2018/09/03 目黒へ
朝
もう一日。もう一日だけでも、家で安置していれば…。
目が覚めて、すぐに後悔でいっぱいになった。奏くんに側にいてほしかった。奏くんの側にいたかった。そう思いながらiPhoneに手を伸ばす。
「零、飛行機のチケット取ったよ。12日の朝に成田に着くよ。すぐに行けなくてごめんね」
ベルリンに住む友人の青だった。奏くんが倒れてからの一ヶ月。親しい友人のみにしか知らせていなかった中で、親しい友人であり師ともいえる存在の彼女は、ずっとずっと支えてくれていた。そして今、遠くベルリン