絵本「SHAKE,RATTLE &ROLL」の前文
アメリカで出版された子供向けのロックンロールの絵本がある。歴代のロックンローラーが可愛い絵で紹介されている。そしてロックンロールとは?を解説する前書きが素晴らしい。大衆音楽への愛が感じられる。
1950 年代の昔、ロックンロールと呼ばれるあらゆることがひっくり返るような音楽界の大地震があった。しかしながら、このワクワクする音楽は一夜にして起こったものではなく、数世紀を経て形成されたものだった。数百年前にアフリカを起源とする古代リズムが奴隷船によってアメリカにやってきた。詩的なメロディーはヨーロッパ移民と旅してきた。その後、黒人と白人が一体となって働く南部や南西部で互いの伝統的な音楽を聴き、リズムとメ
ロディーが結実することになった。20 世紀の初めには、アラバマの教会でコール&レスポンスでゴスペルが歌われ、ミシシッピーの綿畑ではブルースを唸り、テキサスのダンスホールではカントリー&ウェスタンで騒ぎ、アパラチアの山の上ではバンジョーとフィドルの民謡が奏でられ、シカゴの熱い場所ではリズム&ブルースで踊り狂った。
その後ミュージシャンはこの何でもあり音楽を聴いて育つころになった。1950 年代若い黒人や白人アーティストはそれらを全て混ぜ合わせてロックンロールに料理した。ピリッとした音楽シチューはティーンエージャーの間で巨大なヒットとなり、特にエネルギッシュなダンスビートとノリの良い歌詞が愛された。ロックンロール人気はあっという間にコンサート、ラジオ、テレビ、映画、ジュークボックス、レコードプレーヤーによってアメリカ
中に広がった。ある町では、警察官、政治家、説教者、親たちは、ロックンロールのクレージーなリズムや汚い歌詞は子供に有害だとして除外しようとした。しかしながらロックンロールは新たな世代の音楽として生き残った。
今日、この本に載っている曲をロック評論家はごく初期のものだと主張し、14 歳ぐらいの男女は常に自分たちの文化は変化し続けるという。私たちが今日聞くポピュラーミュージック―ラップからカントリーやメタルまで―のほとんど全てはロックンロールの発見者たちに遡ることができる。先祖のチャック・ベリーは「称えよロックンロール Hail,hail,rock& roll」と歌っている。
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