開業した。宮城県松島町に位置し、日本三景「松島」の玄関口で、瑞巌寺や円通院、松島湾を巡る観光船の乗り場などがある。またかつて駅の目の前に「マリンピア松島水族館」があり、現在は「松島離宮」がある。JR東北本線の松島駅は観光地からは遠いから注意。

松島海岸駅

どんぐり松ちゃん

 松島町の観光PRキャラクター。2001年の「みやぎ国体」で誕生した。童謡「どんぐりころころ」を作曲した青木存義が松島町内出身であるため、どんぐりがモチーフとなっている。当初はサッカーパンツを履いていた(現在は異なる)。身長は180どんぐり。好きな食べ物は牡蠣とごはん。

どんぐり松ちゃん

松島港

 宮城県松島町にある港湾施設。「仙台塩釜港」の松島港区として機能していて「松島湾」内の遊覧船などが発着する。1952年の第7回国民体育大会が宮城で開催され、松島がヨット競技会場となったことから観光港としての本格的な整備が始まった。遊覧船は3社が運航している。

松島の遊覧船

 松島の遊覧船は『丸文松島汽船』『松島島巡り観光船』『ニュー松島観光船』の3社で運営。それぞれ遊覧コースや、予約の〆切・要不要が異なる。乗船場の場所は3社とも共通で、仙石線の松島海岸駅から徒歩5分くらいの場所にある。受付は『松島海岸レストハウス』で行う。

松島海岸レストハウス
遊覧船の乗り場

寺町小路

 宮城県松島町にある道。国道45号線に並行して「瑞巌寺」「円通院」「陽徳院」「天麟院」を結ぶ道と、国道45号と繋がる垂直の道で構成され、石畳で舗装されている。寺院の合間に「水主町の民家」のような建造物や「洗心庵」のような土産物の販売店、飲食店などが並んでいる。
 寺院については以下の記事を参照。

寺町小路

洗心庵・雲外・旬海
宮城県松島町の「寺町小路」にある食事・土産処。『洗心庵』は瑞巌寺と円通院の間に立地し、宮城県内の土産物の販売や個人および団体向けの食事を、『雲外』は「円通院」の参道に面し、会席料理を、『旬海』は「天麟院」の正面右側にあり、海鮮料理をそれぞれ提供している。

洗心庵

展示施設など

松島離宮
 
宮城県松島町にある複合観光施設。「マリンピア松島水族館」の跡地に2020年に開業。松島湾をイメージした『離宮庭園』や、最古の魚竜類「ウタツサウルス」を展示した『宮城県松島離宮博物館』、ヤン・レツルが設計した「松島パークホテル」の塔を復元した『レツルタワー』などがある。

松島離宮

宮城県松島離宮博物館
 「松島離宮」にある博物館。展示は『東北大学学術資源研究公開センター』および「東北大学総合学術博物館」が監修した。東北や松島の地形・歴史、原寸大の「ウタツサウルス」の模型などが展示されている。また「ブルーインパルス」のフライトシミュレータがある。

松島パークホテル
 かつて宮城県松島町にあったホテル。1913年に外国人観光脚の招致を目的に開業。建物の設計は『原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)』を設計したチェコの建築家ヤン・レツル。1969年の火災により解体された。現在、十角三重塔が「松島離宮」の『レツルタワー』として復元されている。

マリンピア松島水族館
 かつて宮城県松島町にあった水族館。1927年に開館。日本で2番目に歴史の長い水族館だった。昭和の情緒を感じる水族館だったが、老朽化を理由に2015年に閉館し、飼育生物は仙台市にある「仙台うみの杜水族館」に引き継がれた。跡地には「松島離宮」がある。
マリンピア松島水族館の最後の日
 マリンピア松島水族館はかつて宮城県松島町にあった水族館。2000年代に入ってから老朽化や耐震化を理由にリニューアルの検討が始まった。当初は同地での再整備が目指されたが、資金や特別名勝の規制の問題で頓挫し、2015年5月10日に88年の歴史に幕を閉じた。
・マリンピア松島水族館の震災
 東日本大震災では「マリンピア松島水族館」に約1.8mの津波が襲来した。館内に海水と泥が流れ込み、水槽の循環装置が故障。飼育していた生物の約5%が犠牲となったが、スタッフによる懸命な対応により、他の沿岸部にあった水族館と比較して被害は少なかった。

マリンピア松島水族館
マリンピア松島水族館の最後の日

ザ・ミュージアムMATSUSHIMA
 宮城県松島町にある博物館。ベルギー王立博物館から譲り受けたコレクションを基に、1992年に『松島オルゴール博物館』として開館した。震災の被害で一時閉館したが2016年に再開館。またコロナ禍以降に経営環境の悪化し、クラファンを利用して経営継続を目指している。

ザ・ミュージアムMATSUSHIMA

みちのく伊達政宗歴史館
 宮城県松島町にある博物館。「伊達政宗」の生涯を、25の場面に分けて約200体の蝋人形を用いて紹介している。また発掘された政宗本人の遺骨を基に再現した政宗の顔や肉声を聞けるコーナーが設けられている。甲冑の着付け体験等も可能。『トリックアート館』が隣接している。

みちのく伊達政宗歴史館

松島レトロ館
 宮城県松島町にある博物館。大正~昭和期のゲームやレコード、玩具類、生活雑貨品、映画のポスターなど約8000点を所蔵・展示している。また『10円ゲーム』や『べーごま』『メンコ』など昔の遊びの体験も出来る。ホームページに『入館割引券』があり、提示すると50円割引になる。

藤田喬平ガラス美術館
 宮城県松島町にある個人美術館。1996年に開館。『松島一の坊』の1階に設置、運営されている。藤田喬平は東京府(現・東京都)生まれのガラス工芸家で、2002年に文化勲章を受賞している。代表作の『飾筥(かざりばこ)』を始めとした作品が常設展示されている。

藤田喬平ガラス美術館

松島城展望台
 宮城県松島町にある展望施設。元は「延福寺/円福寺/瑞巌寺」の僧坊などがあった場所で、1927年頃に『松島城観光ホテル』の建物として竣工。三層の木造模擬天守で、隣に『弐之丸』と称する宿泊棟などがあった。2003年に旅館としての営業を終えた後も展望施設として存続した。

松島城展望台

宿泊施設

松島温泉

 宮城県松島町にある温泉。2008年の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせて開発が始まった。2007年に1号泉の掘削に成功し、2008年に一般利用が開始された。泉質はアルカリ性単純泉とナトリウム塩化物泉。尚、栃木県さくら市、熊本県上天草市などにも同じ名前の温泉がある。

一の坊
 宮城県内の観光地で宿泊施設・飲食店等を経営している企業。『仙都国際観光』として創業。1951年に作並温泉、1985年に松島にホテルを開業。1952~1969年には「松島パークホテル」他、県内で複数のレジャー施設などを運営していた。近年はオールインクルーシブタイプのホテルに注力。

一の坊

ホテル壮観
 宮城県松島町磯崎にあるリゾートホテル。『松島観光開発』が「松島ヘルスセンター」を解体し、宴会場やコンベンションホールを備えた宿泊施設として、1983年に開業した。2010年に大江戸温泉物語が買収。2024年に『大江戸温泉物語Premium ホテル壮観』にリニューアルした。
・松島タワー
 かつて宮城県松島町磯崎にあった展望施設。『松島観光開発』が「松島温泉ヘルスセンター」に付随する施設として1964年に開業した。開業時には特別名勝の現状変更に関して許可がないまま建設が進み、建て直しなどが行われた。運営会社の解散や老朽化で2002年に解体された。
・松島温泉ヘルスセンター
 かつて宮城県松島町磯崎にあった観光施設。設計は海老原一郎。『松島観光開発』が、藩政時代に「高城塩田」があった場所を埋め立て、1959年に大衆浴場と娯楽施設を備えた施設として開業した。その後、老朽化によって取り壊し、1983年に跡地に「ホテル壮観」が開業した。

ホテル壮観

松島センチュリーホテル
 宮城県松島町にあるリゾートホテル。「松島湾」に面した場所に1984年に開業。スターホテルグループの1つ。レストランや宴会場、プールなどを有する。宴会場は結婚式場として、また開業から平成初期までには将棋の名人戦の会場としても利用されていた。

松島センチュリーホテル

飲食店・菓子店など

松華堂菓子店
 宮城県松島町に本店を置く菓子店。1911年に創業、1987年に会社設立。松島本店の他、仙台エスパルにも販売店舗がある。『カステラ』や『きなこサンド』などを販売。松島本店にはカフェスペースが併設。また系列に手焼きせんべいとお土産の店『松島雪竹屋』がある。

松華堂菓子店

紅蓮屋心月庵
 宮城県松島町に本店を置く菓子店。1327年の創業。『松島こうれん』を主に製造・販売している。かつて松島の富豪の息子と出羽国・潟沼の商人の娘が婚約したが、富豪の息子が亡くなったため商人の娘が尼となり、供えられた米で煎餅を焼いて村の人々に施したのが始まりとされる。

紅蓮屋心月庵

松島蒲鉾本舗
 宮城県松島町に本店を置く蒲鉾店。「笹かまぼこ」を製造・販売している。1934年に『須田商店』として創業。1970年に会社設立。松島町や仙台市を中心に、直営店やデパート、駅の売店などで取り扱われている。また総本店では笹かまぼこの手焼き・手作り体験が可能。

松島蒲鉾本舗

松島さかな市場
 宮城県松島町松島にある観光市場。建物の設計は石山修武。運営会社は「臼福本店」。1階は各地の鮮魚や冷凍物の販売スペース、2階は主に食事スペースである。また駐車場には『焼がきハウス』を併設。寿司と丼は1階で注文し、2階で提供されるシステム。鮪と牡蠣のメニューが多め。

おわりに

 水族館に思い出のある人がとても多い。

更新履歴

2024年10月4日:記事を作成。

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