新卒で入社した会社を1年半で辞めた話
今の人生に何の不満もない!と言い切れる人は、どのくらいいるのでしょうか。
私と同じ20代の方々をはじめ、仕事や人生に悩む人は多いのではないかと思います。やりたいことがわからない、仕事が面白くない、職場の人間関係が嫌だ…など、その要因もさまざまでしょう。
私も例に漏れず、その悩みを抱える一人です。そして新卒入社の会社を1年半で退職するという決断をしました。
今回は、私が退職の決断に至った経緯についてお話していきます。
1.家族から喜ばれるような大手企業に入社
私が勤めていたのは、いわゆる大手企業に分類される会社です。何をもって大手企業というのかはいろいろあると思いますが、全国各地、さらには世界各国に拠点があり、従業員数も数万人という規模ですからその点は間違いないでしょう。
大学卒業後、新卒で総合職として採用していただきました。
仕事内容としては事務系の仕事全般だったり、顧客対応、ちょっとした営業をしたりしました。
内定をもらった時には親や家族に喜ばれ、安心だと言ってもらえるような会社。今後のキャリアを考えても、いろんな経験は積めそうだし、それなりの給料も期待出来て悪いようにはならないだろうな…と思えるくらいには、充実した環境だったと思います。
ただ、そんな会社に対して入社直後からずっと抱き続けてきたギャップやキャリアに対する考え方の変化など、挙げるとキリがないくらいの要因が重なって、退職という決断をしました。詳しいことについて、次項からお話ししていきます。
2.ん?なんか違うぞ…入社直後から覚えた違和感
私は東京で大学時代を過ごし、就活をしました。採用選考を受けて内定をいただいたのも東京本社でした。しかし入社後に私が配属されたのは、遠く離れた九州のとある事業所。
もちろん、最初から華のあるところで働けるなんて思ってはいませんでしたし、採用の段階では悪い部分なんてそうそう見えないものだということも分かってはいたつもりです。ただ、いざ着任してみて東京と地方でここまで印象が違うのかと、軽くショックを受けたことは事実です。
具体的には、社員のモチベーションが違うということ。みんな「やらされ感」で働いてるなあ…と感じたことを覚えています。私のOJTとして仕事を教えてくれる上司は、歳が50代。親とほぼ一緒です。悪い人ではなかったですが、「よくこんな会社入ったな~笑」みたいな発言があったり、よく仕事中にイライラしてたり。そのほか課長や所長を見ていても、仕事に振り回されてどこか嫌々やっている感じがありました。
あれ、俺も将来こうなっちゃうのかな?と思うとすごく嫌な気持になった、というのが入社直後の違和感です。
それから退職するまでの1年半の間、この「嫌な気持ち」は消えることなく、むしろ強まっていきました。
そんな環境で仕事をしているのはマズいという、ある種の危機感に駆られて退職を考え始めたとも言えます。
3.会社員って、こんなに息苦しいのか
職場の雰囲気だけでなく、業務内容そのものに対しても苦痛を感じるようになるまでそう時間はかかりませんでした。最も私が苦痛に感じたのは、仕事をするうえで「基本的に自分の意志は関係ない」ということです。
OJTの上司から仕事を教えてもらうとき、何度も「あなたの考えはいらないから事実を確認しなさい。お客さんの話を聞きなさい。」と言われました。もちろんそれは重要で、自分の思い込みで仕事を進めると時には大きな問題を引き起こすということも分かります。ただ、私としては押さえつけられている感じがしてとても息苦しさを感じました。
これは会社が大きいが故の風潮だと思いますが、仕事を進めるうえで基本的には会社の方針に従い、上の承認を取ってから動きます。担当する細かな業務については自分の裁量で決定できますが、それも顧客の求めることに沿えるよう調整するだけのことです。
結局のところ決められた枠の中で、上からの指示や顧客からの要求に振り回されているだけ。自分はどう感じるのか、どのように進んでいきたいのか…そういった意志を持つ気すら失せていきました。
4.コーヒーとの出会い 人生をかけてやってみたい
ここまでマイナスなことばかり書いてきましたが、退職を決めた最大の理由はコーヒーの道に進みたいからで、めちゃくちゃプラスな理由です。
そんなコーヒーとの出会いについては無限に語れるので、ここではざっくりとお話しします。
ある日ビビッと運命的な出会いをしたというよりは、何となく好きだったはずがどんどん沼にハマっていって、戻れないところまで来てしまった。という感じです。
もともと飲食店とかカフェは好きで、いろんなところを巡っていました。
そして生産地にまで思いを馳せられるシングルオリジンコーヒーの魅力に気づいてからは、寝ても覚めてもコーヒーのことばかり考えるようになり、ついにはインドネシアのコーヒー農園を訪れるにまで至りました。
そんな経験をしてからは、もうコーヒーが趣味では満足できなくて、人生をかけてでもやってみたいと思うようになりました。
そこからいろいろあって、今の日本のコーヒー文化をけん引するようなお店にスタッフとして採用していただくことが決まり、迷わず退職を選んだということです。
5.結論、「今の仕事が嫌」×「やりたいことができる環境が見つかった」から辞める
まとめると、プラスとマイナスの二つの要因が重なったタイミングで退職を決断したと言えます。
私の場合は、プラス要因がコーヒーに携われる次の進路が決まったということで、マイナス要因は今の仕事を続けていく意欲を持っていなかったということです。
どちらか一つだけの状態では、退職という決断は大きすぎると思います。
マイナス要因(今の仕事が嫌)だけでは、その後の方向性も定まらないまま次の進路を探すことになるので、そもそも次が決まらない、決まったとしてもまた同じ状況に陥る可能性はかなり高くなってしまうでしょう。
逆にプラス要因(コーヒーやりたい)だけだと、もったいない判断だと思います。新卒で大手企業の総合職として入社しているので条件は恵まれています。多くの業界と関わりを持ったり、転勤していろんな場所で仕事をする経験をしたりできます(海外勤務も視野に入れていました)。それらを通し、一社会人としての幅は大きく広がる可能性があったのではないかと思います。
だから、仕事に対しての意欲があるのなら、入社1年半という早いタイミングでこの環境を手放すのはもったいないです。コーヒーの道に進むのはもっと後からでもできます。
それでも私が退職を選んだのは、動くタイミングは今だと確信できたからです。コーヒーに対する熱量は高まり続けており、今後は素晴らしい環境でコーヒーを極めることができる。そして現状、一刻も早くこの環境を変えたいという気持ちがある。この状況を踏まえると、退職するという選択以外考えられませんでした。
この判断が正しいのかそうでないのか分かるのはまだ先になります。
ただ、今の私にとって最も魅力的な道を選んだことは間違いないです。それに伴う困難や解決しなければならない問題もありますが、それらを乗り越えて初めて理想に近づくのだと考えています。
以上、退職を決めて次へ進む経緯について綴ってみました。
次回以降はコーヒーやその他、私の好きなことについて深堀りして書いてみたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。