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キャタピラスープ日記 - 喪失から再生への1000日

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30代で夫と死別した「零」の日記。「わたし」を構成していた価値観やアイデンティティといったものは、どろどろに溶けてしまった。自分に深く潜り込み、いつの日か、自分の「コクーン(繭)…
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#喪主の挨拶

自己紹介:「キャタピラスープの1000日」

「忘れないで。わたしを忘れないで、置いていかないで。」 その声は、たしかに聞こえたのだ。 はじめは、午前中の明るい日差しのなかで。 つぎは、その夜。温かなお風呂のお湯のなかで。 それは、「あの頃のわたし」の声だった。 悲嘆の日々を記すこと 2018年の夏。最愛の夫が、あちらの世界に旅立った。 出会いからずっと一緒だった10年の「私たち」の日々は突然終わりを迎えて、真っ暗闇の、いわゆる「悲嘆の日々」が始まった。 「死」は遠かった。なのに突然目の前に降ってきて、そこら中

2018/09/06 (1) before 1pm 葬儀

8:30 着物の着付けは、驚くほど手順が多い。 腰から下に裾除けを、上にはガーゼの肌着を。重ねられたタオルが着物用の体型へと補正していく。腰元にぐるり。胸元にはVの字型に。体型が出来上がれば、白い長襦袢の袖を通す。腰紐が二本、腰元をキュッと締め上げる。「キュッ」に合わせて、目を閉じる。白い半襟を付け、伊達締めという紐状のもので、更にキュッと締める。目を閉じて、それを、受け止める。 一枚、また一枚と、葬儀という儀式に向かう自分が出来上がっていく。 家紋の入った(間に合っ