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デザイン組織のケイパビリティを映像で魅せる!15秒CM制作の裏側

こんにちは。
MIXI デザイン本部 デザイナーリレーショングループの若狭です。

2024年9月10日にViViViT社主催のデザインエキシビション「TOKYO CREATIVE COLLECTION」にブース出展しました。

当日の会場で15秒の企業CMを放映できることになり、せっかくなので新たにPR動画の制作にチャレンジしよう!ということになりました。

デザイン職がどのように関わって、試行錯誤しながら動画を完成させたのか。
その舞台裏をお届けします!



CM制作における各職能の役割

今回の制作には、4つの職能のメンバーが携わっています。

  1. 動画ディレクター

    • コンセプト決定、ビデオコンテ制作、撮影から編集まで幅広く担当

  2. グラフィックデザイナー

    • 背景レイアウトやテロップの制作で、ビジュアル面を強化

  3. CGデザイナー

    • 映像に動きを加え、視覚的に魅力あるモーションを追加

  4. サウンドデザイナー

    • 映像に音をプラスすることで、メッセージ性を高める


まずは企業CMのコンセプト決め!

TOKYO CREATIVE COLLECTIONのコンセプトは以下の内容でした。

TOKYO CREATIVE COLLECTIONは、デザインがもたらす競争力を共創するための展覧会です。日本中のデザイナーやクリエイティブな人々が試行錯誤から生まれた知恵や技術、組織内の有益なナレッジ、未来を示唆するエクスペリエンスを持ち寄り、集結。世界でも類を見ない実践的なデザインに出会える最高の1日をお届けします。

来場数予想は1,000人以上。
来場される方に、私たちは何を伝えられるとよいのだろうか?メンバー内で議論を重ねました。

デザイン本部は、動画クリエイティブ、プロダクトデザイン、ブランドデザインという3つの専門性で構成されています。
それぞれが独自のケイパビリティを持ち、幅広い職能が共創しあいながら事業支援や全社貢献、デザイン組織の開発を行っています。

これまで私たちは試行錯誤を繰り返しながらケイパビリティを高め、ナレッジを蓄積してきました。
今回、この蓄積したナレッジを来場される皆さんに共有することで、デザイン業界の発展に寄与したいと考え、キーメッセージは
デザイン本部の「ケイパビリティ」としました。

企業CMでは、さまざまな専門分野の職能が集まるデザイン本部の幅広さを示すことで、そのケイパビリティの強さを表現しようということになりました。

来場者に伝えたいメッセージをデザイン本部の「ケイパビリティ」と決定


インハウスだからこそのスピード感でアイディエーション

15秒という短い尺の中で伝えたいことをどう効果的に伝えるか?
ディレクター陣はアイデアが豊富で、次々とおもしろいアイデアが湧き出てきます。

クリエイティブディレクター:「イナバ物置さんの『100人乗っても大丈夫!』みたいなのはどう?」

ディレクター:「インパクトが出ますね!」

クリエイティブディレクター:「いっそのこと、デザイン本部のメンバー全員を集めて撮影しちゃう?」

最終的には、本社36Fに設置された横幅24m×高さ2.8mの巨大LEDビジョンに百数名のメンバーの写真をずらりと映し出し、リアルで撮影するCDO(Chief Design Officer)との対比を作ることで、規模感や違和感を引き出してインパクトを訴求することに決定しました。

インハウスだからこそ、このスピード感とスムーズな連携で進められました。

巨大LEDビジョンにメンバーの画像を映し出すVコンテの一部

■担当メンバーコメント ディレクター:窪田 亙志

15秒の尺ということもあり、自他共にイメージしやすいVコンテを制作しました。
当初は、見た人の印象に残り、他社との差別化を図るために1カットで「職能の豊富さ」を表現しつつ、デザイン本部全員を映像に入れ込むことを考えていました。
その案をもとにVコンテを制作しましたが、クリエイティブディレクターの折原さんと相談を重ねる中で、短期間で全員の予定を合わせることが難しく、現場でのディレクションが複雑になるということもあり、別の案にすることにしました。
最終的には、人を撮影せずにデザイン本部の「職能の豊富さ」を表現するために、「デザイン本部全員のSlackプロフィール写真をビジョンに映す」という形に落ち着きました。

新卒ディレクターが映像制作に奔走

集めたプロフィール写真を映像に落とし込む作業は、2024年に新卒入社したばかりの動画ディレクターが担当しました。

写真を何段で組むか、背景色はどうするか、写真が流れる速度はどうするか、検討事項はたくさん。クリエイティブディレクターの先輩と相談しながら詳細をつめていきました。

写真を何段で組むとよいか、シミュレーションをしながら検証

■担当メンバーコメント アシスタントディレクター:山田 涼晴

ビジョン映像の制作ではデザイナーと連携しながら多数のパターンを作っていきました。
作っていただいたデザインはどれも素敵でしたので、本番と同様にカメラを通して何度も確認をしながら、最終的に決定しました。
私にとってデザイナーと直接連携しながら制作する初めてのディレクションでもあったため、皆さんにたくさん助けていただき、終始学ばせていただきながら完成させることができました。

撮影

撮影はテストを2回、本番を1回実施しました。
テストの目的は、ビジョンに投影される映像の確認と撮影するアングルの検討です。

映像データはパソコン上で確認するのとLEDビジョンに実際に投影して確認するのとでは印象が全く異なるため、投影テストは欠かせません。

また、今回はLEDビジョンで流れる映像をカメラで撮影するので、色味の再現性などもチェックしました。

カメラで撮影したときの色味をディレクターたちと確認
どんな画角がよさそうか、アングルを何度も検討
CDO横山が入り、本番撮影。ディレクターの連携もよく、15分ほどで撮影終了

■担当メンバーコメント ディレクター:窪田 亙志

撮るカットは事前にテストをして決めていたため、本番は時間をかけずに撮影を進めることができました。
フレームレート(※1秒間あたりの画像の表示数)60Pで映像の動きをスムーズにし、編集時に画角の調整を行いやすくするため、4Kで撮影しました。
特に、山田くんがジンバルを使って撮影したローアングルのシーンはとてもよかったです。

グラフィックデザイナーがJOIN!

メンバーのプロフィール写真をLEDビジョンに投影することで人数の規模感は表現できましたが、映像だけで職能の豊富さを伝えるには限界がありました。

そこでグラフィックデザイナーに協力を依頼。職能を文字で視覚的に伝え、多彩さを表現しました。
さらに、LEDビジョンの背景色やプロフィール写真の枠のデザインをブラッシュアップしました。

画面いっぱいにさまざまな職能の文字を敷き詰めて多彩さを表現
巨大LEDビジョンの背景色や枠のデザインを検討

■担当メンバーコメント グラフィックデザイン:柴田 胡桃

モニターに映し出される写真は、デザイン本部メンバーの写真を並べることで、人数の多さを表現しました。フレームにはブランドカラーを取り入れ、よりMIXIらしいエッセンスを加えました。
イントロダクションのレイアウトは、様々な職能が関わり合い共創していく様を表現するために、テキストを縦横無尽かつランダムに配置しました。これにより、各分野のプロフェッショナルが揃っていることを表現しました。

文字を動かしてさらに印象づける

CGデザイナーにもJOINしてもらい、文字を動かすことでインパクトを強めました。
また、文字の視認性を向上させるために実写部分の中央を暗くし、シャドウをブラウン系にするなどの調整も行いました。

⬆︎文字に動きを入れることで印象度もUPしました!

文字の視認性をあげるために調整を加えた(左:調整前 右:調整後)

■担当メンバーコメント CGデザイン:小長井 宏美

職能の豊富さを表現するために、様々な動きを取り入れました。また、コーポレートイメージを伝えるために、MIXIのブランドカラーであるレッドとオレンジを動きに加えました。
プロジェクトには途中から参加しましたが、CG側の意見も臨機応変に取り入れてもらい、様々な職能がスピード感をもって制作を進める様子を見て、内部制作の良さを改めて感じました。

音をのせて最後の調整へ

CGで動きやカラーを作り込むタイミングで、楽曲のブラッシュアップも行いました。

文字の動き方やカラーの質感を考慮しながら、どの音を前に出せばよいかなど、楽曲を作り上げる工程ですぐに調整を行いました。
映像に寄り添いながら音も作り込み、その音からさらに新たなクリエイティブが生まれるのがインハウスの強みです。

今回は少し緊張感のある高域の音でフェードインから始まり、徐々に音(音勢)が増えていくようにアレンジしています。
そこでは色々な職能の仲間たちが少しづつ肉付けされていくイメージを起こす効果を狙ったり、文字の動きや映像の質感を助長する目的で音を組み上げてたりしています。

■担当メンバーコメント サウンド:笠島 伸吾、ちばっち(外部協力者)

全体的に短調の楽曲ですが、「ものづくりのリアル」な緊張感を表現しつつ、ポジティブで前向きな気持ちになれるピアノのメロディが印象的に感じられる楽曲にしました。
映像の質感とそのメッセージ性に寄り添えるように、静けさの中で対話しているような空間を演出できるよう繊細な雰囲気づくりを大切にしました。

ついに完成!

試行錯誤を経て完成した映像がこちらです。

制作を振り返って

■担当メンバーコメント クリエイティブディレクター:折原 綾平

弊社には「ユーザーサプライズファースト」という、意思決定をする際に大切にしている軸があります。会場を訪れた人に、どんなサプライズを与えるか?そのための仕掛けは何か?このような思考を皆で"自然"に行っているのが、デザイン本部の強みです。

びっくり!派手〜!だけがサプライズではありません。イベントの性質、会場の雰囲気を崩さないために、落ち着いたオシャレな雰囲気の映像に仕上がっていますが、24m×高さ2.8mの巨大LEDサイネージに映る多くの社員と一人の男性(CDO)の構図が良い違和感を生み出していると思います。MIXIらしいインパクトをPJメンバーで作り上げることができました。
改めて感謝です。

今回のCM制作では、デザイン本部のケイパビリティを活かし、MIXIらしいインパクトを表現することができました。その結果生まれたサプライズが、見ていただいた皆さんに伝わっていればうれしいです。


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