見出し画像

ChatGPT 4o with canvasに日本の地価分布レポートを作ってもらう

ChatGPTの有料ユーザー向けにについ数日前、with canvasという機能がリリースされた(https://openai.com/index/introducing-canvas/)。とりあえず触ってみようということで、データの分析、レポートの作成という流れがどのようにwith canvasで変わるかを検証するため、国土交通省が公開している地価調査データをもとにwith canvasを使ってレポートを作ってみた。


GPT-4o with canvasの選択画面

ChatGPTの有料プランメンバー(PLUSやTeamプラン)はChatGPTのモデルで「GPT-4o with canvas」を選択することができるようになっている。

モデル選択にGPT-4o with canvas登場。ベータ版とのことだ。

分析対象のデータの入手

地価下記サイトから変動率及び平均価格の時系列推移表(こちらをダウンロードした。

データのアップロードと分析〜レポート作成

エクセルファイルをアップロード、あとは「日本の地価の分布です。評価してください。」という雑なプロンプトで最初の分析をしてもう。
簡単な分析をしてくれるので、次に「地域差の要因を数値に基づいて推定してレポートを作成してください」と頼むとレポート作成してくれるが、今までと変わらない表示だ。

modelをwith canvasにしているからと言ってcanvasが開くわけではなさそう

そこで、「canvasで」と頼むとcanvasで開いてくれた。

canvasで文章を開いた様子

単に見やすく表示してくれるようになっただけと思われるかもしれないが、右下に「編集を提案する」「長さを調整する」「読解レベル」「最終仕上げを追加する」「絵文字を追加する」というボタンが表示されており、ワンクリックで文章の調整が可能だ。
ちなみに、今回GPT-4o with canvasで作成したレポートの内容は以下の通り。

# 日本における地価分布の地域差の要因推定

## 1. 三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)と地方圏の地価の格差

- 三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、昭和50年から令和6年にかけて地価が一貫して上昇しています。特に東京圏の地価は他の圏域に比べて大きな上昇を示し、令和6年には平均価格が237,800円に達しています。
- 東京圏では、昭和50年の平均地価は69,000円であり、令和6年には237,800円と約3.45倍に増加しています。さらに近年の推移では、令和元年の平均地価が210,600円であり、令和6年には237,800円まで上昇し、約12.9%の増加を示しています。この急激な上昇は、首都圏としての経済的優位性と人口集中によるものです。
- 大阪圏では、昭和50年の平均地価は65,100円から令和6年には149,600円と約2.3倍に上昇しています。近年の推移では、令和元年の平均地価が137,200円から令和6年に149,600円に増加し、約9.0%の上昇が見られます。大阪圏は東京圏に次いで経済活動が集中しており、その影響が反映されています。
- 名古屋圏では、昭和50年の平均地価は31,100円から令和6年には117,600円となり、約3.78倍に上昇しています。近年では、令和元年の平均地価が103,900円から令和6年には117,600円と約13.2%の増加を示しています。名古屋圏の地価上昇も経済活動の発展とインフラ整備の影響が大きいと考えられます。
- 一方で、地方圏の地価は比較的緩やかな上昇を示しており、昭和50年から令和6年までの間に平均価格が約2.3倍になっています(14,800円から34,400円)。しかし、近年の推移では、令和元年から令和6年にかけての上昇率は約5.8%であり、上昇率は東京圏や大阪圏ほど急激ではありません。

## 2. 地域別地価上昇の要因推定

- **人口集中と経済活動の集中**: 東京圏の地価の顕著な上昇は、人口の集中や経済活動の集積が影響していると考えられます。東京は日本の政治・経済の中心地であり、多くの企業が本社を構えることから、需要が高く地価が上昇しやすい傾向があります。
- **都市圏の開発とインフラ整備**: 三大都市圏の地価上昇には、都市開発やインフラ整備が寄与している可能性が高いです。特に東京圏では再開発や新しい交通インフラの整備が進んでおり、それが地価の押し上げ要因となっていると考えられます。令和元年から令和6年にかけての地価の増加は、交通インフラ整備の効果と企業進出の影響を反映しています。

## 3. 地方圏の地価の停滞とその要因

- **インバウンドの影響**: 近年、インバウンド需要の増加により、一部の地方観光地で地価が上昇していることが確認されています。特に、北海道のニセコや富良野などは、外国人観光客の増加によって地価が大幅に上昇しています。ニセコはスキーリゾート地として世界的に有名であり、海外からの投資が流入することで地価が上昇しています。富良野でも、自然景観を求める観光客の増加により宿泊施設や観光関連の開発が進み、地価上昇が見られます。また、沖縄県も外国人観光客の増加によって観光地周辺の地価が上昇しており、令和元年から令和6年にかけての地価上昇率は約12.1%に達しています。
- 地方圏では、都市部ほどの経済発展や人口増加が見られず、結果として地価の上昇は緩やかなものにとどまっています。また、都市部への人口流出により、地方での不動産需要が低迷し、地価の上昇を抑えていると考えられます。令和元年から令和6年の間で地方圏の地価上昇率は約5.8%にとどまり、首都圏に比べて大幅に低いです。
- **地方圏の詳細な分析**: 地方圏の中でも地域によって地価の動向には違いが見られます。例えば、農業が主要産業である地域では、都市化が進まないため地価の上昇が限定的です。具体的には、秋田県や山形県、鳥取県などの農業が中心の地域では地価の上昇が限定的であり、経済成長も緩やかな状況が続いています。秋田県では昭和50年から令和6年までの地価の平均価格が14,000円から32,000円と約2.3倍に上昇していますが、全国平均に比べて緩やかな上昇にとどまっています。一方で、観光地としての需要が高い地域では、一定の地価の上昇が見られることがあります。特に、沖縄県、長野県、石川県(金沢市など)では観光インフラの整備や新たな観光資源の発掘が進んだ結果、地価の上昇率が他の地方に比べて高い傾向があります。例えば、沖縄県では地価が昭和50年の18,000円から令和6年には67,000円まで上昇し、3.7倍以上の増加を示しています。令和元年から令和6年にかけても約12.1%の増加が見られ、観光需要の高まりとインフラ整備が影響しています。
- **インフラの影響**: 地方圏でも交通インフラの整備状況が地価に大きく影響しています。新幹線の延伸や高速道路の開通によりアクセスが改善された地域では、地価の上昇が見られることが多いです。例えば、北陸新幹線の延伸に伴い石川県(金沢市)の地価は上昇傾向にあり、昭和50年の28,000円から令和6年には124,000円と約4.4倍に増加しています。さらに、令和元年から令和6年にかけての上昇率は約17.7%と高く、新幹線の効果が見られます。しかし、交通の便が悪く過疎化が進んでいる地域(青森県や島根県など)では、地価の上昇はほとんど見られません。島根県では、昭和50年から令和6年までの地価の上昇率は1.8倍にとどまっており、他地域に比べて停滞が見られます。
- **具体的なインフラ投資例**: 北陸新幹線の延伸(石川県・富山県)により金沢市や富山市の地価は大きく上昇しました。北陸新幹線は2015年に金沢まで開通し、その後も延伸が進められています。このことにより、これらの地域の観光客数が増加し、観光地としての地価も上昇しました。また、九州新幹線の全線開通(鹿児島県・熊本県)により、熊本市や鹿児島市の地価も上昇しています。
- **高速道路整備の影響**: 高速道路の延伸も地価に影響を与えています。例えば、東九州自動車道の整備により大分県や宮崎県の一部地域の地価が上昇しました。東九州自動車道は観光地へのアクセス向上に寄与し、特に温泉地である別府市や観光地である宮崎市周辺での地価上昇が確認されています。
- **都市開発プロジェクト**: 地方都市においても再開発プロジェクトが進められており、それが地価に反映されています。例えば、広島市では広島駅周辺の再開発プロジェクトが進行しており、それに伴い駅周辺の地価が上昇しています。
- **人口減少と高齢化の影響**: 地方圏の多くの地域で人口減少と高齢化が進んでおり、これが不動産需要の減少につながっています。若年層の都市部への流出により、地方では住居需要が減少し、それが地価の停滞要因となっています。特に、徳島県や高知県など四国地方の多くの地域では、人口流出と高齢化が顕著であり、地価の上昇が限定的です。高知県では、地価が昭和50年の16,000円から令和6年には28,000円となり、約1.75倍にとどまっています。近年でも令和元年から令和6年の上昇率は約6.3%と非常に緩やかです。

## 4. 地方四市の特徴

- 地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)では、三大都市圏に比べると緩やかですが、地方圏よりも高い地価上昇が見られます。このことから、地方の中でも一定の経済規模を持つ都市では地価が他の地方と比べて上昇しやすいことが示唆されます。例えば、札幌市では昭和50年から令和6年にかけて地価が平均で3.2倍に上昇しており、地方四市の中でも経済的な安定と成長を背景に一定の地価上昇が見られます。令和元年から令和6年にかけては約11.4%の増加が確認されており、インフラ投資の効果が現れています。
- **インフラ投資と地価上昇**: 札幌市では、札幌駅周辺の再開発や札幌市営地下鉄の延伸などのインフラ投資が進められており、それが地価上昇に寄与しています。また、福岡市でも、地下鉄七隈線の延伸や福岡空港の再整備などが行われ、都市機能の強化とともに地価が上昇しています。令和元年から令和6年の間で福岡市の地価は約13.8%上昇しており、インフラ整備と経済活動の活発化が影響しています。

## 5. まとめ

- 近年の地価の推移を見ると、令和元年から令和6年にかけて全国的に地価の上昇傾向が続いていますが、地域による差が顕著です。三大都市圏では東京圏、大阪圏、名古屋圏を中心に地価の上昇が見られ、特にインフラ整備や経済活動の集中がその主な要因となっています。一方、地方圏では上昇率が緩やかで、地域ごとの産業特性や人口動態、インフラ投資の有無が地価に大きく影響を与えています。また、インバウンド需要の増加が特定の観光地における地価上昇に寄与していることも確認されました。
- 全体を通して、日本の地価分布には地域ごとの大きな差があることが確認されました。特に三大都市圏における急激な地価上昇は、人口集中、経済活動の集積、インフラ整備といった要因に強く影響されています。一方で、地方圏の地価上昇は緩やかであり、過疎化やインフラ投資の遅れが大きな要因となっています。各地域の特徴を理解することで、不動産投資や地域開発の方針策定において有効な指針を得ることが可能です。また、都市部と地方部の地価格差の理解は、地域のバランスの取れた成長を促進するための政策立案においても重要な役割を果たすと考えられます。

with canvasの調整機能を使ってみる

一番見た目的にわかりやすい「絵文字を追加」してみた。

with canvas 絵文字追加

追加というか、「日本」が国旗の絵文字に置き換えられている。次に読解レベルを「幼稚園児」に調整してみた。

with canvas 読解レベル(幼稚園児)

流石にレポートの内容が内容だけに幼稚園児レベルにするのは難しかったようだ。

所感

モデル自体はGPT-4oなので、文章生成能力そのものが大きく変わった訳では無いが使い勝手が大きく向上していると感じた。ワンクリックで様々な調整ができるのが便利なのはもちろんだが、文章の一部を直接編集したり、文章の全文を常に表示させておける点が特に使いやすい。これまでは、文章の調整をする場合は、調整の都度すべての文章を再表示させていて、どこが変わったか分かりづらかった。今回のcanvasでの編集は、常に文章が表示されているので大幅に文章調整や編集の使い勝手が向上したと思う。コード編集についてもwith canvasを使ってみたが、常にcanvas上に表示されていることは大幅な使い勝手の向上だと感じた。文章作成やコード生成のハードルを下げ、多くの人が文章作品作りやプログラミングを行うきっかけになるのではないかと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?