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冒険の旅へ
「いつもの居酒屋でいいだろ?」
幼馴染と久しぶりに被った休日。
当然のように飲みに繰り出す。
「うーん。たまには違うとこ行きたくね?」
「違うとこってどこだよ。」
「なーんかお洒落なバーとか!」
「男二人でかよ。」
「いいじゃん。細かいこと気にすんなよ!」
「しかも、この田舎の住宅街のどこにお洒落なバーが存在すんの。」
「じゃあ、探しに出ちゃう?冒険の旅、出ちゃう?」
少年のような瞳で、楽しそうにこっちを見てくる男は、俺の記憶が確かならば、同級生で、今年25になったはずだ。
「そんな秘密基地探しにいくみたいなテンション・・・行くか!」
俺も人のことは言えない。
大の男が二人、駆け出した。
「地面に落ちてるアイテムをよく見とけ。拾い損ねんなよ。」
「回復アイテムな。」
「素材も必要だ。」
真剣な顔を作って頷き合う。
それだけで笑いが込み上げてくる。
「ああいう物陰からは、モンスターが出てくるから気をつけろ。」
「俺たち、まだなんの装備もないぜ。」
「スマホのライトで威嚇しろ。」
「文明の利器使っていいのかよ。」
堪えきれず、爆笑しながら進んでいく。
「武器が欲しいなあ。」
「俺たちはまだ金がねえよ。」
「昔、ストーリー進めてて、いい剣とか防具持ってるやつってヒーローだったよなあ。」
「そうそう!ボスの攻略法教えてもらったりな。」
まだランドセルを背負っていた頃に思いを馳せる。
あの頃の俺たちは、走るのが早いとか、勉強ができるとかと同じくらい、もしかしたらもっと、そんなことがステータスだった。
「お、着いたぞ。」
「結局、いつもの居酒屋じゃねえか。」
「いいじゃん。細かいことは気にすんなって。」
先ほどと同じセリフを吐き、さっさと店に入っていく背中を見て、昔、家を抜け出して、こんなふうに夜の町を冒険したことを思い出した。
動画を拝見しまして。
それがまた、素敵でして。
曲もこれまた、素敵でして。
そんな素敵動画の文章を募集されていると聞きまして。
図々しく書きました。
本当に図々しいし、勢いだけで書いているので、見なかったことにしていただいても大丈夫です。
楽しくて、満足しました。ふふふ。