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「令和6年能登半島地震」で伝わらないもの

 まずはじめに、題記災害の被災者の皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 さて、そのうえで──

 気象庁の命名、困ったものだ。大災害は何十年も語りつがなければならない。それを前提に命名しなければならない。
「令和6年……」という表現、令和のうちは理解されるだろう。次の元号になってもわかる人は多いだろう。
しかし、次の次、さらに次……となったとき、どうか。
 たとえば、現代人が「大正○○年△△地震」とか「明治○○年**台風」とか言われて、いったいいつの話かピンとくるだろうか。おそらく、ピンとくる人は少ないだろう。
「令和6年能登半島地震」という名前もそうなると思われる。つまり、語りつぐのにはなはだ不都合なのだ。
 西暦で「□□□□年●●噴火」などとするか、「年」も省くか、いっそ「●●噴火」だけにするのがベターだ。
 思えば、「東日本大震災」にも「阪神淡路大震災」にも「関東大震災」にも、「令和6年」にあたることばはない。そのほうが語りつぎやすい、語りつがれやすいのだ。


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