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完全栄養食をつくる「ベースフード」について

こんにちは。STANDの宮原です。

今回は、完全栄養食をつくる「ベースフード」について記載したいと思います。

ベースフードとは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」というビジョンを掲げ、一食に必 要な栄養素を全てバランスよく摂れる、完全栄養食のパンや麺、クッキーの開発、販売を行なっ ている会社です。 当初はオンライン販売のみだったところから、最近大手コンビニエンスストアのファミリーマートに 展開をし、一気にその認知度を拡大しました。

今回はNewsPicksの「デューデリだん!」で取り上げられた、インタビューをもとに、当社の取り組 みや日本人の健康について考えていきたいと思います。

◆ベースフードのはじまり

ベースフードは社長の橋本さんが、当時渋谷のIT企業で働き、毎日朝から晩まで夢中で仕事をし ているなかで、夕食はすぐにおなかを満たせるカレーやラーメン、コンビニのごはんもしくは、時に 入る会食や懇親会によって栄養バランスが崩れていると実感したところから始まりました。このよ うな生活が続くと、健康診断の結果が少しずつ悪くなっていき、不安感を覚えたそうです。
しかし栄養バランスのよい食事が大切だとわかっていても、仕事終わりに自炊をする余裕はなか なかありませんでした。それに、どの食材をどれくらい食べればいいのかもわからない。仕事と栄 養の両立の難しさに頭を抱えました。 そんなある日、毎日食べる“主食”の栄養バランスがよければいいのでは?と思いつきます。そう すれば誰でも簡単に栄養バランスのいい食事がとれるのではないか?と考えました。 そこで、まずは自らが好きだった麺で、飽きずに食べ続けられて、どんなおかずにもあうものをつ くり始めたのです。
その後、マクアケでベースパスタのクラウドファンディングを開始します。これがベースフードのは じまりの物語です。

◆サブスクの採用からコンビニへの展開

ベースフードは麺から、次にパンの開発、さらにはクッキーとバリエーションを増やしてきました。 「健康的な食生活は続けないと意味がない」「健康になるためにやってるのだから、信じて買って もらうのが1番良い」という考えから、サブスクリプション制度を当初は採用します。そのほか1個 単位で販売しなかった理由としては、配送費が高くなってしまうからというのもあるそうです。
一方で理想は継続だけど、やはり試しに1個食べたいというニーズもあったのは確かで、ECであ る程度認知を拡大したのち、コンビニ展開へと進んでいきました。

コンビニで買ってくれる客層としては、都市型の人たちでお金には余裕があるけど、時間には余 裕のない、しかし食事は楽しみたいという層。そういった層がコンビニに健康なものがあるとは感 じていないのも確かでした。特にパンで栄養価が高いものは少なかったところに目を付けます。

1個売りをするデメリットは特に感じておらず、商品力が高くなった段階で置いているし、さらに高 みは目指していると言います。コンビニに置くようになった後としては、新しくチョコパンが出たとき に、菓子パンで栄養価の高いという点で注目され、評価が上振れしたそうです。

◆継続率を上げる

売上単価の低い食品においては、お客様の継続率というのを必ず考えなくてはなりません。それ もあり、サブスク制度を採用していたとのことですが、その継続率は半分以上でした。継続率とLTV(Life Time Value ある顧客から生涯にわたって得られる売り上げの総額。生涯顧客価値)を いかに上げていくかが今後も課題であり続けます。

個人的にも、バリエーションがあるとはいえ、毎日完全栄養食の麺やパンを食べ続けられるかと いえば、厳しいなと思ってしまう節があります。
そこで、ベースフードでは継続率を上げる対策として、ベースフードを続けた人だけが入れるファ ンコミュニティをつくっています。加入数は1.5人ほどで、完全栄養食を使ったアレンジレシピを共 有しているそうです。
こういった戦略のおかげもあってか、パンの種類が増えたのとクッキーが出たときに1000万食を 突破しました。しかし、橋本さんは人口1億人と考えたとき、2000万食さらにそれ以上までには増 やしたいという高い目標を掲げます。
毎日食べ続けることはできなくても、家庭に常に常備しておき、従来のカップラーメンや一般的な 菓子パン、ポテトチップスがベースに置き換わる未来が理想的だと私も考えます。また、災害の 多いこの国では非常食としてのポジションも確立し、実際に災害が起きた際に提供できるような 食品のひとつにもなればいいなと思いました。

◆競合について
最近、競合として上がってきているのが日清食品です。ベースフードと同様、完全栄養食の開発 に取り組んでいます。しかし、ベースフードが全粒粉やチアシードといった自然由来のもので健康 基準を満たしているいっぽうで、日清食品はビタミンを麺に注入してたりと、どちらかというと化学 的な方法で、サプリメント的なポジションをとっているのが特徴です。既に300種類のメニューの開 発段階にあります。
このことに対し、橋本さんが言うのはやはり「栄養も大事だけどその栄養価を実現させるのに使う 材料も大事」ということです。また、大手の方が金銭的なリソースが大きいかつ、数十年蓄積され たノウハウもありますが、大事なのは一人ひとりのタレントや熱量だと思っています。大手が勝て ない土俵で戦うことで、炭水化物の新しい分野においては1番という状態をつくりたいと考えてい るとのことです。味に関しては、味の素と提携することで日々ブラッシュアップをしています。

◆今後の展開
2020年からサンフランシスコにも拠点を構え、アメリカにも商品を展開してきました。現在は新型 コロナウイルスの影響もあり、一時サンフランシスコからは撤退しています。しかし、日本人が美 味しいというものは海外でも美味しいと言われるということが分かったことから、まずは日本人に 喜んでもらえる商品をつくるということを念頭に置き、ゆくゆくは改めて海外を視野に入れていき たいとのことでした。
また、今現在は完全栄養食の主食を開発・販売していますが、健康のためにやらないといけない ことは食事以外にもあると橋本さんは考えています。主食の分野で健康を追求することはある程 度できてきたので、今後はさらに健康を当たり前にするために運動や睡眠についても領域を広 げ、できることをしていきたいという意志がありました。

◆まとめ
これまでも、オンラインの市場でインフルエンサーマーケティングなどを活用して認知を拡大して きたベースフードですが、コンビニ展開をしたことで販売コーナーを持ち、リーチしていなかった層 にも一気に「完全栄養食の主食」というポジションを広めました。

都心の食生活の中心がほぼコンビニエンスストアになっている今、加工食品(食品添加物)の健 康被害は今後もさらに拡大していくと思われます。その中で、ベースフードは普段の食生活や、 摂取する食品の素材そのものを見直す一つのきっかけにはなるのではないでしょうか。主食にと どまらず、健康のために睡眠や運動についても取り組んでいこうとするベースフード、今後も注目です。

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