ブトマ

オルタナティブエッセイスト 【ラジオ】 大ブトマ展 https://stand.fm…

ブトマ

オルタナティブエッセイスト 【ラジオ】 大ブトマ展 https://stand.fm/channels/625a331fbe02ac071aef2deb

マガジン

  • エッセイ

    日記のようなもの

  • 私は孤独と向き合っている

    躁鬱と診断されてからの10ヶ月 心の有り様を これは私の哲学の断片だ 全5話

最近の記事

ドライデーツ

横浜の喫煙所近くで 歯が7本くらいしかない ドライデーツみたいなおじいさんに 『お兄ちゃんさ、お姉ちゃんか? お兄ちゃんか?どっち?』 と問われた 何だ、この 2回宙返り1/2ひねりみたいな質問 『たぶん、お兄ちゃん寄りです』 私は一般的に言えば お姉ちゃんよりはお兄ちゃんに近いので そう答えた ドライデーツおじいは続けて 『昨日、六本木に居たよな?』 と問う このデーツおじい さっきからキャッチコピーみたいな質問しか してこないやん、電通かよ 私は 『

    • ヴィトンの財布

      同じ日本語でも 人によって解釈が違うから そりゃSNSでクソリプが無限に湧くのは 納得するところであります 中学ニ年の時 通ってた学習塾の帰りに 数人で歩きながら帰ってて 一人ずつ 「どの歌手のファンか?」 って言ってく流れになったんですよね で、言い出したヤツが 「誰が好きか」 ではなく 「誰のファンか」 ってなんとなくこの「ファン」って言葉に 固執したような何かハマってる感じ 覚えたての言葉使いたくって仕方がない的な それで みんなキラキラした目で 『〇〇のファ

      • 冬がマシだ

        冬が1番マシなんじゃ無いかって思う 春は花粉が飛ぶし 夏は暑すぎる 秋は短すぎるし "読書の秋"とか"スポーツの秋"とか 欲張りで優柔不断な感じがして なんか鼻につく それらに比べて 冬は寒いが"着れば"なんとかなる そして私の個人的な 冬のメリットがある 私は気温が寒い方がメンタルが安定する 冬はとにかく朝の調子良い もちろん寒いのは寒いが 起きた時に『うわ、寒い』みたいな感情が 私をシャワーに向かわせている気がする そうやってるうちに目が覚めるし 食事をすると

        • プシュン!

          昼下がりのスポーツジム スクワットをしている老体は バスケのシュートフェイントより 膝を曲げない 本来なら身体をほぐす為にある 赤と青のマットスペースは ストレッチしてるフリしながらの しゃべり場になっている 確かに"健康増進"と言う意味では 他人と喋るのが1番健康に良いのかも知れない 長年の知恵、勉強になる 私は大好きなチェストプレスをする為 4台ある中の気に入りってるマシンに座り 負荷を調節する すると ここでも老体の会話が聴こえてきた 2台隣のチェストプレス

        ドライデーツ

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        • 私は孤独と向き合っている
          5本

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          クーリッシュ

          口にクーリッシュをくわえながら 自転車を両手放しで運転してる高校生 かなり気怠い感じ これでヘッドフォンでもしてれば完璧だ おそらく無意識レベルで 『これがオシャレなんやろ?』 って思ってる 青春のダサい所がすべて詰まってる行動 私も高校の時にさほど偏差値が変わらないのに 徒歩5分の高校に通わず 自転車で1時間の高校に通っていた 近くじゃ"通ってる"感が出ないからだ そして自転車というアイテムは 徒歩に比べて"通ってる"感が3割は上がる そして自転車に乗って 気怠く

          クーリッシュ

          煮込んで食べる

          とある田舎町の大型スーパーで 働いていた ある日ひょんなことから 万引き犯を見つけてしまい 事務所で事情を聞くことになる 『まるでドラマみたいやん』 好奇心と緊張 私 『あの、じゃあ出して下さい』  男 『はい、本当すみませんでした』 テーブルに置かれるカレー粉 男 『本当に、すみません』 テーブルに置かれた黄色いスポンジ なんでこんなモノを・・ まぁ、あるあるなんだよな 盗る行為が癖になってしまった パターンかな 男 『す、すみません、本当に』 テーブル

          煮込んで食べる

          ハリウッド

          引っ越しが好きだ 東京に来てから8回は引っ越している 私にとっては"祭り"みたいなもので 必然と躁状態になりご機嫌になる 現在の部屋から引っ越してくる時 業者さんに缶ビールの500mlを 2本差し入れした "祭り"なんでね めちゃくちゃ喜んでくれた そりゃそうだ ビールが嫌いな引っ越し業者なんか 存在する訳がない 笑顔の引っ越し屋さん その日は"クリスマス"だった それもあって 私は気分が良くなってしまい 『ただチキンは自分で買って下さいね』 と ハリウッド映

          ハリウッド

          接客の味付け

          世の中は重い言葉で溢れている 楽器の練習をするから わりかしカラオケ店に行く もちろん1人で行くんだけど やっぱカラオケって多人数で来る前提 なんだよなって思う 接客もわりと多人数用というか 終了の電話かけてくる時に 『お楽しみの所失礼します』 って前置き入れてくる場合がある 結構なあるある この 『お楽しみ所』って言葉 1人には味付けが濃い、なんか重いというか 持て余す 1人だからと言って楽しんでない訳では ないんだけど やっぱり多人数用の言葉ってあるし 味付けの

          接客の味付け

          炙りサーモン

          「1番めんどくさい客は?」 と聞かれたら 私は"同業者の方"と即答する 居酒屋のキッチンで働いていた時の出来事 わりと忙し日 『すいません〜!あ、お疲れ様ですっ』 え、お疲れ様です?客?え、誰だろ 『座敷席の炙りサーモンまだですか?』 ん、座敷席、あぁ、やっぱ客か 私は『すみません、確認します』 と言おうとした すると被せるように 『全然!いっすよ、いっすよ 自分、同業者なんで、ハハハ』 同業者・・ 〜コンマ1秒思考停止する私〜 確認するとちょうど炙りサーモ

          炙りサーモン

          ケルヒャー

          夏の終わりには銭湯に行きたくなる 入浴料550円 なんか一時期のタバコくらい値上がりしてる気がするな 裸の老人が数人 私は銭湯で裸の老人を見るたびに 『ゾンビの元ネタってこれだよな』 って思う わりと「ァァァ」って言うし 0.25倍速のゆったりした動き ってことは 老人達にとって私は4倍速ってことか え、めっちゃ怖い そりゃ噛み付いてくるわ 身体を洗って風呂に入る 浴槽の何箇所かに ジェットバスがある 背中に噴射口を当てて瞑想中の爺 『なんか、シンプルな銭湯で良い

          ケルヒャー

          新大久保のカラス

          新大久保のカラスって 喋れると思うんだよな コリアンタウンとして有名な街 語学学校なんかもあって アジア系の留学生がたくさんいる 新大久保 この街のカラスは警戒心が薄くて 結構、近づける 平気でゴミを漁っている 昔、コンビニのビニール袋をくわえて 飛んでるカラスを見たことがある あれ、ゴミ箱の漁った食料を 袋に入れて運んでたんだと思うんだけど めちゃくちゃ頭が良い カラスはそれくらいやる 私は少し勇気を出して カラスに話しかけてみることにした 幸い周りに人は居な

          新大久保のカラス

          通信中です

          私にはよく行くコンビニに 「この人は声優を目指してるに違いない」 と勝手に決めつけてる店員さんがいる 声優さん独特の加工された "何かを"意識している様な 棒読みの大衆の中では違和感な存在 声帯に自意識の全てを集約させた様な声色 なにか"ゾワゾワ"っとして癖になる その店員さんが 『いらっしゃいませぇ〜』 と言う度に 『今日も"コンビニ店員役"の練習してるな』 など思い 目指すってイイよなって思う 私が1番気に入ってる台詞がある クレジットカードやバーコード

          通信中です

          元島さん

          真夏の昼に自分で作った イカ丼を食べる 冷凍のイカフライを親子丼の要領で 卵でとじたやつ 気温が高いのと炭水化物摂取による 体温の上昇でものすごく汗がでる だから最初から服は着ないで 上半身裸で食べる こういう日は"元島さん"のことを思い出す 2ヶ月くらいで辞めたビル清掃のアルバイト 彼はいつも砂の中から出てきたみたいな 表情をしていた 『そろそろ休憩入ろう』 私と元島さんは一緒に休憩に入ろうとしたが 社員さんに止められる どうやら1人ずつ入って欲しい様だ 『オ

          元島さん

          THIS IS シンガポール

          そこは観光客の多い居酒屋で スタッフも半分はベトナム人 すごく日本人が少ない場所 私はここの異国感が好きだった 英会話のスキルが必要かと思えば そうでもなくて ゼスチャーと単語でなんとかなる とりわけthis(これ)はかなり便利で 指差して『this?』って言えば確認になるし 数字を入れて『this one?』みたいに聞けば『これは一個でいいの?』みたいに確認も出来る 店内にはスタッフ達の"this"は飛び交っていた 日本人に接客する時の あとからクレーム入れてくる陰

          THIS IS シンガポール

          ウチの主人です

          短編集が好きだ 1冊に30、40の物語がゴロゴロ出てくるような 断片的なのが良い 起承転結になってない感じ 伏線回収みたいなめんどくささもない 想像する余白がある 本日、私は古本チェーン店にて ルシア・ベルリン 清掃婦のための手引き書を手に取る レジに向かい会計をしていると 店内の買い取りスペースのような場所で 老婦人が買い取り手続きしている 店員に 『身分を証明するものありますか?』 と聞かれて少し困った感じだ 店員さんを見るともっと困っている感じである 私は"物語

          ウチの主人です

          オススメ

          Netflixで吉田恵輔監督の ミッシングを2回ほど観る 吉田監督の作品は わりと重めな物語なんだけど その中にシニカルなジョークが入ってて すごく好きなんだよな 私には映画に関して1つ 自分で決めているマイルールみたいなものがある "他人のオススメ映画は観ない" これには訳があって 過去、知人から聞いたオススメ映画を SNSで『おもしろかった!』と絶賛したら それを見ていた知人は 『あれ、私がオススメした映画ですよね? なんか自分で発見したみたいに感想投稿するのどう