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祭りの後に『世界伝統のマスター馬鹿』を思う

 ロッキンの翌々日から労働の日々に戻った。宮本浩次のソロコンサートでは毎回、天上階の席だけれど、今回は前方のど真ん中で観ることが出来た。会場内のお祭り気分も味わえたし、エレカシ、宮本浩次ファンなら知る人も多いリー中川さんにもバッタリ遭遇して、思わず声をかけて少しお話しも出来た。そんな浮かれた気分から一転してのド平日は辛い。今週はエレカシのステージを脳内で反芻しながら過ごした。

前方ど真ん中に当選!
持参のテント内でランチ
フェス飯はチキンガパオ丼と
ローストビーフ丼
お土産はロッキンガチャ
なぜか色味が揃っている…

 そして、エレカシのライブの後は『自分が男だったらなー』と男性ファンを羨ましく思ってしまう。ロッキンの時も、心の奥の中年男が騒ぎ出したし、エレカシは私の男性性を刺激するのだろうか?そして、働く中年男として聴いてみたいのが『世界伝統のマスター馬鹿』以前ロッキンでも披露した曲。女の私でも仕事で激務が続いてヘロヘロの時に聴くとグッとくる。曲中の「成る程どうした それからどうした」なんてところは宮本浩次と膝を突き合わせて話しを聞いてもらっている気分になるし、この曲にそそのかされて高飛びしたい衝動にかられる。きっと、男性だったら尚更だろう。

 現在の部署で6ヶ所目となり、約5年毎の定期異動をしながらたくさんの中年リーマンを同僚、サポート役として見てきたけれど、平成時代のサラリーマンはホント報われない…と思うことが多かった。昭和の高度経済成長期、バブル期は過去となったドン詰まりのような時代で、多くの会社がなんとか外面だけ保っているように見える。それに、仕事のメインはコスト削減とコンプライアンス遵守活動か?と思う位にキュウキュウに締め上げ、何かを生み出すには適さない環境で成果を求められても無理だろう…と思う。現場を知らないトップダウンの業務改善は現場には改悪になっていることも多い。また、そういった事を問題提起すると簡単に飛ばされてしまう恐怖政治のような体制が企業というものらしい。パワハラやサービス残業も問題になる事もなく普通にあったし、こんな中で来る日も来る日も結果を求められたり、出世や自己実現を望むリーマンは病むよなぁ…と思う。それでなくても、人件費削減で人員は減り1人が抱える業務量は増える一方だし。

 そんなこんなで『世界伝統のマスター馬鹿』なる中年男を思う。

『どうしたんだ お前なにやってんだ』の呼びかけから始まるこの曲は、中年の危機そのものみたい。しかも、そんな中年男を『世界伝統のマスター馬鹿』と一蹴しつつも『どうしたって世界伝統のマスター馬鹿』とも認めてくれるところに救われる。そして、この曲の重量感ある音と声が中年期の重圧を抱えたギリギリの心と同期してしまう。

 それにしても、この『世界伝統のマスター馬鹿』というタイトル。いつも秀逸過ぎる…と思う。


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