2018/08/04 高熱が続く
17:28
夕方の面会時間、17:30まであと2分だ。
呼吸が浅くなっている
緊張の膜が張っている
亮くんの状態は、どうなのだろう
1日が経過して、何か変わっただろうか
何も悪くなっていませんように
熱が少しでも、下がっていますように
20:33
ヤマトの営業所で、荷物をピックアップしなきゃいけない。
その斜め向かいには、あの市立病院がある。
どうしたって、視界に入る。
薄目での運転を試みるがすぐに無理だと気づいた。
たった数日前の、身を切られるような後悔。
もっと早くに、ここに連れてきてあげられていたら。
逃げるように駅に向かった。
ロータリーに停めた車内で、ハナの到着を待っている。
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亮くんのベッドから目を逸らすと、外された拘束具が目に入った。
亮くんの顔は土気色をして、目はうっすら開いている。
その姿が、胸を突いた。
何も捉えていないようなその目は少し濁っているようにも見えて、寝てる時の半目とはやっぱりちょっと違った。
看護師さんが手で目を閉じてくれる。その動作に、また苦しくなった。
胴体と足は、熱中症の時に使うらしい電源付きアイスノンが覆っている。手足が冷たさはそのせいなのだという。
手が、本当に冷たくて、「亮くんの手が冷たい」ということに慣れていない私は、心底戸惑っていた。
頭部は、相変わらず熱いままだ。この続く高熱の正体が、ようやく判明してきていた。
全身麻酔に対しての反応で、悪性なんとか、というらしい。
非常に、辛い時間だった。
少し気が遠くなった時間もあった。
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病院の駐車場に停めた車内で、亮くんのご両親に様子を電話報告をした。
ずいぶんと、取り乱してしまった。
ナホの「倒れたばかりだから、時間かかるさ」の言葉に少し落ち着き、おかげで下道で1時間の道のりを運転して帰ってこれた。
しかし涙腺がやばかった。…よく帰ってこれた。
この日々が続くと、私、本当にやばいかもしれない。
でも、
父が言ったみたいに、一番戦っているのは亮くんなんだ。
その証拠の高熱なんだ。
私がダメになるとかもう、言語道断だ。