うつ病勇者。
何回か書いているが、うちの息子はうつ病治療中だ。
そんな息子とあたしはたまにドライブに出かける。この息子と二人きりのドライブが最高に好きだ。
息子とは音楽の趣味も一緒なので、最近好きな曲とかを教えて貰いながら、走る。
そんな時のふとした会話。
「あたしさぁ、子供の時、くの一になりたかったんだよね。」(←めっちゃ運動音痴)
息子「わかる!俺も勇者になりたかった!」(↑こいつうつ病治療中)
「だからさぁ、近所の神社とかで修行してさぁ。相手は木だけどね。大きい木に気に入った枝もってさ。戦ってた。」
息子「だよね!だから俺もよく木の枝とか振り回してたんだもん!」
「あー!確かによくなんか持ってたよね!あれ、勇者の修行だったんだ!」
親子で同じことしてるってめっちゃうけるー!!
だってね、強くなりたかったんだもん。
頭もよくないし。
運動も出来ないし。
それでもあんな。人を見下すように生きてる人達を見返して。
文句を言って、人を傷付けることしか知らない人達と。
共存なんかしなくてもいい。
一人でも生きていけるぐらい、強くなりたかったんだ。
でもね、あの時修行だといって、あたしにビシバシ叩かれた、近所の神社の大木。
ごめんなさいね、痛かったでしょう?
それでもあたしを優しく見守ってくれてありがとう。
あたしの対して強くないキックとかも黙って受け止めてくれてありがとう。
おかげさまで、同じような志しを持つ息子といつも笑って過ごせております。
あたしはくの一になりたかったけど、息子は勇者になりたいと言っています。
しかも勇者です。あたしより志しが高いです。あたしはどちらかというと陰から敵を襲ってやろうとか色仕掛けで何とかしようという気満々のくの一を選びましたが、彼は様々な敵の前に勇気を持って立ち向かう!勇者です!
どちらも頭もよくないし、体力もないし、運動もいまいちで武器も木の枝です。
それでも!
こんなバカな事を言い合える息子や娘がいて。
いつも笑いながらなんとか生きにくい世の中を泳いでいます。
…くの一はなんとかの術で水のなかを泳ぐけど、勇者って泳ぐっけか?まぁいいや。
…泳ぐのって武器、邪魔だな。やっぱ武器要らねーや。
こんなあたしですが、こんなあたしだからこそ、子供達はなんでも言ってくれると思う。
「なんだかんだ言っても母さんは強いと思うよ」
こんなことをストレートに斬り込んで言ってくれる、うちの息子。
ほんとは強いんじゃないんだ。あなた達がいたから強くなれたんだ。
「ほんと、母さんが俺の母さんで良かった。」
その言葉であたしはもっと強くなれる。
そんな魔法の言葉をくれる。
そんな君はあたしにとってはちゃんと勇者なんだ。
…明日、カッコいい木の枝を一緒に拾いに行こうな。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!