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カフェ・オ・レ日記20241107

深煎りのマンデリンを勧められるまま買ってみた。いつもの牛乳コーヒーだが、苦さが前面に出てきた。苦いのは嫌いではないが、私としてはやわらかいミルクコーヒーの奥に少しビターが残る程度が好ましい。慣れると味わいも変わるかもしれない。マンデリンは嫌いではないのでストレートでも試してみよう。新たな試みの豆100gを無題にはしたくない。 しばらくぶりで親しい友人と集合。さて何を食べようか?となったが、今時は貴重なサンマに誘われ、3人とも同じランチ定食を頼んだ。瓶ビールを酌み交わしながら

    • 絵本「HONKY-TONK HEROES & HILLBILLY ANGELS」の 前文

      表題「HONKY-TONK HEROES & HILLBILLY ANGELS ー The Pioneers of Country & Western Music」を直訳すると「安酒場の英雄と田舎の天使 ー カントリー&ウェスタン音楽の先駆者たち」となる。この絵本は子供を対象としているが、その解説は実にしっかり大衆音楽の本質をとらえている。アメリカの子供たちが羨ましい。 ホンキートンクとかヒルビリーという言葉は、都市の洗練された文化と正反対の、うらぶれた荒っぽい西部劇の酒場

      • 絵本「SHAKE,RATTLE &ROLL」の前文

        アメリカで出版された子供向けのロックンロールの絵本がある。歴代のロックンローラーが可愛い絵で紹介されている。そしてロックンロールとは?を解説する前書きが素晴らしい。大衆音楽への愛が感じられる。 1950 年代の昔、ロックンロールと呼ばれるあらゆることがひっくり返るような音楽界の大地震があった。しかしながら、このワクワクする音楽は一夜にして起こったものではなく、数世紀を経て形成されたものだった。数百年前にアフリカを起源とする古代リズムが奴隷船によってアメリカにやってきた。詩的

        • カフェ・オ・レ日記20241101

          まだ暗い早朝、台所の照明を点けてやかんをコンロに。棚から豆とミルを取り出してコーヒーの準備。朝のルーティンというやつですね。これをやらないと朝は始まらない。と言いつつ、朝型の私の頭は既にクリアで新聞もスマホのメールもしっかり確認できる。これから寒くなると、この儀式もエアコンが優先される。タイマーという便利な方法もあるが、貧乏性の私はどうも躊躇してしまう。 古いアメリカの大衆音楽が好きで、レコードだけではなく写真集なんかも見つけると欲しくなる。最近もアメリカのARHOOLIE

        カフェ・オ・レ日記20241107

          モヤシの髭

          モヤシを水洗いするとその細長い髭が気になり、つい髭取りを始めてしまう。取っても取っても無くならない。そろそろもういいかと思った瞬間、水に浮かぶ新たな髭を発見する。なにやらモヤシの髭の魔力に吸い込まれ、作業を止められなくなる。 香港には街市(ガイシ―)という公共マーケットがある。血の滴る生肉がぶら下がり、肉になる前の鶏が籠の中でバタバタしている。秋も深まれば蛇も並ぶ。そんな市場の野菜売場の片隅で、老婆がモヤシの髭を丹念に取り払っていた。一日中モヤシと格闘しているのだろうか、黙

          モヤシの髭

          サウナ的健康香港生活

          香港の夏は厳しい。街に一歩出ると不快指数が体にまとわりつく。写真で見る香港は高度な近代都市だが、熱帯環境は写真では分からない。灼熱の外部から瀟洒なショッピングセンターに一歩入ると、空調が寒いほど効いている。まるでサウナ室から冷水に飛び込んだ気分だ。その瞬間は熱した体が一呼吸して気持ちが良いのだが、徐々にその冷気が皮膚を通り越して骨まで達しようとする。多くの香港施設はエアコンではなくクーラーだ。湿度を落とすために室内温度を極端に低く設定している。 香港は日本を追い抜いて世界の

          サウナ的健康香港生活

          カフェ・オ・レ日記20241026

          年寄りは朝が早い。ユニクロの柳代表も5時起きらしい。私も同じようなものだ。柳さんは7時に出社らしいが、ご苦労なことだ。私は暇な隠居暮らし。パジャマ姿で顔を洗って、コーヒーを淹れる。電動ミルの下にタオルを敷いて騒音防止。ガリガリシュルシュル朝の始まりの音。柳さんは朝食を食べるのかな?お手伝いさんが用意するのか?コーヒーぐらいは飲みそうだな。どうでもよいことだが・・・。部屋がコーヒーの香りで満たされる。気分の良い朝だ。ポストの朝刊を取りに行く。 今週は選挙だ。選挙カーは昔ほどう

          カフェ・オ・レ日記20241026

          カフェ・オ・レ 日記 241017

          朝コーヒーを淹れようとしたら牛乳がなかった。冷蔵庫には豆乳があった。どこかで豆乳ラテというのを飲んだことがあった。どうにかなるかな。コーヒーと大豆だから豆と豆の競演ということか。体には良さそうだが、果たして飲めるものになるのだろうか。結果としては悪くなかった。牛乳と比べて豆乳はコーヒーの苦みを隠さないため、やや苦みの利いた味になった。豆乳臭くもなく、けっこう悪くない。牛乳の甘みに隠される微かな苦みが好きな私だが、毎朝のことだし、たまには珈琲豆乳、カフェ・ソヤもよいかもしれない

          カフェ・オ・レ 日記 241017

          ロードバイクの情景

          ロードバイクで坂を登る。坂は右にカーブし、その先が山林に隠れて見えない。峠だろうか。いや、そうであってほしい。そう思うが多くは裏切られ、更なる登り坂が続く。落胆する気持ちを整理し、再度挑戦者として登り坂に挑む。長く見通しの良い登り坂。500mぐらいあるだろうか。力強く登る人、かなり疲れている人、小さな後ろ姿が見える。先方に一人、手押しで歩く人がいる。苦しい。私の足も限界に来ている。峠はまだまだ先だ。あ、その瞬間、両手はブレーキを掴み、両足のビンディングを外し、素早くサドルから

          ロードバイクの情景

          カフェ・オ・レ

          毎朝自分でコーヒーを淹れる。外出できないので、息子にコーヒー豆を頼んだ。最近はグァテマラの浅煎りがお気に入りだったが、なぜだか深煎りが欲しくなった。息子は上物のフレンチローストを買ってきてくれた。板前の息子は食い物については外さない。黒々と輝く豆はいかにもスモーキーな姿をしている。たっぷりの牛乳にドロップしたコーヒーが混じり、ブラウングレーの温かいカフェ・オ・レが出来上がった。ミルクコーヒーの柔らかい口当たり、そして心地よく残る深煎りの苦み。あ、これはパリの朝だ。取っ手の無い

          カフェ・オ・レ

          Martin B style マンドリン 1922

          マンドリンをやってみようか、そう思った。長年ギターに親しむ私だが、他の弦楽器を試みたことがなかった。そういえば、リヴォン・ヘルムはドラムセットを離れたときにはよくマンドリンを手にしている。ベースメントテープスのレコードジャケットではマンドリンをフィドルに似せて抱えるディランがいる。おそらく同じだろうマンドリンを抱えるリヴォンの写真もある。 調べてみると、それはマーチン社のフラットマンドリンだった。マンドリンと言えばギブソンが人気で高価だが、マーチンのマンドリンはやや安価で手

          Martin B style マンドリン 1922

          Gibson L-37 1940

          何やらよく分からないが古いFホールのギターがジャンクとしてネットオークションに出ていた。ヘッドのマークはGibsonのように見えるが、PC画像ではよく分からない。ボディー表面は上塗りされているのか、それが失敗したのかボロボロの雰囲気だ。毎日見ていると、だんだんその気になってきた。こいつを蘇らせたら面白い。思い切って落札した。 ケースは無くプチプチシートにぐるぐる巻きにされたギターが届いた。どういう意味があったのか、ネックもボディーも中途半端に塗装されていた。ヘッドのGibs

          Gibson L-37 1940

          Martin 0-17NY  

          神保町で友人と待ち合せた。飲み屋に行く前にギター弦を買いたいという友人に連れられて、イシバシ楽器店に入った。魅力的なギターが並んでいる。手頃な価格の 0-17NYに惹かれた。トップにひび割れがあるため安価だという。手に取って試してみると音に支障はなかった。ひび割れは注視しないと分からない程度だ。0-17NYはギター黎明期のクラシックで端正な姿をしている。最もマーチンらしいギターだという人もいる。私はマーチンを1台持っていたが、2台目は0-17が良いと思っていた。出会いは突然や

          Martin 0-17NY  

          Guild D-35

          癌と戦っていた友人が亡くなった。遺言により、彼の愛用ギターが私の手元にやってきた。長く生きているとこういうこともあるのかと感慨深かった。生前の友人から、いざという時には受け取って欲しいと言われていたが実感はなかった。いくつかあるギターの中にGuild D-35があった。1970年代までのGuildは、マーチンやギブソンと並ぶ高級ブランドだった。私はウッドストックフェスでリッチー・ヘブンスがかき鳴らす姿に度肝を抜かれたが、それがGuildだった。堅牢なギター!そういう印象だった

          フラットマンドリン Gibson A-40

          ネットオークションで好みのフラットマンドリンと出会った。A型でFホールのフラットマンドリン。トップのブロンド色が魅力的なGibson A-40 は1950から1970年に販売されたビギナー用のフラットマンドリン。経年の古びた姿がなんとも魅力的に見えた。 首尾よく落札すると、ガムテープにくるまれた梱包が届いた。ステッカーだらけの古びたハードケースを開くと、ほこりにまみれたブロンド色の姿が表れた。おそらく半世紀の間に複数人のプレーヤーの相手をし、何の因果か日本に飛び、それが私の

          フラットマンドリン Gibson A-40

          ブギウギ音楽事情

          毎朝の「ブギウギ」が楽しみだ。笠置シズ子の生い立ちを辿る朝ドラから、日本の大衆音楽の成り行きを見ている。笠置+服部のブギウギはビートルズ世代の私にも通じるパワーがある。「ブギウギ伝説」「ジャズで踊って」といった書籍を読んでみると、高度成長時期、ビートルズに感化された若者同様に、戦前戦後もジャズと呼ばれたアメリカのポピュラー音楽に感化された若者たちが大勢いた。時代は異なるものの、人々の音楽への情熱は変わらないものだと再認識している。 音楽は耳に聴こえるが目には見えない。だから

          ブギウギ音楽事情