![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77000518/rectangle_large_type_2_cdcbf017f6bb078e5ab30af33a4d8e4b.jpeg?width=1200)
離婚届出す時もできれば2人で行った方がいいみたいです
2021年2月1日
私たちは離婚しました。
私は13時まで仕事の日で、歯医者は休み。
私は引っ越し、歯医者は開業を2ヶ月後に控えていたため、『新生活』の準備に、お互い文字通り追われていた。当時のカレンダーを見ると、ほんとに毎日、タスクがぎっしりと詰め込まれている。マルチタスクではない私が、よくこれをこなしたな、と感心してしまう。
結婚も離婚もある勢いでしたんだな。
今、思うのは結婚はただの『システム』で、私たちは多くの作られたそのシステムの中で踊らされているということ。
結婚をシステムとして使いこなせるか。
それは自分の人生に必要なシステムなのか。2人できちんと考えて、選ぶ必要があると思う。
博士とは現在事実婚状態。
夫婦別姓が世の中に開かれれば、結婚してもいいかなと思ってはいるが、博士としては『関係に甘えたくない』という考えがある。私としても、2人の関係性において、彼が『夫』で、私が『妻』というのは何だかしっくりこないのだ。
だからたぶん結婚しない。
博士はずっと『子どもがほしい』と言っているので、2人の間に子どもができた場合については、どういう制度を使うのかという社会的な話と、呼び方はどうするかなど日常生活レベルの問いに対して、ひとつひとつ丁寧に決めていきたいと思っている。
(ちなみに『呼び方』について困っているのは、今いる2人の息子達は歯医者との子で、子ども達は歯医者を『パパ』、博士のことは『〇〇くん』と呼んでいる点。ここで博士との間に子どもが生まれると、その子は毎日、兄弟を感じて育つわけで、その兄弟が日常で使っている『言葉』を学ぶ。関係性の概念なんて分からないから、血のつながりのある実の父親のことを『〇〇くん』と呼び、歯医者のことを『パパ』と呼ぶ可能性があるのだw 今年のお正月に、博士と歯医者と3人で『それウケるよね』と、来るかもしれない可笑しな未来について笑い合った。)
話は脱線したが、当時住んでいた市役所に午後から一緒に向かう。
車の中で色々話している時に歯医者から
『親父とおかんは2人こと(私と博士)良くは思ってないよ。だけど、子どもを育ててくれるわけだし、2人がこれからやっていくこと(町おこしやコミュニティづくりなど)を俺が伝えて繋ぐんだな。悪く思われてるんじゃ面白くない。』と言ってくれた。
なんていい旦那を持ったんだ…(今から離婚するけどw)と、涙が止まらず歯医者をまた戸惑わせる。これから書類を提出しに窓口に行くのに、涙目じゃ色々ややこしい。
そうこうしているうちに市役所に到着。
番号札をもらい待つ。
担当してくれた職員さんは、とても物腰の柔らかい男性だった。離婚届を受け付ける担当だから、もっとシステマチックでたんたんとしているかと無意識に想像していたから、なんだかとても印象に残っている。
『ご離婚される時にお二人揃われるのはとても珍しいです。』
そのようなことを言われた。
具体的な数字は忘れてしまったが、当時その市で月間に離婚する数に対して、2人で届けを出しに来るのはほんの数パーセントらしい。(たしか40〜50組中、1〜2組とかだった記憶)
私としては婚姻届も2人で出したんだし、離婚届だって2人がいいよねと思っていたし、その時の空気感とか、もちろん色んな手続き上説明される話とか、そういうのを一緒に共有したかった。
歯医者は基本『いいよ』のスタンスなので、とくに抵抗もなく自然に一緒に行く形になった。
役所の担当の方からの説明で、2人で一番驚いたのは、離婚すると子どもの戸籍は自動的に『父親』の方に残るということ。
これから親権を持つのは私だけど、母親の戸籍に子どもを移す場合は家庭裁判所に行って一手続きし、『入籍届』を出す必要があるらしい。
入籍届って結婚の文脈だけじゃなくて、戸籍を動かすことなんだと初めて知った。
歯医者も驚いていた。
『これって親権者と戸籍がバラバラで何か問題ありますか?』と歯医者が聞き、何か言われたけど(もう忘れてるw)、大した問題にならなそうと判断して戸籍の移動はせずそのままにした。
何より、お互いこの超絶ハードなタスクをこなしている最中、新たに超めんどくさい手続きを追加するのが嫌だっただけ(笑)
必要な時期がきたらやったらいいわけだし。
これまた役所の人が言っていたことだけど『出来ればお二人揃ってきて欲しいんです。片方に説明しても、もう片方に伝わってない可能性が高くて。こういう説明も色々複雑なので、お二人のように揃ってきてもらえると本当助かります。』と言われた。
もし、これから離婚を考えている方は、関係の許す範囲内で一緒に行かれることをオススメします(笑)
離婚に付随する色んな出来事が起こる中で、歯医者と色んな話ができる関係性のままであることはとても有り難かった。
色んなことをこなすためエネルギー全開にしないといけないのに、相手との関係が悪かったらそっちでエネルギー消耗しちゃうよな…と。
滞りなく離婚届が受理され、私たちは『システム』から解放されたのでした。
妙な高揚感?なんとも言えない寂しさと、届を出してしまって、もう戻れないんだなという気持ちと、その時の感情は言葉にはできない。
お互い複雑な心境だった。
離婚届を出したらやろうと決めていたことがある。
『はい!』と、手差し出す。
『今までありがとう』と伝え、歯医者と握手。
その日は家族4人で近くのちょっと高級な回転寿司で夜ごはん。
『離婚祝い』?という感じで美味しくお寿司をいただき、帰りの車の中。
博士に『離婚届出したよ』の報告をする。
博士から届いたのは予想外のメッセージ。
以下全文↓
どういう言葉が適しているのかわからないけど。書きます。
まずは、お疲れ様でした。
お二人にとっては、第1章閉幕?的な感じなのかなぁと。1章が終わるということは、また次の章の始まりでもあるのかなと。
人生、最終章まで何があるかわからないけど、出会いがあれば別れもある。始まりがあればいつか終わりがくる。卒業のように終わりが前から分かっていることもあれば、続けていたことをやめたり、退職したり、離婚したりなど、自ら区切りをつけることもある。
全てが一期一会。その機会は二度と繰り返されることはないからこそ、その一瞬を大切にしないといけない。そして、その積み重ねがその人自身をつくるのだと思っている。
次の章で、別々のストーリーを歩んでいくのかもしれない。どんな出来事が待っているのか未知だけど、確実なことは、これまで歩んできた事実は永遠に変わらないということ。それがあるから、前に進んでいける。
本当にお疲れ様でした。
どうやら2人に対してのメッセージだ。
博士から、今まで私たちが過ごしてきた日々にリスペクトを感じた。
車の中で歯医者にもこのメッセージを読み上げた。そして私はちょっと泣いた。
こうして、届けを出してから何も変わらない毎日を過ごし、約2ヶ月後の3/21日に私たちの別々の暮らしがはじまったのでした。