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わたしの感情



夜のお水のお仕事は、

自分の一言でお客様から好かれるし
自分の余計な一言でお客様は離れていく。


新人の女の子には怒らず、優しく導いてあげる。
ストレスが溜まったらご飯連れてって聞いてあげる。

「私」の感情は捨てて、お客さまのため。
キャストの女の子のため。


「私」の感情はどこにぶつければいいのでしょうか。


以前、自分のお客様に質問されたことがある。

「君は何が楽しみで
何でストレスを発散してるの?」

きっとその質問には特に深い意味もなく、
ただ会話の流れで聞いただけ。

普段なら

「こうやって楽しくお酒を飲むことです」

「お話することです」

等、笑って答える私だったが
なぜかその日、その時は考え込んでしまった。

ストレスの吐き場が私にはなくて
だからきっと溜まって爆発して自傷行為に走る。

優しいお客さまは黙り込んだ私に、

「今度美味しいものでも食べに行こう」

と一言声をかけてくれた。

夜のお仕事をしていれば、
心無い言葉をぶつけてくるお客様も
マシンガンのようにセクハラの言葉を話すお客様も
たくさん来ます。

それに対して笑顔は崩さず
自分の大事な部分のプライドは捨てずに
言葉を慎重に選んで返す。

お金を払ってるのはお客様で、
私たちはそれに応えなければならない。


怒り、悲しみの感情は殺さなきゃいけない。


お客様の前で泣くことはありえなくて。
どんなに辛くてもお客様が帰ったあと
1人お手洗いに行って涙を拭いて切り替えなきゃいけない。


たとえ失恋して悲しくても、
お客様やキャストの女の子が求める「私」でいる。

それがこの世界。


感情を無くすトレーニングのようなものを
ずっと前からやるようになった。

そうするとどうでしょう。


他人を信用しなくなり、期待をしなくなる。
自己主張が出来なくなる。


なんて悲しいのでしょう。


私は昔みたいに
簡単に人を好きになりたいし
考えずに行動したいし
好きなことを好きと言いたいし
嫌いなことを嫌いと言いたい


久しぶりに吐いた弱音でした。


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